25話
門の前に着くと堅物の雰囲気を纏った屈強な兵士が2名、門を挟んで立っていた。
「いいか。下手に騒動になると後が大変だからな、かと言って捕まるなよ。」
うん?ラードは誰かと勘違いしてるかもしれないな。
「確かに気をつけるとは言ったけど、捕まるってことはないんじゃ無い?ラードは変装してるし、私はこの町に初めてくるし確かにピリピリはしてるけど大丈夫でしょう。」
「初めてだから忠告してるんだ。おまえはいつものあいつらを知らないからな。いつもなら一人だけ立ってて、検問もいい加減なんだ。それが今日になっていきなりあんな感じで待ち構えてるのは、やっぱりなんかあったんだと思うのが当たり前だろう。」
なるほど、それが本当なら確かに警戒すべきだろう。
「わかった。ラード念のため私にも魔法かけれる?」
「いいぜ。でもよ出る時には、どうするんだ。顔多分だけど覚えられるぞ。商人なら特に。」
「冒険者なら……ってそれこそ冒険者カードでバレるか。うーん。まぁどうにかなるでしょう。」
街を出る方法を今考えてもしょうがない。
今は、もしかしたら両親が私の事を捕えに来たんじゃ無いかと考えてラードに魔法をかけてもらってこの町に入ってすぐにでよう。じゃないと両親がなにをしてくるのか、捕まったらどうなるか、わかったもんじゃない。
「まぁ〜。おまえがいいならいいが。」
門の前に並んでる列の後ろに加わるとふとある事に気づいた。
「ねぇ。おまえってのやめてくれない。」
「別にいいけど名前知らんし。逆になんて呼べばいいんだ。」
えっそうだったけ。そう言われると言ってない気がする。
「私はミールだよ。よろしくねラード。」
「ミールか。わかったぜ。それでミールなんで魔法をかけて欲しいんだ。」
「えーっとね。そうだな聞いたら後悔するよ。」
とわざと脅し気味に聞いて、顔をニヤつかせると、不気味に思ったのか声が上擦って
「べ、べつにきかなくてもいい、ひとそれぞれじじょうがあるもんな!!」
あ、この人絶対面白い人だ。
「そうそう。人それぞれいろいろあるんだからね。あんまり詮索しちゃダメだよ。」
「ミールには、そうするわ。なんかいろいろ罠を張ってそうだ。」
「罠ってどう言う事。」
「さっき見たいにからかってくる事だ。」
あ、バレてたか。今度はうまくやろう。
「まぁ、知ってても意味ないしもう少しすると顔が見られちまうからさっさとやろうぜ。」
そうラードは、言ってからボソボソと呟いた。
多分呪文なんだろうな。
「よし、別人に見えるぞ。」
「ありがとう。じゃ〜順番が来るまで待っておこう。」
しばらくすると私たちの番になり
「おまえ達は、なにをしにここへきた。」
「観光をしにきました。ところで何かあったのですか?」
「そんなことはお前達が知る必要はない。ただ任務だからこちらの質問に答えてくれ。」
本音が少しわかった。やっぱりめんどくさいみたいだがこう言うので仕方なく本当に仕方なく質問に答える心構えができてきたので少し余裕がある。
「それで、聞きたいことってなんですか?」
そう言いながら腕を組みラードと一緒に兵士を見てると。
「まず一つ、この町にはよくくるのか?」
「今日が初めてですよ。ただこの隣の人は、よくきてるみたいですが。」
「はい。俺はよくきてますよ。この子とはさっき知り合ったばかりで案内する約束をしたんで。」
「ふむ、なるほどな。それでさっき知り合ったばかりってことは旅人か?」
うわ〜。ラードのやつ疑われたみたいだぞ。
しっかりしてくれないと。ここは私がうまく誤魔化すか。
「旅人ではありませんが、訳あって王都に向けて歩を進めている途中にこの者に会い、話をしているうちにこの町を案内していただけると言うことになりました。」
「なるほど。詳しい説明をしてもらったな。だが、王都に行かないといけない訳とはなんだ?」
その質問待ってました!!
「えっ、ここ王都じゃないですよね。そんなことまで、なんで聞かれないといけないんですか?もしかして皆さんからこう言う情報を聞いてどうするおつもりなんでしょう。」
この言葉に明らかに動揺してしまった兵士だったが、
「確かに王都じゃないがこの町に入る為には今は理由が必要なのだ。こちらとて、やましいことなどないからな。わかった。お主ら2人は通してやろう。」
きた〜。面倒な奴だと思わせれば、関わりたくないはず。その作戦がうまく行ったみたいだ。
ラードにかけてもらった魔法もどれぐらい持つかわからなかったし。
「ラードうまく行ったね。」
「ミール……あのさ。あれ目立ったんじゃね。」
「大丈夫。だってあの二人私たちの名前知ないし。さぁ〜あとは宿を取って寝ようっと。そうそう、ラードありがとうね。」
そう言って走りだす私を追ってラードもついて来て、
「宿を見つけるの手伝ってやるよ。さっきの礼だ。」
そう言ってくれた。なんだやさしいところもあるじゃん。
「なら、よろしくお願いします。いい宿教えてね。」
そう言うとラードは照れくさそうに笑っていた。
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