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しばらく3人で待っていると、優しくドアをたたく音が聞こえてきた。
「どうぞ。」
「失礼いたします。ご報告をいたします。ランドリー子爵自ら馬車を降りられて門の前でもう一人の軍隊長と話し合い中でございます。この間にこちら側の警備の体勢を整えたく思います。」
「なるほどね。あんたら、いいコンビじゃないかい。」
「女将さん。よしてください。今までいがみ合っていた中ですよ。」
「そうかい、そうかい。せれでもうまく、連携が取れていて、さすが軍人同士って感じだね。」
女将さんがそう言うと女エルフの軍隊長は少し照れたように笑うとすぐに外に出ていき周りの兵士たちに鋭い声で指示を出していた。その様子を見ながら私たち3人はこんな状況にもかかわらず、顔を見合わせて笑いあっていると、外から先ほどとは違う意味で鋭い声いや、怒声といった方がいいだろう。かなり騒がしい声がここまで聞こえてきた。そしてドアの音が激しくたたかれる。
「ミールはここにいるのだろう!!私が自分の娘に会いに来て何が悪い。」
「ランドリー子爵様お気持ちはわかりますが、こちらといたしましては、ここにいるミールとやらが子爵様の娘様かどうかわからない次第でございます。なので、確認してまいりますので今しばらくお待ちくださいませ。」
「いや、おまえらでは,うちの娘かわかるはずがない。」
「それは確かにわたくし共では、わかりませぬが。ご本人様でしたら否定しないのではないでしょうか。」
「う・・・・」
お父様の声が詰まった。そりゃそうだろう、なんだって追放したのだから。私が本当のことを言うと、 ランドリーの名前に傷がつく。それをヨシとはお父様は絶対にしないだろう。かといって私を探しに来たってことはいい婿養子が見つかったか、ここまでみんなが感じとってくれた私が作ったお料理のことに気が付いたかのどちらかだ。どちらにしてもこのまま帰ってもろくな未来にしかならない。私が自分の思考の中に落ちていたからだろうか。リードと女将さんが私の顔をかなり心配そうにみているのが見えた。
「ミール。大丈夫かい?」
「はい。」
「なあ・・顔を変える魔法またやってやろうか?」
「リード。ありがとう。でも、みんながここまでやってくれているから、ここまで来たら逃げも隠れもしないわ。それにもう少しでお父様があのドアを・・」
(ドーーーーン)
ものすごい音ともにドアが壊れた。そしてこのことをやった張本人が悪気もなくズカズカと入ってきた。
「ミール。ようやく追いついた。さぁ一緒に帰ろう。」
「ランドリー子爵様。ようこそおいで下さいました。確かに私はミールという名ですが、貴族様ではございません。それに、大変恥ずかしながら魔力がないのでございます。ですので、勘違いだと思います。」
お父様は一瞬ポカーンとした表情を見せたが、我に返り考えをまとめているようだ。その間に軍隊長2人が私の横にきて私を挟むような形になり、私の後ろでは女将さんとリードが退路を確保してくれている。そのほかにもこの町の人達がそれぞれ動いていると隣に来た時に女エルフの軍隊長がおしえてくれた。
あんまり危険なことしないようにしてほしいんだけどな。
「えーと、ランドリー子爵様、御用がお済でしたら、ほかの町や村を訪ねたほうが良いかと思います。」
「まだ、用は済んでおらん。ミールよ、前のマリョク測定は、魔道具が故障していてな。協会が誤りに来て、それで再測定をさせてほしいと申し出てきた。だから領都に戻ってきてくれないか?」
「なら行けばいいじゃん。再測定なんて初めて聞いたぜ。さすがはお貴族様だな。」
その言葉をラードが発した瞬間周りの空気が一変した。この空気感を瞬時に感じ取り、ラードはやってしまった、という顔をしてしまった。その空気感とラードの表情からお父様は得意げになり、私に向けてさっきとは違う感じの笑顔を向けてくると。
「やっぱり、わが娘のミールじゃないか。否定された挙句、私のことをお父様と呼ばず、ランドリー子爵と呼んだからびっくりしたじゃないか。」
「フ~。お父様、追放した娘に今更何か御用でございますか?」
「ようやく認めたか、先ほども言った通り魔力の再測定が決まったから迎えに来たのだ。」
「それでしたら、王都に向かった方が良いと思いますが、なぜ領都なのでしょう?そのほうが協会も都合がよいと思うのですが。」
そういうと、ここで言い返されることを想定していなかったであろうお父様は、目を2回いや3回瞬きさせると考えるように黙ってしまった。そのころ、私の後ろではラードは、女将さん、女エルフの軍隊長、それと町の人達に大目玉を食らっていた。その様子を少し・・・・いやかなり見たかったが、目の前にいるお父様が突然変なことを思いついて連れて帰ろうとしてもおかしくないから仕方なく前を向いて耳の意識だけ後ろにしていた。そのおかげで、お父様が口を開くまで退屈はしなかったから良かったんだけどね。ちなみに男の軍隊長は微動だにせず私の横で立っていた。いやすごいな。
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