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第1話「知らない世界に少女はひとり」

『エアカッター』


指先に魔力を集中し、風へと変換する。

生み出された風の刃がイノシシ型の魔物バルボアの後ろ脚を切り裂いた。赤い血が噴き出し、バルボアが苦悶の声を上げる。


だがまだ息はあったらしい。バルボアは短く鳴き、即座に逃げ出した。森の中ではどうしても逃げる側が有利だ。


だが、正面から追ってやる必要はない。


『エアカッター』


再び生み出された、森の木を倒しながら魔物を追い詰める。バルボアは危機を察知したのか直前で方向を変えた。

だが、それこそが狙いだった。


『フレイムショット』


炎弾が一直線に飛ぶ。傷ついた後ろ脚のせいで減速できなかったバルボアは、回避しきれずに直撃を受けた。


爆音が森に響く。地面に崩れ落ちたバルボアに未だ警戒は解かずに近づき、止めを刺すと手早く解体に取り掛かる。

この作業も大分慣れてきた。初めてのころと比べれば、随分と手つきもましだ。

作業を済ませたら食べることのできる肉の部分だけテントまで運び、早速調理を始める。


調理とは言っても焼くだけで大した過程も挟まないのだが。これは前世で料理なんてしてこなかったので仕方がない。



この世界にきて、2週間が経った。

魔法を使い、森の魔物を狩り、肉を焼く。

異世界転生なんてものは、ゲームやラノベの話でこの世界に来てからもどこか他人事のように感じていた。

だが2週間もあれば嫌でも自分の身に起こった現実だと認識させられる。


そもそも、どうして俺がこの世界にいるのか

それは、あの日にさかのぼる。



----


「これで8連勤終わりか。しんどすぎだろ、体の全エネルギーを消費しつくしたわ。」


俺は湊 智也 18歳

東京の大学に通う大学一年生だ。

大学生になり遊ぶ金欲しさにバイトをし始めたのだが、そこの店長が予定も配分も考えずシフトを入れるので大学で研究とバイトで過労死しかけている。


「中学はともかく、高校で遊べなかった分取り返そうと思ったんだけどな」


俺は中学から私立の男子校に6年間通い続け、そもそも高校では勉強で忙しく青春というものを全く経験してこなかった。今更それに関して悔いても仕方がないのは分かっているが、大学でも取り戻せそうにないのは心に来る。


「いっそ、女の子に生まれてたら、もっと可愛い女の子と仲良くできたのにな」


疲労がたまった夜というのはどうしても気持ちが沈み込んで、考えたところでどうしようもないことばかり頭に浮かぶ。疲労感で思考力が落ちてそういうことしか考えられないというのも要因の一つだろうが。そして横断歩道を渡ろうとしたその時、左から強い光を感じた。

信号は青、なんで車が...と思い確認したら


「くっそハンドルにもたれかかって寝てやがる。このタイミング、もう...避けられないッ」


強い衝撃を感じた次の瞬間視界は真っ赤に染まっていた。今の俺をほかの人が見れば相当グロテスクだろう。さすがに人を轢けば運転手も起きたらしく焦って電話をする声が聞こえてきたがその声も段々遠くなってきているので、もう俺は助からないだろう。消えかかる意識の中最後に


「死ぬまでに一人は彼女作ってみたかったな」


という言葉を残して俺こと湊 智也の人生は幕を閉じた。



----


そして次に目を覚ました時にはどこを見ても真っ白で何もなく、ただ広い空間が広がっていた。とりあえずこの状況では言わなければならないセリフがあるだろう。


「知らない天井だ」


「残念そっちは床です」


俺が発言した瞬間若い女性の声が聞こえ、天地がひっくり返る。先ほどまで天井だった場所に落ちてもう一度


「知らない天井だ」


「ピンポーン!今回は正解です」


とまた同じ女性の声と共にファンファーレのような音が聞こえ、先ほどまで見えなかった金髪の女性が現れる。俺が死んだこと、その後に目覚めたこの空間、そして今の超常的な現象。これを整理すると相場では目の前の女性は女神様なんだが...


「あなたは...?」


「私はリシア。あなた方の言う神です。」


大方予想通り。ただ...


