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第3話「レムノア世界の人の街」

ナリアに案内されて森を出てからもしばらく歩き続けたところで街が見えてきた。

ナリアを待たせて解体したり、持ち運べるようにするわけにもいかないのでオークの死体は魔石以外そのまま置いてきた。


魔石というのはある程度以上の魔力を持った魔物が体内に持つ結晶のことだ。バルボアクラスではさすがにできないが、オーク程度になると特に魔法を使うことが無くても魔石を作る。


なのである程度以上の冒険者は必ず持って帰る魔石だが、使い道は様々だ。冒険者が戦闘中に砕いて中から出てきた魔力を使って魔法の出力を上げたり、魔力を貯められるという性質から魔力を使って動かす魔道具と呼ばれるもののエネルギー源などが主な使い方だ。


街に着いたらまず冒険者ギルドに行って冒険者の登録をしたらこの魔石を売ってとりあえず諸々の資金にしようと思う。


「そういえばナリアが住んでる街って何て言うの?」


「エルシェイドって名前で、この森とは違う方向にいくつか街があってそことの交流が盛んだから人が多くて元気な街だよ」


人が集まる街なら冒険者への依頼も多そうだし多くの人と関われたらいろんなことが分かる。大きな街だというのはうれしい情報だ


「エレシアちゃんは街に入ったらまず何がしたいの?」


「とりあえずは冒険者ギルドかなぁ。冒険者になるのが私が今一番働きやすいし、今取った魔石も売りたいしね」


「エレシアちゃんってまだ冒険者になってなかったの!?あんなに強かったのに」


「この国に来てからまだ街に行ってないからね」


実際にはこの世界で初めてだし、人生で初めて会ったのがナリアだ。

それにオークに勝てたのは運がよかったという面も大きいが、うまく張った虚勢で余裕の作戦勝ちだと思ってくれているようだ。


「でもエレシアちゃんならすぐ昇格してAランクもしかしたらSランクにだってなれるよ!」


「そんなことないよ。オークなら初心者を卒業したばかりの中級者...ランクにするとEくらいで倒せるからね」


実際私は不老だから強くなり続けられる。しかもおそらく体はこのままだからこの年齢の成長スピードで魔法技術も魔力量も上がっていく。長く生きていれば今いるSランクどころじゃなく強くなれるだろうが、まだこの話は出来ないから謙遜する


「それでもその歳でそれだけ強かったら夢じゃないと思うよ?」


「そうかな?じゃあちょっと調子に乗らせてもらおうかな」


そんな話をしているうちに街の入口に着いた。大きな門が開いていてその前に衛兵と何組かの冒険者だと思われる人たちがいて冒険者たちは衛兵と少し話すと街の中に入っていった。


「私たちもいくよ...衛兵さーん!」


ナリアが衛兵の方に駆けていくのでついていく。


「おうナリアじゃないか。そっちの子は見ない子だが...」


「この子はエレシアちゃん。依頼の途中でオークに襲われちゃったときに助けてくれたんだけど、街を探してるみたいだから案内してきたの」


「初めましてエレシア・ミナリエです。旅の途中迷って数日森で生活していたところナリアの案内に助けられました。この街で暫く生活する予定なのでよろしくお願いします」


ナリアに紹介されもう一度名を名乗り挨拶する


「ミナリエ...聞かない苗字ですが他国の貴族のご令嬢でしょうか?」


しかし何故か貴族だと疑われてしまったらしい。どこでそう思ったのか分からず理由を聞く


「他国から来たのは事実ですけど、貴族ではない普通の家のものですよ。なんで貴族だと?」


「言葉遣いの丁寧さからいい教育を受けてきたのが分かりますし、姓があるのは貴族だけなので」


よくあるファンタジー世界の文化的背景が頭から抜けていた。幸い他国から来たと伝えてあるので貴族ではあることは訂正可能だが、これからは気を付けないといけない。


「私の出身の国では全員に姓があるんですよ。それに敬語は最低限の礼儀なので」


「それにしても年齢の割に落ち着きすぎてるし、平民とは信じられないほど整った顔だが...まあわかったそういうことにしといておこう。ナリア街中でもしっかり案内してやれよ」


