22話
「すげ〜うまい!!」
1人の男の人が声を上げるとそこから波が打ったように歓声が上がった。うん?なんか人増えてない?ちょっと周りを見るようにキョロキョロしていると
「ミール、もう鍋の中がないよ。おかわりあるの?」
とリリーが大声で私を呼びながら大きく手を振っているのが見えるのでそっちに駆け足で向かって行きながら感じる。やっぱり気のせいじゃない実際に増えている、だって長蛇の列ができているんだよ。リリーとリリーのお母さん、お兄さんは、いつの間にかできていた長い列の先頭で配膳していた。ところで私はというと最初に話しかけてくれた、男の子の家に特別に運んであげていた。その子のお母さんに届けた後、戻ってきたときにこうなっていたのでかなり慌ててリリー達の所に着くと鍋がほぼ空になっており、村長を含め4人がこちらを見ているから想定外だったのだろう。
「ようやく来たよ。あの子のお母さんには、渡せた?」
「もちろんだよ!!あ、それと一応あと鍋3つ分は作ってあるよ!!味は違うけど……」
「さすがミール!!お母さ〜ん、おじさ〜ん、まだあるって!!」
「リリー、温め直さないと。」
「あ〜、そっか。でも普通に暖めるだけでいいなら私でも大丈夫だよね。おじさん、お母さんよろしくね。」
「まぁそうだけど。焦げないように気をつけてください。」
「わかったわ。すぐに行ってくる。」
「村中から来ているんだもんな。こんなに美味しいスープだから、数えてないけど何回かおかわりに来ている人もいるだろう。」
「そんな悠長なことを言ってられないわよ。すぐに持ってこないとあの鍋の中が空になって大変なことになるわよ。」
とそんな会話をしていて慌ただしい雰囲気の中1人の女性が
「何かお手伝いしましょうか?」
「ねぇ〜おねえちゃん、僕たちもお手伝いしたいな。」
「よろしくお願いします。」
と何気なく振り返ると例の男の子とそのお母さんがこちらに向かってお辞儀をして、歩いてくるので、
「もう、大丈夫なの?」
「うん。おねえちゃんのごはんを食べたら元気が出たみたいで、それでお手伝いしに行こうって」
「えっ……そうなんだ。」
「わざわざ持ってきてもらってありがとうございます。」
その会話がリリーにも聞こえたみたいで、
「ほら、やっぱりミールが作る料理には、何か力があるんだって。」
そうリリーのお母さんとお兄さんに伝えると、リリーのお母さんはニコニコし、お兄さんは、驚いていたが、すぐに2人は顔を見合わせると
アイコンタクトかわしすぐにリリーの家に走って戻って行ったのをリリーは満足げに見ていたけど、私はリリーのお母さんの足の速さにビックリしているとリリーが近づいてきて
「ねっ。私が前に言って通りじゃん。」
「ううん。違うよ。あの子のお母さんが、頑張って治しただけだよ。だって私の料理にそんな力はないもん。」
実際そうなのだ、料理を食べた両親が集中力をあげて仕事のスピードや、効率を上げている事はお祖母様から聞いて知っているが、人のしかも下手したら感染病を治すなんてこと……誰かに知られただけでめんどくさいことなる気しかない。だからリリーがそうことを言うたびに認めたくなかったのだが、この男の子も私が作ったものを食べてお母さんが元気になったのを知って欲しかったのだろう、だから病み上がりのお母さんを連れてお手伝いを進んでやりたいと言ったのか、うーん認めなくないけど……私の料理は、本当にどんな効果があるのだろうか。
「ミール?どうしたの?そんなに難しい顔をして、もしかして私の言ってることまずかった?」
「いやそんな事はないんだけどね。ただ私1人で作ったわけじゃないから、どうしてもそう言う事言われると私だけじゃないよ〜って思っちゃうんだよね。」
「確かに今回のこのイベントは私もお母さんもおじさんもお料理の手伝いをしたけど、本当にお手伝いなんだよ。私達が怖がってるだけでね集中している時のミールは、誰にも何も言わずにテキパキと動いてるんだけど、にこやかにお料理を作ってるんだよね。私と同じぐらいの年なのにすごいなって。だから私は、ミールに自信を持って欲しいんだよ。」
「リリー。ありがとう。」
なるほどね、リリーがそう周りに言いふらしていたのはそう言う事だったのか。自信を持って欲しかったと言われて、そんなに持ってなかったかな。言われてみれば追放されてから、逃げるようにしてここに来たからそう見えたのかもしれないな。そうこうしているとリリーのお母さん達が戻ってきた。鍋をセットしてからリリーのお母さんが
「みなさんお待たせ!!それでは再開しますね!!」
と一声かけるとみんな一斉に騒ぎ出しお祭りみたいに盛り上がった。
その日の夜スープパーティが終わり片付けも終わったあと、リリーのお母さんに呼び止められた。
「ミールちゃん。明日の朝はやくに出発するんでしょ。」
誰にも何も言ってなかったのでビックリして目を見開いていると
「大丈夫、あの子には言ってないから。それといろいろとありがとうね。あなたが旅に出ると確かにリリーは悲しむけど、あなたとの思い出があるからすぐに元気になるわ。だから気にせずに行ってらっしゃい。明日の朝は、私しかお見送りできないけどね。」
「こちらこそいろいろありがとうございました。黙って行くのは気が引けてたんで、お見送りしてもらえてすごく嬉しいです。」
そういうと、リリーのお母さんは笑って
「うん。それじゃ、おやすみなさい。」
「おやすみなさい。」
と言って別れた。
翌朝
「それじゃ。リリーのお母さんリリーにまた会いにくるね。と伝えてください。」
「うん。伝えておくね。その時を私も楽しみにしているわ。」
と言って軽くハグをしてくれた。
「ミールちゃん体に気をつけて元気でね。」
「はい。行ってきます!!」
さよならは、寂しくなるのでそう言ってこの村を旅立った……プレゼント気づいてくれるといいなぁ。
作者からのお願いです。
少しでも、
「面白い!」
「続きが気になる!」
と思っていただけましたら、
【☆☆☆☆☆】をタップして、
【★★★★★】にしてくださり、絵文字をつけてくださると嬉しいです!
皆様の応援が、作品を書く最高の原動力になります!
なにとぞ、ご協力お願いします!
この作品は無断転載禁止です。




