20話
「じゃあミールちゃんよろしくね。」
そういうと、リリーのお母さんは二人に合流するために調理場から出て行った。それを確認して、さらに周りに誰もいないことをみてまわる。誰もいないことをしっかりと確認して、料理を再開する。まぁここまでくると私がしっかりと味付けをしたり、食べ頃まで煮たりすることに集中できるから実際リリーに言ったことはあながち嘘では無い。よしやりますか!!
(コトコトコトコト)
うん?なんか後ろから声が聞こえてくるような気がするんだけど……
「ねぇ、あれがあなた達が言っていたミールちゃん?本当になんか怖いわね。」
「本当にそうなんだよ。初めて見た時には、圧倒されちゃって少し話しかけられただけで……」
「あ、ミールが気づいた。」
リリーのその言葉を合図に後ろを向くと、3人ともまずいと言う顔をしていた。
「あの〜何をされてるんですか?」
普通に聞いたつもりだったが、リリーとお兄さんのヒッっと言う声がきこえる。
「ごめんなさいねミールちゃん、いい匂いがしてついここまできちゃった。」
リリーのお母さんが説明してくれるがその様子もこちらに目を合わせず視線が右往左往しているので、もしかしてリリーが教えてくれた怖い状態になっているのか!!これはまずい。
「いえ全然大丈夫ですよ。」
「怒ってない?」
「それはもう全く。」
「ならいいんだけど、私も初めてみたしあの2人は、あんな調子だし」
と言って後を振り返ると、2人して抱き合ってこっちの様子を伺っていた。あれこの間の時より酷くなってない?あ、やばいやばい焦げちゃうよ。
「ふぅ〜、ものすごい圧だったわね。」
「お母さんもすごいよ。あのミールと普通に話しているなんて。」
「普通に見せてるだけよ。多分視線とかでミールちゃんにはバレていると思うけど。」
何やら騒がしいが今はそんなことに構ってられない。鍋に一直線に向かって行った。
「よかった。沸騰してただけだった。」
「ミールちゃんいい匂いがしてるんだけど、入っていい?」
ミールのお母さんの声が聞こえる。
「もちろんいいですよ。みんなもいいよ。」
「わーい。」
後ろでおそるおそる様子を見ていたリリー達にも声をかけてあげるとリリーは素直にこっちに来たが、お兄さんはまだおそるおそるという感じで足取りが重そうにこちら向かってくる。
見かねたリリーが
「おじさん。どうみても平気だよ。何をそんなに怖がってるの?」
「えっ……とミールちゃん気を悪くしたらごめんだけど、君みたいな歳の女の子があぁいう姿をするのを見るのまだ、慣れてなくてね。」
「なるほど。だから私を盾にしたのね。」
「それはごめん。まあその状態のミールちゃんに話したをしたことがあるから……ね」
そんなに怖いのか。でも料理に関することだけの場合だけみたいだから気にすることもないか。っていうか調理場を借りた宿屋では何にも言われなかったんだけどな……
「あら、珍しく素直に謝るのね。」
とリリーのお母さんも言葉少なげにお兄さんを見ていた。
「あ、そうだ。料理が2鍋分完成してるんですけど味見してみますか?」
「「「する〜〜!!!!」」」
この言葉をみんな待っていたみたいで、あのリリーのお母さんまでいやお母さんが一番グイグイ来ている。
「お母さんズルイよ。」
「リリー、私が一番最初に味見をするべきだと思うのだけど!!」
「いや。この料理の材料を仕入れ、運んだ人がその権利を主張してもいいんじゃないかな?」
「おじさんは、お母さんを盾にしたから一番最後だよ。」
おーいみんなで食べればいいじゃん。その為にお皿を4つ用意したんだけど。って気づいてないよこの人達。
「おーい聞いてください。一緒に味見すればいいじゃないですか?」
って聞こえてないな。うーんどうしよう……
そうだ!!
「あのー、やっぱり無しにしましょう。」
そう言うと3人ともガバッとこっちを見て
「「「ごめんなさい」」」
「冗談ですよ。ここに4人分の皿を用意してあるので一緒に味見をしましょう。」
「やった〜!!」
「前のとは少し違うんでしょう。楽しみ。」
「ようやく食べられる!!」
3人とも表現は違うがかなり嬉しそうにしてくれるので、私はつい調子に乗り
「フッフッフッ、本当に美味しいと思いますか?」
冗談混じりでそう言うと凄い勢いで3人とも
クビをたてにこれでもかと言うぐらい深く振っている。その様子を見て私はおもわずわらってしまい、
「冗談ですよ。まぁそうは言っても味見ですけど。」
と鍋の中の豚汁の汁を少し各皿についで味見をしてもらうと3人ともすごい笑顔になり
「おかわり!!」
「欲しいな!!」
「ミールちゃんお願いもう少し」
とおかわりをおねだりされたがそこは鉄の意志で申し訳なさそうに、
「味見なのでこれでおしまいです。あとはこの村の皆さんと一緒に食べましょう!!」
と言うとリリーは、残念そうな顔をし、
リリーのお母さんとお兄さんは、納得はしたが諦めきれないと言うような複雑な顔をしていたが気づかないことにした。あ、もちろん3人がつまみ食いしないように、手は打ってあるけどね。
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