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【5000pv達成!!感謝!!】子爵家を追放されたら幸せが待っていた〜私は聖女じゃありませんし魔力もないです〜  作者: 水玉紅葉


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32話


笑っていた女将さんがこちらの方に歩み寄って来た。

「ミール。難しく考えてるな。仕えるって言っても手伝ってもらうだけだと考えれば気が楽になるだろう。」

あ、そうか。主って言葉を重く受け止めすぎていた。手伝ってもらうだけって考えたらそんなに気負わなくていいじゃん。

「女将さん。アドバイス、ありがとうございます。では、お二方とその部下の方々、力を貸してください。よろしくお願いします。」

「は!!かしこまりました!!」

と人間の男性。

「は!!お任せください。」

とエルフの女性。

そう言って2人は部屋を出て行った。その姿を見送り、ラードと女将さんに詳しい説明を聞かなきゃ。

「ラード。女将さん。詳しく聞きたいんだけど。いいかな。」

「別にいいぜ。というか俺もあまりわからないとけどな。だってミールが部屋で待ってる間、女将さんがあいつらを部屋に入らないように止めていたんだ。埒が開かなさそうだから話を聞きに行ったらさっきの2人がすごい勢いでミールに対しての忠誠を知って欲しいみたいなことを背筋を伸ばしている姿勢で言ってたから、 このままだと本気で突破して来かねないから、どうしよかと女将さんと悩んでいた時に」

そこまで言ってラードは、女将さんを見て頷くと女将さんが喋り始めた。

「そこで思い当たったのさ。こちらを利用しちまおうって。実際私たち3人じゃすぐに限界がきちまうだろう。だからあのバカ連中に付き合って貰えばいい。そのことを伝えたらあの2人以外も士気をあげてすごかったぞ。」

料理をしてる間にそんなことになってたんだ。

そんな声も聞こえなかった私ってどんだけ集中てるの。

「あの光景をこの町のほか奴等にも見せてやりたかった。人とエルフが混じり合って、こっちの担当とあっちの担当で役割決めしたり、真剣に議論してるのを見るのがこんなにも嬉しいとは思いもしなかった。」

「女将さん。わかるぜ。俺もあれを見た時にミールを呼びに行ったんだけどな。そしたらこっちはすげ〜恐ろしいものを見ちまった。」

そう言ってラードは、笑っている。

あ、その、それはしょうがないじゃん!!

「そうだよな。私でもあれはかなり怖かった。って言うかあのミールをあいつらに見せたら恐怖政治ができあがりそうだ。」

そんなことしません!!ていうか出来ません!!

「それで、避難して来た者の援助、怪我した者の介抱を、途中名乗り出てくれてたエルフを中心にやっているって感じだ。」

なるほど。これで私が部屋に籠っていた時の流れがわかってきた。よし、今度は私の番かな。

「ありがとう。二人とも。これでこのすごい状況がわかったし、計画が思わぬ形だけど進んでいるのでよかった。それで料理なんだけど完成したから食べてみる?」

とカゴの中からパンを出す。

「パンかよ。なんか期待して損した。」

「ミールがあんな感じになるぐらいだ、他にも何かあるんだろう?」

「さすが女将さん。これを作ってました。」

とパンの奥に隠してあった、リンドジャム、

イチドジャム、マーマレードをだすとラードは、目を丸くして

「これ何?」

女将さんに至っては興味津々に

「うーん……なんだこれ。」

私は、ニコッとしながら。

「これをつけてパンを食べてみてください。まとめてつけるとおいしくないですよ。」

「試してみよう。この赤いのを塗って。ミールごめん。私に勇気が足りないから少しだけにさせておくれ。」

とおそるおそる塗っていく。そして目を瞑り

一口パクッと食べると

「うん。ラードごめん。これは……私のものだ!!」

「女将さん意味がわからんぜ。急にどうした。」

「女将さん、ちょっと待ってください。」

「ミール。なんてものを作った。これは独り占めしたくなる。」

それをみんな聞いていた。

「あ、あの〜今のお話たまたま聞こえたんですが、私達もいただいてよろしいですか?」

エルフの女性が困ったような、はたまたま苛立ったような感じで女将さんを見ていた。

「う、うん。いいぞ。」

あ、すごい表情なんか泣きそうな顔で、エルフたちに丁寧に渡してる。

「ラード……女将さんエルフたちが食べるのを見て泣いてるんだがどうしよう。」

「モグモグ!!」

「ラード。聞いてる?」

「あぁ〜。きいてるきいてる。モグパクッ」

絶対聞いてないんだけど。そんなふうに感じながら周りを見てみるとパンを食べた方々から動きにキレが出てきている。

そしてこの時からある言葉が宿を駆け巡っていた。その言葉は

「ジャムがついたパンを食べたければ動きなさい。パンが仕入れられたら確保。ただし避難、怪我した方々が優先だ。」

と言うなんともヘンテコな言葉だ。だがこの時ばかりはバフがつく料理に感謝していた。このまま何もなく人とエルフが手を取り合っていけるようになればいいな。私は料理を食べているみんなを見ながら、この町の未来について想いを馳せていた。

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