6話
翌朝いつもより少し早く起きて出発の準備をしてから厨房に行くと出発するのを聞いたのか、料理をする人がメモを持って待っている。上から目線みたいになるが、私がいなくなった後のことをしっかりと考えて手を打ってきたのはさすがだなと感心していると。
「あのー!!昨日作ったパンをもう一度作っていただけませんか?あれを見た従業員から食べてみたい!!との声が多くて……いえ正しく言い直します。会う度、違う従業員に作ってくれ!!とせがまれて、しまいには何故みていなかったのか?と怒られてしまうことに……なのでここでみてメモを取ることにしましたので気にせずお願いします。」
「えーと……よくわからないですけどわかりました。もし料理の途中でわからない事があれば聞いてください。」
「えーー!!良いんですか!!でもそうするとレシピになってしまいますけど……」
あーそうだった。基本的にレシピを教えたりすると金銭が発生するんだった。この世界では、自分で気づいたのをメモするのには金銭はかからないけど、教えてもらうのには金銭が発生するということを忘れてた。
「そうしたら私は独り言を言うので、あなたも独り言を言ってください。たまたま会話みたいになってもお互いに独り言だった訳なので金銭はかからないと思います。しかもあなたの手書きなので、私のレシピかどうかは他の人にはわからないですからね。」
と小さい声で言いながら最後の方は、薄ら笑みを浮かべてニコッと笑いかけた。
「それは魅力的な提案ですが、正式にレシピとしてもらえればこれほど光栄なことはないです。」
「えっ?でもさっき考えてる感じでしたけど。」
「いえ。金銭の受け渡しのことではなくどれぐらいの価値かわからずにいたのですが、聞くのが一番正しいかなと思いまして、ずばりお嬢さんこのレシピは、いくらぐらいですか?」
怖いぐらいの笑顔でジリジリと近寄ってくる
少しずつ壁際に詰め寄られるがそこで受付の人に気づいてもらえ事情を説明するとその人がまさかの店主であった。
「うーんあの朝食のレシピか。確かに教えてもらいたいな。お願いだ、お嬢さん金貨1枚で教えて貰えないだろうか?」
そんな額ここで稼ぐの?いや私の方でもっと安くしよう。
「教えるのは全然大丈夫です。後金額も銀貨10枚で大丈夫ですよ!!」
これなら手持ちのお金もかさばらないし、簡単な料理だから、そこまで大きなお金(金貨に比べればだけど)をもらう必要がないのでこれぐらいかなと思っていたが、
「はぁ〜。一応店主をやっている身から言わせてもらうとお嬢ちゃんこのレシピの価値を下げちゃダメだよ。売られた側が悪人でない限り後々罪悪感に苛まれてしまう。」
「なるほど。そういうもんなのですね。」
この人の言うとうりだ私は、遠慮したつもりなどなかったがそういう考えもあるか。
「そうだとも。しかもこのレシピを出してかなり儲ける可能性があるのだからね。私がさっき言った金貨1枚は、これで売ってもらってもまだこちら側の罪悪感が少し和らぐかなと思っての事だ。」
「そうすると。ごめんなさいこのレシピの価値がいまいちわからないのと、レシピって通常どれぐらいで売るものなのですか?」
「うーん……そうだな。まずレシピの通常の金額はそうだな銀貨50枚ぐらいか。ただこれは新しい料理人がもし発表した場合だ、味は保証されてない。だがお嬢ちゃんは、今回の朝食を作ってもらいそれを食べた人や、みていた人、匂いをかいだ人、それぞれが同じことを言うこれが評価だな。それを踏まえて私なら……」
いやいやなんでここで溜めるの!!今めちゃくちゃいい話なのに。
「それで店主さんならいくらで売りますか?」
「あっ。うん。金貨5枚は固いかな。」
えーー。そんなにするの。あんなに簡単に作れるのに!!でもそんなにもらうと私の方が罪悪感にさいなまれる
「店主さん、なら金貨1枚で!!金貨1枚でお願いします!!」
「うん?急にどうした。いや、当然私達は構わないが。」
「よかった。お金を持ちすぎても怖いので……」
私がそういうと店主さんの顔が歪んで、
「お嬢ちゃん、ギルドに預ければいいんじゃないか?」
「えっ!!ギルドってそう言うこともやっているんですか?」
思わず質問を返してしまった。
と言うかギルドで説明してくれた男の人伝え忘れてたな!!
