第2話「魔法の世界と魔力の理解」
この二週間基礎的な魔法は練習して使えるようになったけど、細かな操作や一度に多くの魔力を使う魔法は全然使える気配すら見えてこない。今できることと言えば火をつける、水を出す、風を起こす、土を出す。これに加えて多少の変形やサイズの変更くらいだ。
ただこのくらいのことができればこの森で生きていくだけなら十分だ。
あのバルボア以上にパワーがある魔物はこの近くでは見かけないし、知能が高いわけでもないから簡単に狩れる。
だがそれでも俺はもっと多くの魔法を覚えなければいけない。
その理由もバルボアが教えてくれた。一度初めて対面したバルボアを鑑定した時の文を思い出してみる。
バルボア レベル:8
HP300 MP40 STR80 VIT70 INT20 MEN50 AGI110 DEX40
スキル
突進、嗅覚
詳細
イノシシ型の魔物。獲物を見るとすぐに突進をする。力は強いが、攻撃手段が直進での突進以外にほとんどないので下級でも冒険者なら脅威にはならない。
詳細欄に冒険者という言葉が見られる。これは恐らくよくあるゲームやラノベと同じようにこの世界には魔物がいるから、魔物たちから都市を守り生活圏の安全を維持するための組織が存在するということだろう。
俺が女神様に渡された使命であるこの世界で失われた異種族間での交流を復活させることを成し遂げるためには、俺自身が強い発言力を複数の種族の間で持つことが必要になる。
そこでどんな場所でもわかりやすく功績をあげられるのが武力による都市の防衛や強力な魔物の討伐になってくる。戦争で功績をあげることも協力した国では栄誉になるが、その敵国側での印象が最悪すぎて交流を復活させることにはつながらないのでこの方法は取れない。
まあこれも現時点でできることは同じだから今ここで結論を出す必要はないんだけどな。
まあでもつまり俺が目的を達成するために、冒険者になることで地位を確立しようと思う。そのためには戦闘の能力は必須になってくるから、俺はこれまで以上の魔法の技術や新しい魔法を身につけるための修業をしようと思うというわけだ。
この2週間の間バルボアを狩ったり本を読んだりで魔力とは何かを理解することはできた。
具体的には
・魔力は大きく2つに分けられること
・そのうちこの世界の生物や特定の鉱物が生産した余剰分などが放出され、大気中に残留しているものを魔素と呼ぶこと
・生物の体内に存在し主に魔法や錬金術や調合などの使用時に使われるものをマナと呼ぶこと
などだ
一部生物は一般的な生物でいう代謝などで魔力を使っているものもいるが、この場合に使われるものはマナに当たるらしい。ただここに使われるマナを使うと生命を維持する分まで枯渇するのでMPはこれを含めない。他にも例外はあるだろうがとりあえずはこんなところでいいだろう。
そして俺は今自分のMPつまりマナから魔力を使い魔法を使ってるが、一部の技術の中には大気中にある魔素を使って魔法を使う技術もあるらしい。
それができるようになれば魔力を扱う効率もよくなり長く戦えるようになる。そうなれば今までより早く強くなれるし、女神様の願いを達成しやすくなるはずだからすごく魅力的な技術だ。
その他にも魔力を体の一部や全体に纏わせて身体能力を強化するようなものもできることも分かった。今は身体能力がかなり低いはずだからこういう技術を使っていかないとより強い人に追いつけないだろう。
本で得れた知識について考察するのもそこそこにしていつも通り日課になりつつあるバルボア狩りに向かおうとすると
「きゃあああああああ」
女の子の悲鳴が聞こえてきた。覚えたばかりの身体強化で足に魔力を集めて強化し、聞こえた方向に急いで駆け出す。
間に合え、バルボア程度の魔物ならすぐ助けられるはずだ...
『エアカッター』『ウインドハンマー』
初めての技術を使いながらの全力疾走では全く制御が効かないので進行方向にある木などは魔法でなぎ倒しながら進む。
そうして木々を抜けて少し開けた場所に出ると、見たことのないオークのような魔物が日本で言うところの高校生くらいに見える女の子を追い詰めていた。取り敢えず...
