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瓦礫世界のシナリオ進行  作者: namakox
第三章「砂漠」
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第25話「動く砂漠」

風は止むことなく吹き続けている。僕たち三人は背中にその風を受けながら前に進んでいった。風に背中を押されているからか、不思議と足取りは軽かった。


「砂漠、見えるっすかー?」


カズが怠そうにそう言った。


「いや、見えない」


カイラは機嫌が悪そうだった。風が吹く方にずっと進んではいるが全く砂漠は見えてこない。


「あのじーさん、嘘ついたんじゃないっすか?」


「そんなこと、今更考えたってどうしようもないだろ!」


もし、騙されていたとしたら…。ここで倒れ込んで死ぬのをまつだけかもしれなかった。


「きっとありますよ。もう少し進んでみましょう」


ただ、進むしかなかった。辺りは瓦礫ばかりだった。いくら進んでもずっと瓦礫。似たような景色に、また同じ場所に来たのかと疑わしくなるくらいだった。風はその間もずっと僕らの背中を押していた。何個目か分からない山を越えた時に、その風が突然弱まった。目の前に砂埃がたっていた。はっと気がついて、目の前の景色に息を呑んだ。海のような砂の世界が、そこでうなりを上げていた。


「砂漠っすよ!!!」


「おっしゃああああ!!!!」


2人はかなり喜んでいた。カンカン照りの太陽が砂漠の砂に反射してとても眩しかった。瓦礫の山の頂上から見る砂漠は圧巻だった。ジオラマのような砂漠の尾根がずっと向こうまで連なっていた。尾根を挟んで太陽と反対側に影が出来ていた。そこを通れば暑さをしのいで進めそうだった。


「影を通っていきませんか?」


「そうだな。結構、疲れてるけどこれからだしな。無駄に体力を使いたくないところだ」


そう言いながらカイラとカズは二人揃ってはしゃいでいた。なぜ2人共、そんなに元気なんだろうか。


「砂漠への記念すべき第一歩!!!」


カズのテンションが可笑しかった。そう言いながらカズは砂漠に足を踏み出した。いきなり砂に足を取られて、転んでいた。カイラと僕はそれを見て笑っていた。すると、地響きが聞こえてきた。地面が揺れはじめる。カズは起き上がろうとしていたが、砂に手をとられて下の方まで流されそうになっていた。


「私の手をつかめ!」


カイラがそう言った。カズがカイラの手をとった。その時だった。


「ゴォォォオオオオオオ」


遠くの方から地響きのような鳴き声のような音が聞こえてきた。その音が聞こえてきた方を見ると、砂漠全体が揺れ動いている様に見えた。


「何が起こってるんですか?やばくないですか!?」


「よいっしょ!はぁぁぁー疲れた。ん?うっわ、やばい。地割れだ!下がれ!!!」


地割れがものすごい勢いで地面に伸びていく。地響きはますます酷くなってきた。地面が揺れて、立ってられなかった。


「何が起こってるんですか?」


「分からん!!」


「ゴオオオオオオオ」


「やばいっす!おちるぅぅぅ!」


カズが地割れに落ちそうになっていた。その声に反応してカイラがカズに手を伸ばしたその瞬間だった。体が一気に重くなって、空に打ち上げられた様な感じがした。物凄い衝撃にあたりの砂が同時に舞い上がり、瓦礫が地割れの方に吸い込まれるように落ちていく音がした。僕達は打ち上げられた反動で地割れから遠ざかった。カズはカイラが手を掴んでいたので何とかそこに残っていた。


「ズシン、ゴオオオオオオオ」


「ちょっと待ってください。これ、砂漠、動いてませんか?」


「まさかな」


「そのまさかっすよ」


砂煙が晴れて見えた景色に僕達は夢じゃないかと互いの顔を殴り合った。


「めっちゃ痛いっす」


「痛かったです」


「そうか?」


主にカイラの力加減が全くなかったことが分かり、殴り合いは終わった。


「そんなことより…。なんだよこいつらは?!」


砂漠と思っていたその場所には砂漠を背負った謎の巨大生物がゆっくりと歩き回っていた。四本の足でゆっくりと歩いているのが見えた。目や耳などはなく、足と体だけの不思議な生き物だった。一匹一匹が背中に砂丘1つ分ほどの砂漠をのせていた。僕達もその巨大生物の一匹の背中に乗っているらしかった。


「かなり高い…ですね。下を見たら目眩がしてきそうです」


砂漠を背中に乗せて巨大生物達は移動し始めた。


「でかすぎるっすよ」


カズがそう言うとズシンと音が下から聞こえてきた。その振動によって周囲で砂煙がたちのぼっていた。巨大生物の集団が一斉に動き出すのはかなり壮観だ。僕たち3人はその光景を巨大生物の背中からじっと見ていた。


「これ、どこに向かってるんだ」


カイラがポカンとした顔でそう言った。


「大丈夫っすよね?降りれるっすよね?」


カズはそう言っていた。これから先、どうなるかなんて分からなかった。思えば、今までもそうだった。ただ今回はじっと時が過ぎるのを待つしかなさそうだ。自分達にできることはこの巨大生物をできるだけ刺激しないことだろうと思った。

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