表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『飽き性な俺の器用貧乏、異世界で「神の模倣者」へと至る 〜3ヶ月で極めて捨てる生活を卒業し、天狐様と終わらないクエストへ〜』  作者: A古町
異世界✖️異世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

102/653

第百二話:防弾の聖域と、虚無の「活け花」

第百二話:防弾の聖域と、虚無の「活け花」


「……よし。防弾プレートの『耐弾試験フィールドテスト』は合格だ。だが、守るだけじゃ『勝機』は掴めない。……リリィ、白玉の秘匿回線を開け。……ある『クライアント』へ、特急の営業アプローチをかける」


 天狐の社の作戦室。ショータはモニター越しに、アーシェの防弾チョッキが火縄の礫を弾き返す瞬間を確認した。だが、彼の視線はさらに先、戦場を俯瞰する大きな盤面を見据えていた。


 一方、市街地の最前線。


 果心居士が操る「幻影の骸兵」が、泥の津波のように城壁を乗り越えてきた。


「一兵たりとも通すな! ここが帝都の、聖域の防波堤ですわ!」


 アーシェが叫び、白銀の剣を振り下ろそうとした、その刹那。


「――ひ、ふ、み」


 本陣に座す天海の冷徹な号令。三つの火縄の礫が、正確にアーシェの胴体を射抜いた。凄まじい衝撃にアーシェの体が後方へ押し出されるが、彼女は歯を食いしばり、石畳に剣を突き立てて踏みとどまった。


 ショータが施した『天狐の加護付き防弾チョッキ』。その強化セラミックと神の加護が、物理法則を歪める「弾丸」のエネルギーを卒なく分散させていた。


「……ほう。あのフルマジックジャケット(魔導コーティング弾)の礫を、その身一つで防いで見せたか」


 本陣で天海が眉をひそめる。彼の計算にない「防御の最適化」が、戦場に小さな、しかし決定的な狂いを生じさせていた。


 乱戦の最中。黒馬に跨り、大太刀を縦横無尽に振るう呪いの将、隼人正はやとのしょう。彼が振り撒く黒百合の呪いが戦場を絶望に染めようとした時、その前に一人の男が立ち塞がった。


「……趣味が悪いな、その黒い花」


 作務衣の袖を捲り、虚無の槍を構えたベリさんだ。あの日、酒の勢いで失ったプライドを取り戻すかのように、一万年に一人の美形清掃員から「元四天王」のかおへと戻っていた。


「……活け変えてやろうか。……もっと平和な、チューリップにでもな」


「……貴様、何者だ。その魔力、ただの清掃員ではあるまい」


 隼人正が黒百合の呪光を大太刀に宿し、ベリさんを睨み据える。

 「自らの誇り」を懸けた一騎打ち。


 ショータの「謎の交渉」と、ベリさんの「清掃の極致」。

 二つのロジックが、天海の完璧な軍略を、少しずつ、確実に侵食し始めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