ふぅ。ちょっと感情的になったが、この年齢の子がかなりの金額稼ぐのは、ありえないだろうからある程度大きくなったら話すつもりだったのかも。うん。そうに違いない。
「そうか。ギルドで教えてくれなかったのか。後でクレーム出しとくよ。」
「それは大丈夫です。私が急に大金を稼ぐとは思ってもいなかったでしょうから。ただこのお金をギルドに持って行く時に一緒についてきてもらって証明と注意をしてもらいたいんですけど。」
「それは!!任せて!!お嬢ちゃんのためなら全然問題ないよ!!」
と言ってもらい、料理人にメニューの内容を教えると大感激し、今日作っている時に更に詳細にメモを取るその姿を見てさすがだと感じ、ところどころアドバイスをして、レシピが完成した。そのレシピを大事そうに抱えながら一度自分の部屋に戻るみたいで、店主さんは笑いながら早く戻ってくるようにと伝え、私の方を見て
「準備ができたら受付で待っているからね。」
「もう準備できています。すぐに出発できますよ。」
「もうできているのかい。わかった。私もすぐ準備するからここでちょっと待っててくれ。」
と言って調理場から出ていった。しばらくすると受付の格好ではなくラフと言うべき格好で、でてきた。
「待たせたね。それじゃギルドに行こうか。」
「よろしくお願いします。」
そう言って荷物を持って宿を出てすぐにギルドに着く。そうだよね。だってギルドのすぐそばだから私も宿泊したし、なんなら朝食の噂?を聞いて冒険者がいっぱい集まるぐらいなのだから。ギルドに着くとまだ朝早いため人全くと言っていいほどおらずかなり新鮮だったが店主さんが受付の人に
「預金の件で来たんだけど……」
「はい!!預金ですね。預入ですか?」
「いや、このお嬢ちゃんが説明を受けてないみたいでね。なんでなのかなと思ってきたんだけど。」
「えっ……あっ!!そうだ!!すみません!!私が担当したんですが、確かにしてないです。お嬢さんすみません。」
こっちが驚くほど早く謝ってきた。そうされるとこれ以上何も言えない。
「それはもういいですよ。それで仕組みはどうなっているのですか?」
「はい。ここで預かったお金は、他のギルドでも引き出すことができます。ただその際には必ずギルドカードを提示が義務付けられています。そして預金をするときも同様です。
こちらにある専用の魔道具で本人確認と預金額を確認してからお金を渡します。」
「なるほど……後質問なんですが、紛失した場合はどうなりますか?」
「その場合銀貨5枚で再発行が可能です。かなりの高額なので、ギルドカードの管理には気をつけてください。」
「はい。わかりました。絶対無くさないようにします。」
受付を離れて空いてる席に座る。よし、ここから本題だ。
「店主さん。そしたらあの代金をここで支払ってもらっていいですか?ギルドカードに保存したいのですが。」
「あぁ。構わないよ。はい。これがあの代金の金額だよ。」
と渡されたのは、金貨5枚だ。
「ありがとうございます。ってこれは、多いですよ!!」
とかなり焦る私それを見ながら店主さんは笑い。
「いいのいいの。あのレシピの価値をお嬢ちゃんには、言ってあるから逆にしっかりもらってくれ。」
とここまで言われて断ることが出来ずに受け取った。そしてそのまま再度受付に行きお祖母様からもらった金貨10枚のうち7枚とさっきの金貨5枚合わせて13枚あずける。手続きが終わったのを確認すると緊張が一気には抜けて気が楽になったが、重さは変わらないはずなのにギルドカードがかなり重く感じた。
「さてと。この後お嬢ちゃんはどうするの?」
「王都に向かいます。」
「そうか。やっぱりそこは変わらないんだな。」
「そうですね。一回決めたことなので。」
「今回の宿代は、私からのプレゼントで無料でいいよ。そのかわり帰ってきたら必ずここによってね。」
「はい。もし帰ってきたら必ず寄ります。プレゼントありがたくいただきます。」
「うん。素直でよろしい。」
と言って頷くと私の背中をバシッと叩き
「頑張れ!!とは言わないよ。だが行ってらっしゃい!!」
そう言ってもらい私は胸がいっぱいになり目を袖で擦り笑顔でこう返した。
「行ってきまーす!!」
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