「鑑定」
オーク レベル:18
HP450 MP57 STR 112+20 VIT90 INT42 MEN80 AGI42 DEX65
スキル
棍棒術Lv2、嗅覚、自動再生Lv1
詳細
二足歩行をし道具を使う豚の魔物。知能は二足歩行をする分高めではあるが人やより高位の魔物には及ばない。単独でオークを狩れることが冒険者において初心者と中級者を分けると言われている。
バルボアよりパワーもあってタフだがスピードはかなり劣っている。身体強化でスピードを上げた状態の俺なら感覚ではバルボアとそう変わらない速度で走れるから距離を保ちながら戦えるが...まずはとにかくあの子から離さないと
火は被害が飛び火する可能性があるし、水で顔をおおっても暴れられれば危ない。ここはやっぱり
『ウインドハンマー』
風の塊でオークを横から殴り飛ばし距離を取らせる。
『フレイムショット』
激昂して突っ込んでくるオークの進行方向の地面に炎の弾丸を撃って足を止めさせ、そのまま横に回るように走る。
オークも俺の方に体を正対して、走りだそうとするが
『エアカッター』
俺の出した風の刃にギリギリで反応して棍棒を失いつつも体への直撃を避ける。本来見えないはずの風の刃に反応できたのは獣の本能か【魔力感知】の習得に近い状態でこのオークに魔力を察知できるようになっているのか。
思考をしつつも動きは止めずに距離を保つ。体制を崩しているオークに止めを刺すため次の攻撃のフィニッシュまでの道筋を組み立て実行する。
オークは俺にダメージを与える方法が近づくしかないためまた走り出すが、今度は正面からではなくさっき俺が見せたように回り込むような形で魔法を避けながら近づこうとしてくる。これだけでは単純なスピードの差でなんの問題もないが回り込む過程で女の子に近づかれるとまずい。
そう考えてまた走る方向を制限するために足元に『フレイムショット』を撃ち込むが、その瞬間走る軌道を変えて直線に突っ込んでくる。
むしろ正面からの方が都合がいいと『エアハンマー』で迎えうとうとするがそうはさせまいとオークがもとの形を成していない持ち手だけの棍棒を投げつけイメージを阻害される。眼前まで迫ったオークが殴るモーションに入り、俺は少しでも威力を減らすためオークの体に密着し止めを差す。
『エアカッター』
正面からなら反応したオークも自分の射程に敵を入れ殴るだけで勝ちが決まると思ったときには背後から迫る風刃には気づくことなく首が宙に舞った。
「鑑定」
オーク(絶命)HP0
詳細二足歩行する豚の魔物の死体。中級の冒険者の最初の関門となるため討伐できるものが限られ市場に出回る数が少なく高価になる。その理由から貴族や平民でも富裕層以外は高頻度で食べることはない
何とか討伐には成功したがかなり危なかった。実際最後の攻撃が通ってなければ確実に死んでいたし賭けに勝ったようなものだ。だがギリギリだと思うと女の子は安心できないはずなので精一杯虚勢を張る
「一番油断が生まれるのは勝ちを確信した瞬間ってな。どう?すごかった?」
最初からこのフィニッシュまで計算していたかのように語ると女の子は不安そうな顔が少し緩んだ
「うんすごかった!私より年下に見えるのに魔法を使いこなせるんだねぇ。でも君みたいな子のではみたことないけどどこからきたの?」
かなり痛いところを突かれた。俺はずっとこの森の中で生活していたから女神さまから教わったこと以外しらないし、人と関わったこともない。
「おr...私はこの国の生まれじゃないんだよね。東の方にある島国から最近ここにきて森から抜けれずに2週間くらい森の中で生活してたんだ」
取り敢えずとっさに見た目にあった一人称に変えてラノベテンプレの言い訳と転生してからの経緯を説明する。
「ええぇ!?それは大変だったね...それじゃあ私がお姉さんとして街まで案内してあげるよ!私ナリアだよよろしくね」
「私はエレシア・ミナリエ。街までの道はずっと探してたからすごくたすかる。よろしく」
これからこの名前で生きていくと考えていた名前を名乗る。実はこの名前はネーミングセンスのない俺からすればかなりの力作だ。