「無知で晒すようで恐縮ですが、リシアという名の女神様を私は聞いたことがございません。どういうものを司っているのでしょうか?」


「私は貴方が元居た世界の神ではないので知らないのも当然です。私は貴方がいたものとは別の世界、異世界の愛と変化を司る創造神です。また、その世界における最高神でもあります」


「ありがとうございます。また、質問が多くなり申し訳ないのですがなぜ私はここにいるのでしょうか?」


「貴方をここに呼んだ理由は私の世界...今後は呼び分けのために『レムノア』と呼びます ね。レムノアに転生してもらうためです。

今までレムノアでは魔法を使い、様々な種族で協力をして文明を急速に文明を発展させてきました。ですがここ数百年間では種族間の交流が減り、貿易なども行われなくなってしまいました。

そこで別の世界から呼んだあなたに、再び種族を結ぶ懸け橋になってほしいのです。」


なるほど、異世界転生か。これもまた予想通りだな。そして俺が転生する世界では魔法が存在すること、それと人間以外の種族がいることも分かったな。種族でいうと、エルフや獣人といったTHEファンタジーという感じのものだろう。


「しかし女神様、途絶えた種族間の交流なんて国家クラスの問題なんてとても個人で解決できるようなものではないと思うのですが...」


「そこについては問題ありません。あなたにはレムノアで生活するためにいくつかの能力を与えます。その中に【不老】になる能力もありますので、仲間を作り、そのものたちと一緒に解決してください。ただあくまでも【不老】であり、致命傷を負うなどをしたら普通に死んでしまうのでそこはお気を付けください」


転生者の特典的なものもあるんだな。言語の違いによる問題などは怒らなさそうだ。


「さて、基本的な説明も終わりましたので早速準備をしてもらいます。」


「準備...ですか?」


「準備といっても長く生きていただくために、スキルを選んでもらうだけです。」


その言葉を聞いた瞬間目の前に様々なスキルの名前が現れる。

【剣聖】や【賢者】、【聖女】などの明らかにチートと思われる数々のスキルの中で俺は...


「ではこの【創造魔法】というものにします。」


「わかりました。では最後にあなたに体と名前を授けます。レムノアではエレシアと名乗って下さい。また体はあなたの理想と思われるものに近しいものを与えますね。

ではよい異世界ライフを」



----


そして再び視界が明転し、目が覚めると森の中にいた。


「ここが...異世界か?」


流石に周りに動物や、明らかにファンタジーな構造物もないと元の世界と判別がつかないが、目が覚めてから何故かこの世界についての知識がある。例えば、


「ステータス」


名前:エレシア 性別:女

年齢:13

ステータス       

Lv.1

HP180   MP980   STR35   VIT42  

INT120   MEN110 AGI60

DEX55

スキル

言語理解  鑑定Lv1  魔力操作Lv3   魔力感知Lv5

ユニークスキル

不老

エクストラスキル

創造魔法



とまあこんな具合にこの世界に住むうえで誰でも知ってる当たり前のステータスの見方や魔法を使うために魔力が必要とかいうものは知識として渡してくれているらしい。

ただここまで現実逃避をしていたがさすがに突っ込まねばならないと思う。


「なんで女の子になってるんだよ!!」


理想の姿にしてくれるって聞いてたはずなんだけどなんで女の子に...と考えてるとひとつの心当たりが思い浮かぶ。

たしか車に轢かれる直前に女の子に生まれていたら...という発言をした覚えがあるが


「だからってそういうことじゃないだろ!!」


俺の2度目の叫び声が森に響きわたると、いきなり聞こえた大きな音に釣られてかイノシシが現れる。


「ちょっと早すぎるタイミングだが異世界初の戦闘といきますか」


体をどの方向にも動かしやすい体制にして拳を構える。

そして自分のスキルに【鑑定】があったことを思い出し、使う。


『鑑定』


バルボア

Lv.8

HP300 MP40 STR80 VIT70 INT20 MEN50 AGI110 DEX40


スキル

突進、嗅覚

詳細

イノシシ型の魔物。獲物を見るとすぐに突進をする。力は強いが、攻撃手段が直進での突進以外にほとんどないので下級でも冒険者なら脅威にはならない。



どうやら相手は見たまんまの突撃してくるイノシシ系の魔物らしい。それと自分の強さもある程度確認できた。魔法系のステータスは物理特化のイノシシなんかと比べてもしょうがないが、身体能力はずば抜けて高いことはないだろう。魔物がいるということはそれに対抗して戦うものもいるはずだ。同年代の同じような体格の子と比べればまだ分からないが、魔物と戦うようなものと比べればこんなイノシシにも圧倒される身体能力では高いとはいえないだろう。


