3話
部屋についたので振り返りはここまでこの家から出ていく準備をしなければ、とりあえず大きな物は持っていけないので、今まで一番大切にしていた包丁とその手入れ道具と少しばかりのお金が入ってる財布をカバンの中に入れ、洋服はドレスではなく動きやすい服装に着替える。
いつもはメイドさんがお手伝いをしてくれていたが今は誰も来ない。まぁ当たり前か、追放されるとわかっている人を庇うと自分もどういう目に合うかわからないから致し方ないと考えながら準備を終たので、お祖母様に言われた通り一度お祖母様の部屋に向かう。
その道中にメイドさんや執事さんを見かけたが、いつものように挨拶されるわけもなく悲しい気持ちのままお祖母様の部屋の扉をノックした。
「はいよ。ミールだね。待っていたよ。」
と言っていつも通りの対応をして待っていてくれた姿を見て私は思わず涙ぐんでしまう。それを見たお祖母様はすっと近寄り抱きしめ
「ごめんな。守ってやれなくて。だが今から渡すもので少しでもこれからのあんたの役に立ててできればこのおいぼれのことを少しだけでも思い出してほしい。」
「そんな!!お祖母様は、最後までお父様を説得しようとしてくださいました、謝ることはないです。」
というとお祖母様は泣きそうになりながらもニコッと笑い用意していた物を渡してくれた。
「お前に渡したかったのはこれだよ。」
と手に持っていたのは金貨10枚。この世界のお金の仕組みは、銅貨、銀貨、金貨、白金貨がある。白金貨は大体王族ぐらいしか持っていないので、貴族以下は金貨より下の物しか持っていない。そして大体銅貨10枚で銀貨1枚、銀貨100枚で金貨1枚、金貨1000枚で白金貨1枚、となっており、銀貨10枚が大体の平均の月のお給料。前の世界の1万円ぐらいだ。今渡されそうになっているお金は、100万円の大金だと思えばいい。
「こんな大金もらえません。お祖母様のこれからの生活もあるでしょうからそれに使ってください。私はなんとかしてみせます。」
私としては今言った事そして後からこの事を知ったお父様が何をしてくるのかわからないという不安からこの申し出を断ることにしたが
「大丈夫。私の事は心配しないでも上手くやっていくよ。それと今思っている事は誰にも言うんじゃないよ。その事は料理長と私で上手くやるから気にしないで持っていき。」
とグイッと私の手に袋を押し付ける。この好意を受け取らないのは失礼だと思い直し
「わかりました。大事に使います。」
「そうか!!これ以上駄々をこねられたらどうしよかと思っていたよ。それとこれからはどうするつもりだい?急な事だから何も決まってないだろう?」
「はい……どうすればいいか決めてないです……」
「なら王都に向かうのはどうだい?あそこならあんたの力を活かせる仕事がいろいろありそうだよ。」
「王都……ですか。うん!!そうします。いろいろな事を経験できそうです!!そう考えると少し楽しみになってきました。」
少しづつ気持ちが前向きになっていきお祖母様との会話でこれからの行動が決まっていく。
「いろんな経験ね。そうすると一度冒険者ギルドに登録して身分証の代わりにギルドカードを持っていた方がいい。今までは、この家の紋章が身分を証明していたけどね。」
なるほど確かにここを出るとお祖母様の言うとうり私に身分を証明できるものが無いこの屋敷をでたら最初にこの街の冒険者ギルドに向かおう。
「そうですね。この後ギルドカードを作ってもらってから、宿を探して明日旅の支度をしてから明後日王都に出発します。」
「そうだね。できれば今日中にこの街を出た方がいいんだけどね。それが一番速くて現実的だね。残念だけどあんたが王都に出発する時には見送ってやれないが元気でやるんだよ。」
「お祖母様……ありがとうございます。王都から祖母様のところまで元気な事が伝わるように頑張ります!!」
とお祖母様と軽くハグをしてから部屋を出て料理長のところに別れのあいさつに調理場に行くと料理人と料理長はいなく置き手紙とサンドイッチが置いてあり手紙には
(嬢ちゃんならどこでも上手くやれる。自信を持っていって当主様を見返してやれ。)
と書いてあって私は元気をもらった。そしてこのサンドイッチを手にいよいよこの家を出て行こうとするとお父様とお母様とすれ違ったがもう私の事は、眼中にもなく別れのあいさつもないまま私はこの家を出た。
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