2 甘い日常
工事が始まった。
「ウィリアム様ったら、
どうされるおつもりなのかしら、
ねぇ?アリーナ。」
全くだ。
アリーナも、これ以上の貴族夫人の
クローゼットはないと思われ、
うーんと、考え込む。
シャーロット様は、派手な装いもいなければ、
ゴテゴテとしたアクセサリーも好まない。
それでも数日で終わるだろうと、
様子をみることになった。
ウィリアム様は帰宅すると、しばらく
シャーロット様にくっついて離れない。
「んー、シャーロット。
会いたかった。お土産だ。」
そう言って、小箱を渡す。
中身は大抵デザートだ。
「まぁ…美味しそう。」
笑顔のシャーロット様
「ああ…。その笑顔がずっと見たいんだ。」
うっとりとシャーロット様を見つめる。
そして腰を抱き寄せ、
頬にキスをする。
真冬なのに、暑くてたまらない。
そそ、と部屋の隅に控えることにする。
食事の席に着くと、
ウィリアム様の喜びはさらに天上に達する。
「シャーロット。
公爵家の食事には、慣れただろうか?
厨房には、どの食事も最高の一品を
出すように伝えてあるが…」
「ええ!
毎日、本当によく考えられた
食事で、楽しみにしておりますわ。」
テンションが上がる。
「喜んてもらえて、私も
料理人も嬉しい。」
「さぁ食べよう。」
そうして、ウィリアム様は
シャーロット様の最初の一口を食べさせるのだ。
甘い。
倒れるほど甘い。
新婚とはいえ、その仲睦まじさに、
こちらが赤面してしまう。
こんな御夫婦はなかなかいらっしゃらないかも。
たっぷりと食事の時間を取り、
夫妻は部屋へと向かうのだ。
アツアツぶりに、のぼせてよろめく
新米侍女も出てしまい、
公爵家の、侍女採用試験は
仲睦まじい夫妻への対応が出来るかが、
現在、ネックとなっている。
また、厨房の採用は
料理に対する熱意と、創意工夫が
採用ポイントとなるため、
ヘタをすると王族に仕える料理人よりも
ハイレベルな厨房になりつつある。
そして…
3日ほどで終わると見込んていたが
ドレスルームの改装が
なかなか終わらない。