なんとか誤魔化せたか...?お忍びだと思われた気もしなくはないがナリアの元気な返事と共に手を引かれて街の中に入っていく


「そういえばなんだけど、ナリアって冒険者だったの?」


さっきの会話中に気になったことを聞いてみる。


「そうだけどなんで?」


「さっき話してるところで依頼の途中に私に助けられたって言ってたから。あとそうじゃないとあの森にいた理由が分からないからかな」


「なるほどよく話聞いてたね。まあでもほとんど薬草の採取くらいしかやってないんだけどね。1年くらいやってるからランクはFだけど」


予想は正解だった。おそらく今日も薬草の採取で森に行っていたのだろう。


「じゃあナリアは私の先輩だね。いろいろ教えてもらっちゃおうかな」


「えーでもエレシアちゃんの方が全然強いよ?」


「強くあることだけが冒険者の仕事じゃないでしょ?冒険者についてとか依頼の話とかいろいろ聞かせてよ。それに自分で言うのもなんだけど私って結構何でもできるから、一緒に仕事してたら楽だよ」


「エレシアちゃんがすごいのは知ってるけどさぁ...あ、見えたよあそこが冒険者ギルド」


そんなことを話してるうちに目的地のすぐそこのところまで来ていたらしい

流石国際的な組織の大きな街の支部なだけあってほかの建物に比べてかなり大きい


中に入ると想像していたラノベなどの印象などとは少し違っていてテーブルや掲示板、カウンターなどと同じものだが、かなり綺麗にされていて冒険者の自体の見た目も粗暴なものではなく筋肉があってしっかりはしてるが大柄なわけではなかった


よく考えてみればパワーは身体強化で補えるのでもとの体にもあった方がもちろんいいが、ありすぎても関節の動きに支障が出たりしそうなのでそれでいいのかもしれない


列に並んで自分の番が来るとカウンターに向かう


「すみません少しいいですか?」


「こちらは冒険者用のカウンターですので、依頼を出されるならあちら側のカウンターからお願いします。ナリア案内をするならちゃんとしてあげないと駄目よ」


どうやら見た目から勘違いされてるらしい


「いえここであってますよ。冒険者登録は出来ますか?」


ギルド内の他の冒険者からも視線が集まる。


「失礼ですが、冒険者は危険な依頼も多いです。戦闘能力が必要な場面も多くあります。それを理解してますか?」


「はい分かってます。一応魔法が5属性使えますし、そこの森を通るときにオークなども倒して来てます。なので戦闘をする可能性があるからならない方がいいということはないと思います。」


「5属性っ...失礼しました。でしたら問題はなさそうですね。冒険者になるにあたっていくつかの質問が書かれた書類に回答していただいてもかまいませんか?必要でしたら代筆も可能です」


「わかりました。書類をいただけますか?代筆は必要ありません」


レムノアの文字は元の世界のどの国の文字とも違うが、俺は魔法について調べるときにこの世界の本を使った。その本はもちろんこの世界の文字で書かれていたんだが、俺が初期から持ってる言語理解のスキルのおかげか元の世界の文字を書くのと同じ感覚で書ける


恐らく別の種族...エルフの国などに行っても会話は勿論文字も扱えるだろう。俺はこの世界ではすべての言語を扱えるマルチリンガルになったわけだ


「えぇエレシアちゃん読み書きできるんだ。勉強ちゃんとしてきたんだね」


識字率が日本より低いかもしれないことを考えてなかった。もしかしたら読み書きなどは貴族や商人くらいにしかできないのかもしれない


「あー、まあ本とかよく読むからね...」


取り敢えずそれっぽいことを並べて言い訳する


「本なんて高いのによく買えるよね、それにあんなの読んでても飽きてきちゃわない?」


本が...紙が貴重なのか。識字率が低いなら貴族向けになるだろうしもっと異世界ということを頭に入れて立ち回らないといけないかもしれない


「本を読んでたら楽しいよ...取り敢えず書類もらえますか?」


そろそろ受付嬢さんのことをそっちのけで話し続けてるからか視線が痛いので話を進める


「忘れられてないようでなによりです。こちらに記入をお願いします」


目を通すと何でもない質問が並んでいた。名前、年齢、性別、扱える武器、扱える魔法の属性など一般的に組織に所属するために必要な情報と戦闘能力を測るための情報を集めているようだ。


「登録するためにカードを発行するために使うので偽名でも構いませんよ。貴族様などではほとんどそのようにされます」


さっきからまた貴族関係だと疑われている気がする...そんなにきれいな容姿なのか?