ギリシャ語で善人が死後に行くと言われる楽園の名のElysium と古代の言葉やヘブライ語で神や神聖さの意味を持つELなどを含んだエレシアという名前に、前世の苗字である湊を名前にあった性として語感を合わせたミナリエ。
前世を持って女神様によって転生し、この世界の人々の交流を復活させるという目的を持つ今の俺にぴったりの名前だ。
実はこの名前を名乗って生きていくと決めたときからステータスに変化が起きた
名前:エレシア・ミナリエ 性別:女
年齢:13
ステータス レベル:14
HP290 MP5200 STR57 VIT88
INT250 MEN220 AGI135 DEX96
スキル
言語理解 鑑定Lv4 魔力操作Lv5
魔力感知Lv6 自然魔法Lv3
ユニークスキル
不老
エクストラスキル
創造魔法
まず2週間生活したことでレベルが上がりステータスが伸びた。相変わらずMP量が飛びぬけてとんでもないことになっているがINTなど魔法に関わる3つはどれもなかなかだ。
逆にSTRはレベル差があるとはいえさっきの棍棒を持ったオークの半分にも達していない。創造魔法で武器を作ることもできるが現時点でこれではレベルが上がれば差はもっと大きくなっているだろう。そうなったときの対策も考えないといけない。
他にはスキルの鑑定、魔力操作、魔力感知のレベルが上がり、自然魔法のスキルが増えた。
レベルはどれも使い続けた影響で上がっていて、鑑定はレベル差があっても抵抗されずらくなり武器などものを制作するときにこの素材を使えばどういう風になるといったところまで見れるようになった。
魔力操作と魔力感知はどちらも精度が上がったが、レベルの上がり具合に差があるのは魔力操作は様々な魔力の使い方をしているのに対し、魔力感知は魔力操作を自分でするときにしか使っていないのでもっとほかの使い方ができるようになるともっと上がるだろう。
新たに増えた自然魔法は火、水、風、土、氷、雷属性の魔法をすべて使えるようになったときに統合される。ただ風や水、火を使いこんでるので統合されたからと言って熟練度の差で属性ごとに差はありそうだ。
自然魔法以外には神聖属性と闇属性があるが、今のところ使う場面がなかったのでスキルの取得には至ってない。
一番の違いはこれまで空白で何もなかった名前の欄に今名乗ったエレシア・ミナリエの名前が追加されたことだ。これで鑑定などで名前を見られても怪しい名無しの少女じゃなくなった。
「エレシアちゃんって言うんだ!かわいいねっ」
の声で思考の世界から現実に引き戻される。
「かわいいだなんてそんな....」
突然褒められて言葉が出ないで困惑していると
「照れてるのー?かーわいっお姉さんがおててつないであげようか?」
「子供扱いしないでください!つないで手で動けなくて次襲われたオークから助けてあげられなくなっても知りませんよ」
からかってきたので言い返す。自分でも心が狭いと思うが前世では確実に俺の方が年上なのだ。そんな彼女にこども扱いされるのに腹がたったので初手から最高のカードを切った。
「エレシアちゃんのいじわる...それ言われたら何も言い返せないじゃん」
「えっごめんなさいそんなつもりじゃ...」
想像以上に心にダメージを与えてしまったみたいで慌ててると
「うっそだよーほらいこう?」
そういっては歩き出す。そして俺はそれを追いかけながら
「噓泣きだったんですか!?騙されました。ちょっと待ってくださいよー」
そうして談笑しながらの住んでいるのだという街に向かって歩き出す。この世界で最初にあった人が彼女でよかったと思いながら
人生で小説なんて書いたことがないなら難しい!
特に書き出しと締めが上手くまとまらなくて何パターンか書かないとどれがまとまりがいいとかもわからない...これが感覚でできるようになるのが経験なんでしょうか。
なんにせよ精進あるのみです!今日は1話に続いてここまでです。続きは明日に投稿する予定なのでここまで読んでくれた方は是非読んでみてください。
「ここの部分が分かりにくい」や「ここはこう書いた方がいい」などのアドバイス感想等あれば参考にしたいので送ってくれると嬉しいです!




