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『飽き性な俺の器用貧乏、異世界で「神の模倣者」へと至る 〜3ヶ月で極めて捨てる生活を卒業し、天狐様と終わらないクエストへ〜』  作者: A古町
第1部 第1章Celestial Fox

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第六十五話:四天王の参拝予約と、運命の「大吉」

第六十五話:四天王の参拝予約と、運命の「大吉」


「……そなた、社の者だな。私は、どうすればいいのだ。更地にしなければ消されるが、攻撃すればしたで、契約で消える……。右を向いても左を向いても、虚無デスしかないではないか……!」


 かつてのクールな美青年の面影はどこへやら、ベリアルは情けなく肩を落とし、立ちすくんでいた。


「……悩みがあるなら、社務所で『天狐のお祓い(デトックス)』を予約して。……今なら、初穂料(キャンペーン価格)で聴いてくれる」


 キキョウに淡々と促され、ベリアルはトボトボと千本鳥居に足を踏み入れた。


 一歩進むごとに、正一位の輝きが彼の魔力を「洗浄デバフ」していく。重い足取り、絶望に染まったその凛々しい顔立ち。行き交う参拝客たちは、そのあまりの悲壮感に目を丸くした。


「おい、あのアニキ……相当思い詰めてんな」


「冒険者の兄さん! 悩みがあるなら、ここの天狐様に話を聞いてもらうと楽になるぜ! 霊験あらたかだぞ!」


 親切な冒険者に声をかけられ、ベリアルは「……あぁ、そうか。……アリガトウ...」と、もはや思考停止した状態で社務所の受付カウンターに辿り着いた。


「はいぃ! ご予約ですねっ! お名前は……って、ベリアル様? お久しぶりですぅ!」


 リリィが営業スマイルで出迎えるが、目の前の男に覇気が一切ないことに気づき、頬を引きつらせた。


「……予約の待ち時間に、おみくじでもいかがですか? 心の指針ガイドラインになりますよぉ」


「……あぁ、引こう。……どうせ私の運命など、どん底だ……大凶でも引いて魔力を高めてやるか...」


 投げやりに箱を振り、出てきた棒を確認する。リリィが渡した紙には、燦然と輝く二文字が記されていた。

【大吉:望み事、すべて卒なく叶うべし。縁談、向こうから舞い込む】


「……大吉、だと? なぜだ……! なぜこんな時に限って運が良いのだ! 私は今、『大凶』を引いて、この世の終わりを噛み締めたかったのに……っ!ぐああああ」


 ベリアルは逆に膝をついて絶望した。運勢の良ささえも、今の彼には「逃げ場を奪う嫌がらせ」にしか聞こえない。


「ベ、ベリアル様? ……大丈夫ですかぁ? ……あ、お時間ですぅ! 『特別相談室』へどうぞぉ!」


 リリィに案内され、ベリアルはフラフラと奥の院へ。

 そこには、正一位の貫禄を(見た目だけは)漂わせたコンと、ノートPCを片手に「さて、どのアセットを活用するか」と呟くショータが、待ち構えていた。

卒なく、しかし今や「自らの運の良さ」にさえ追い詰められた四天王。

ベリアルの「人生相談」という名の、新たな業務提携(M&A)が、今、始まろうとしていた。

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