「まあでも魔法を使えばそう難しくはなさそうだが...魔法の使い方知らないな。」


完全に今目を覚ましたばかりなことを忘れていた。魔法なんて一回も使ったことがない。

だが一つのその魔法の使い方だけは手に取るように分かった。


「創造魔法...『創造(クリエイト)』炎魔法が使える武器!!」

その魔法を使った瞬間少し体の中の魔力が減った感覚と共に手の中に杖が現れる。


『鑑定』


名称:ファイアロート

ステータス

なし

詳細

3度だけ下級火魔法『フレイムショット』がMP消費なしで撃てる杖。

使用者のINTによって威力は変動するが、50以下の場合50として発動される。




取り敢えず攻撃手段を得る事には成功した。そして魔力を使ったことで魔力を認識することもできた。

だがイノシシも待ってはくれずに突進してきた。そのイノシシを迎え撃つように魔法を放つ。


『フレイムショット』


炎弾は突っ込んでくるイノシシに真っ直ぐ吸い込まれるように近づき、あたりが爆音に包まれる。

目を開ければさっきまで突進を仕掛けてきていたイノシシは地面に倒れこみ、死んでいた


『鑑定』


バルボア(絶命)

HP0

詳細

イノシシの魔物の死体。肉は硬いが味はいい。そこまで高価でないため、庶民の食卓にもよく上がる。




「間違いなく死んでるな」


俺の異世界初戦闘は無事勝利で終えれたらしい。


「というよりこいつ食べられるのか」


鑑定によれば味はいいと書いてあるので解体して焼けばそれなりに食べることはできるだろう。最初の食事はこのイノシシに決まった。


「『創造(クリエイト)』ナイフ」


早速近づいた俺は魔法でナイフを作り、解体作業に取り掛かる。どこをどうすればいいかもわからないのでおそらく食べれるであろう肉の部分だけを取り出して残りは放置することにする。血の匂いで猛獣の魔物なんかが寄ってくればたまったもんじゃない。

歩いていくと川を見つけたので、そこから少し離れたところを拠点にすると決めた。


そこで今度は【創造魔法】をつかってテントや食器などサバイバル生活で欠かせない用具を作る。さっきよりも魔力が減った感覚が弱いので消費魔力は単純な質量ではなく、素材やスキルでも変わるのだろう。


一応ある程度生活できる基盤を整えたら、木の枝などを集めさっきのファイアロートを取り出す。


『フレイムショット』


炎弾が集めた枝に火をつける。

多少規模が大きすぎるが、火起こしなんてキャンプもほとんどしたことない俺がやれば数時間じゃ済まないだろう。

さて、火も起きたのでさっき倒したイノシシの肉を早速焼く。キャンプ用の料理道具などを作り出し肉を並べる。いい匂いが漂ってきたら、食べ始める。


「あっっつ!?」


焼きたてだし当然のことながらめちゃめちゃ熱かった。それはもう舌がなくなるんじゃないかってくらい熱かった。次はしっかりふーふーして冷ましてからゆっくり食べ始め、無事完食した。きっと身体が変わり子供になったから熱さにも弱くなったのだろう。そう信じたい、食べる量も減ってたしきっとそうだもん。


そんな言い訳は置いておいて、食べ終わるころにはこの世界に来たときはまだ真上にあった太陽は見えず、空は暗くなってた。そこで俺は


また【創造魔法】で寝具やランプ、これから読む本などを作り出す。作った本はこの世界の魔導書だ。杖を作った時もそうだけど、この魔法は指定が曖昧でもある程度用意してくれる仕様らしい。


眠りに落ちるまでその魔導書を読んでいるといつの間にか意識は闇の中だった。


そうして俺は魔法を使い、魔物を狩り、肉を焼く。そんな生活を続け2週間が経ち、今に至るわけだ。俺は今日もバルボアの肉を食べながらこの2週間のことを思い出していた。

初投稿作品の第1話です!!

取り敢えず詰め込めそうな私の趣味と一気に入れた趣味まみれな上に文章も拙い作品ですがよろしくお願いします!


「ここの部分が分かりにくい」や「ここはこう書いた方がいい」などのアドバイス感想等あれば参考にしたいので送ってくれると嬉しいです!

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