1 必要なもの
本作は
「食べる令嬢 貢ぐ公爵の溺愛事情」の
サイドストーリーとなっています。
本編読んでからの方が、より世界観を
楽しめるかと思いますが、先に楽しんで頂く事も可能です。
ウィリアム様がシャーロット様と
結婚式を挙げしばらくした頃。
まだ、夫妻の関係性を
アリーナが掴めていなかった頃の話…
※※
アリーナは、この頃から
ウィリアム様の愛妻家ぶりを
知ることとなった。
「おはようございます」
新婚夫妻の部屋へのノックは
気を使うが、スマートなウィリアム様の
事だから…問題無いわ。
そう思い、夫妻の部屋の前に立つ。
コンコン。
…。何の返事もない
コンコン。
「失礼いたします。」
夫妻のベッドルームは更に奥になる為、
そぉつとドアを開ける。
休日のため、ゆっくり休むだろうか。
「朝のお支度はいかがいたしますか?」
必要でしたらまた後で、お声掛けくださいませ。
そう言い残して部屋を出ようとした時。
「少し改築が必要だな。」
そんな声がドレスルームから
聞こえる。
「こちらでしたか、ウィリアム様?」
「あ…あアリーナか。」
「いかがされましたか?」
真面目な顔で、奥様のドレスルームを
眺めている。
「いや…これでは、シャーロットの
ドレスや宝飾品を置くスペースが
狭くないか?」
「…。」
いえ?
アリーナは真剣に、おもった。
十分です。ウィリアム様。
シャーロット様は、1人しか居ませんから。
「シャーロット様がお困りでしょうか?」
とりあえず聞いてみる。
「いや、シャーロットにふさわしいかどうか
見ていた」
うーんと、真剣な様子。
ドレスルームが、ですか??
ま、まぁ…筆頭公爵家の奥様ですから…
と、アリーナはうろたえながらも
頭を下げ、仕事に戻ろうとした。
その時、シャーロットが
簡単に身支度をして奥の部屋から
出てきた。
「ウィリアム様。
本当に十分です。
私は気に入ったものがあれば
そんなに沢山は、必要有りませんわ。」
どうやら、
奥様に注げるだけの愛を注ぎたい
ウィリアム様と、
食事以外は、人並みで十分なシャーロット様の
攻防が繰り広げられているようだ。
「そうかい?
少し気になる点だけ、改築するよ。
楽しみにしていて。シャーロット。」
とりあえず、ウィリアム様の意見に
従うことにされたシャーロット様。
数日後、
シャーロットのクローゼットのものが一時的に
運び出され、工事が始まった。




