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瓦礫世界のシナリオ進行  作者: namakox
第ニ章「孤独」
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第13話「帰宅」

「一緒にお家に行ってもいいですか?」


僕はナツにきいた。ナツは少し悩んでから答えた。


「……いいよ。ここから少し遠いけど、帰っても一人だから……。みんなと一緒なら楽しそう!」


ナツはすぐにそう言ってくれた。泊まらせてくれそうだったので、僕達はかなり助かった。


「ありがとうございます。じゃあ、着いていきます」


「やったー!楽しそうで待ちきれないなー!」


そう言って、ナツは喜んでくれた。そこでふと、僕達が行こうとしていた集落のことを思い出した。もしかすると僕達が向かっていた集落に、ナツの家があるのかもしれないと思った。そう思って僕はナツにきいてみた。


「お家は集落にあるんですか?」


「そうだよ。皆が家族みたいで優しかったんだよ。でも最近、おかしくなっちゃったの」


「おかしくなったんですか?それは、どうしてですか?」


「わかんないの。でも皆、暗くて怖いの。怖くなってここまで逃げてきちゃったの」


奇妙な話だったが、尚更ナツをほっとけなくなった。


「もし何かあったら、僕達が助けますから安心してください」


そうナツに言ったが、僕達が人を助けた事はまだない。正直、僕は不安だった。


「ありがとう!私の事、ちゃんと守ってくださいね」


そう言われると、物凄くナツを守りたくなった。それから僕は、後ろでまだ落ち込んでいたカイラに話しかけた。


「大丈夫ですか?取り敢えず、ナツさんの家についていくことになりました。たぶん、僕達が向おうとしていた集落にあります。でも、少し集落の様子がおかしいみたいです」


「そっか……」


カイラは落ち込んでいて、それどころじゃないようだった。


「なに本気で落ち込んでるんですか!そんなに落ち込んでる場合じゃないですよ!もう暗くなってきてます。雨も降りそうですし、早く行ったほうがいいですよ!」


僕はつい早口になってカイラを説得した。


「そうだな。うん…。よし。行こう!」


元のカイラに戻った。意外と立ち直りは早かった。


「どこに行くんすか」


瓦礫の後ろに隠れていたカズが顔を出してきた。


「ナツの家に行くことになりました」


「ナツって誰?」


カズは何も聞いてなかったのだろうか。取り敢えず、カズにも同じように説明をした。僕はカズに説明をしてから、あたりを見渡した。もうだいぶん暗くなっていて、空模様はますます怪しくなってきた。急がないといけないと思った。僕は焦る気持ちを落ち着かせて、どうすればいいかを考えた。幼いナツは僕よりも足が遅い。その事に気がついて、僕がナツをおぶることにした。ナツには案内だけをさせることにした。


「ナツさん。僕がおんぶするので、背中から僕達を案内して下さい」


「それ、楽しそう!」


ナツは僕の背中にすぐに乗ってきた。意外と重かったが、頑張るしかなかった。


「ナツさん、案内してくださいね」


「分かったー。じゃあ、そっちにまっすぐ進んでー」


指をさしながらナツは僕にそう言ってきた。カイラを先頭にナツに言われた方に進んで行った。カズは後ろから着いてきている。少し進んで、目の前に小高い丘が見えてきた。すると、ナツが左側を指さして言った。


「向こうの方だよ!」


目の前の丘を避けるように、僕達は左側に曲がっていった。


「もう暗くなってしまって、足元が見えないな」


カイラがそう言った。雲が多かったのも相まって、暗くなるのがいつもより早かった。


「取り敢えず、雨が降る前に着きたいですね」


「そうだな。ところでナギト、きつくないか?変わろうか?」


そう言って、前にいたカイラが僕のところまで戻ってきてくれた。


「正直、少し疲れました。でも、大丈夫です。ありがとうございます」


ナツはカイラを怖がっていたので、おぶるのを変わる時に嫌がられる可能性があった。もしそうなったら、カイラがまた落ち込んでしまう。


「そうか。無理はするなよ」


カイラはそう言って、ポケットからマッチとロウソクを取り出した。マッチをすってロウソクに火を灯す。カイラは僕の横に並んで足元を照らしてくれた。


「助かります。ありがとうございます」


僕はカイラに礼を言った。

それから、少し進むと細道があった。


「この道をたどっていけばいいよ」


ナツはそう言った。


「もう少しでつきますか?」


「うん。もう着くよ」


もうそろそろ、体力が限界だったので、その言葉を聞いて僕は安心した。


「あと少しっすか。雨はまだふりそうにないっすね。……良かった」


カズが後ろでそう言った。それからすぐに、パラパラと雨が降ってきた。


「おい、降ってきたぞー。何が良かっただ。お前は雨男か?」


カイラがカズにそう言った。


「ここで雨降ってくるとか、俺も聞いてないっすよー」


そうカズが言うと、カイラの持っていたロウソクが突然消えた。


「クソッ!雨が当たったみたいだ」


ロウソクが消えて、視界が暗くなった。すると、先の方に何かが見えた気がした。


「向こうに明かりが見えませんか?」


ロウソクが消えたからか、僕達が歩いている道の先の方に明かりがポツポツと見えてきた。


「あれがお家だよ」


ナツがそう言った。


「もうすぐだな。怖い住人ってのは気がかりだが、雨がひどくなる前にさっさと進むぞ!」


カイラの掛け声に身が引き締まった。すると、突然ナツが僕の背中で泣き始めた。


「どうしたんですか?もうすぐ着きますよ」


「違うの。怖いの。家に帰るのが……怖いの。あの集落に……帰りたくないの」


「でもここまで来たし、雨も降ってきたから屋根がないと困りますよ」


「だって……。だって、お母さんが……。お母さんが……。」


泣きながらナツは話していた。


「お母さんが、どうしたんですか?」


親に捨てられた事をきくのは気が引けたが、その時は話を聞いてあげた方がいいと思った。


「お母さんは……ね。冷たくなってたの。私が朝起きたら……動かなくなってたの。天井から……ぶら下がっててね。顔が青くなっててね。それでね……」


僕はポツリポツリと見える集落の明かりを、呆然と眺めて立ち止まっていた。冷たい雨が、段々と酷くなってきていた。

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