実のところこの世界に来て自分の顔は水に写ったものくらいしか見たことがないのでちゃんとした鏡などに写った人から見える自分の顔を知らない。


まあここで下手に反応しても疑いを加速するだけなので無視する


「身体強化系の魔法って属性欄に書いた方がいいですか?」


「そのような属性の要素がないものは無属性としています」


「記入できました。名前は一応本名です」


名前:エレシア・ミナリエ

年齢:13

性別:女

扱える武器:ナイフや短刀など

魔法の属性:火、水、風、土、雷、無


と書かれた紙を受付の方に渡す


「エレシアさんですね。冒険者カードの発行するのに少々お時間を頂きます。その間ギルドから出て何かをしに行っていただいてもかまいませんが、今日中に受け取りに来てください。」


この間に外に出てもいいならナリアに街を案内してもらおう。買い揃えた方がいいものもたくさんあるだろうしな


「また依頼の受注や魔物の素材などはすでにご利用できます。依頼を受けたいならここ、買取はあちらの専用カウンターでできるのでそちらでお願いします」


「はいありがとうございました。また来ますね」


受付嬢の方に挨拶をして買取用のカウンターに向かう


「なんでカウンター分かれてるんだろ、ナリアは知ってる?」


「魔物は体全体が素材になったりするから、ある程度大きくて解体に時間がかかるものだとその場で処理するよりギルドの解体所を使った方が素材の質を無駄にしにくいし、その解体所を扱いやすいようにするためかな」


「あー一口に魔物の素材って言っても色々あるしそれを適切に買い取るための専門知識なんかもいるだろうしねぇ」


解体所という考えはまだ魔物をそれほど見たことのない俺にはない考えだった。これから先今までより大きな魔物を狩れるようになれば利用するだろうし覚えておく


雑談しながらも列が進んでいき、少し奥側のカウンターに呼ばれる。


「あら見ない顔ですね。初心者さんですか?」


「そうですねカードはまだないんですけど、今登録してきました!えーと今日の討伐品は...これだけなんですけど、オークの魔石です」


「オークにしてはかなり大きめですね、魔法を使ってきましたか?」


あのオークはオークの中でかなり多くの魔力を持っていたらしい、それも魔法を使ってくると考えられるほどには


「魔法は使いませんでしたが、一度見えないはずの風魔法を避けられました。スキルに魔力感知系はなかったので関係ありますかね...?」


魔法に関して戦闘中に違和感を覚えたことを告げる


「そうですね、感知を獲得するレベルではないのに不可視の風魔法を避けられるのはこの個体の魔力量が原因と考えられます。もし討伐するのが遅れていたら魔法を使っていた可能性もあります。このサイズですと通常のものより割り増しで12000ℓで買い取ります 。金貨一枚と大銀貨2枚ですね」


「あ、大銀貨1枚を銀貨9枚、大銅貨9枚、銅貨10枚に崩してもらうことってできますか?」


「かまいません。どうぞ」


「ありがとうございました」


この世界の貨幣はℓ(レム)という単位であらわされる。

銅貨1ℓ、銀貨100ℓ、金貨10000ℓそれより上に聖金貨というものもあるが、それは価値が高すぎてほとんど民間では使われない。


貨幣価値の説明は元の世界に比べて食料品が高かったり、武器が安価だったり物価がそもそも違い過ぎるので正確に測るのは難しい。とはいえ1ℓが100円より安いことは感覚的にない気がする。


「よし、目的の資金調達もできたし泊まる場所といろいろ買わなきゃいけないものを確保しないと。ナリアいくよ」


「案内は任せなさい」


ナリアについていき街に繰り出していく。まだまだやることは山積みだが冒険者になるという取り敢えずの第一の関門を突破できた。しばらくかかはこの街でこの世界の生活に慣れるまで冒険者活動をしようと決め冒険者ギルドを後にした

今日は説明的な要素が強い回ですね。

ここは特に私の悪い癖の文章の塊を大きくしてしまうことが悪く映ってしまうような気がします。


それはそうと朝起きて確認したらブックマーク登録してくれてる人が3人もいたんですよね

こんなに読みにくいものなのに先を読みたいと期待してくれる人がいるのは凄く嬉しいです!


この先は少し区切りが悪くなるので少し間を空けてから投稿すると思います(不確定)


「ここの部分が分かりにくい」や「ここはこう書いた方がいい」などのアドバイス感想等あれば参考にしたいので送ってくれると嬉しいです!

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