7 幸せな生活
医者が到着したのは、夜だった。
「奥様に続き、旦那様も発熱されて、
そのままお二人で休んでおられます」
少し前に、ウィリアム様を寝間着に
着替えさせて、広いベッドで二人を
少し離した状態で、眠ってもらった。
コンコン。
「失礼致します。医師が、到着致しました」
真面目そうな医師と共に部屋に入る。
奥の寝室をノックして、
ベッドに近づく。
あら…やっぱり、その感じなのですね…。
アリーナは、少し固まったが、
これがこの夫妻の姿なのだ。
寝間着に着替えたウィリアムは、
シャーロットを抱きしめ、頬にキスしたまま
熟睡している。
一方のシャーロット様はすでに目を覚ましていた。
高熱にうなされながらも、ただただ
現状を受け入れているようだ。
真面目そうな医師は、その光景に倒れた。
政略結婚が当たり前の高位貴族。
多様な夫婦をみてきたであろう医師は、
病気の時のピリピリした
家を沢山見てきたのであろう。
雪で到着も遅くなり、
緊張がピークに達した様だ。
倒れた医師を回収して、
用意していた客間で休ませる。
「ふぅ…完璧な準備ね。」
医師が、診察可能な状態になる頃には、
シャーロット様の熱は少し下がり、
今度はウィリアム様が、
シャーロット様に甘えるるように
眠るのだった。
風邪くらいなら、医師は不要かもしれない。
アリーナは、風邪の菌など、二人にとっては
ご褒美スパイスだからだ。




