↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/14

7話

 


「んごっ、んごぅ、んずっ……」


 猿の魔物の頭部を両手で抱え込み、割れ目から脳味噌を貪りすするゴブリンがいる。


 イシバだ。


 爛々と輝く眼を見れば、それがどれほどの絶品かが窺えた。例えるなら雲丹(ウニ)。それも、人間だった頃に食べてきたどんな高級ウニよりも上品で、圧倒的に濃厚で美味い。


「っぷはーっ!」


 すべてを綺麗に啜り切ったイシバは、至福の息を漏らした。


「おいしかった?」


「ものすごく美味しかった!」


「よかったね、イシバ!」


「うん。もうお腹いっぱいだよ」


「喉乾いてない?」


「あ……ちょっと乾いてるかも」


「水、持ってくるね!」


 小走りで奧へ向かう背中を見送りながら、イシバは胸の内で改めて深く感激していた。


(サンゴ、なんて良い奴なんだ……)


 間違いなく、これまでの人生で出会ってきた誰よりも親切で心優しい。それがまさか異世界の地で、しかも相手がゴブリンだとは思いもしなかった。


「それに比べて、あいつは……」


 慌てて口を閉じる。もしサンゴに聞かれでもしたら、後々厄介なことになりそうな気がしたからだ。


(あれ……?)


 そういえば、あの紙切れに何か書いてあったような気がする。


「あ、ああああっ!?」


「どうしたの!?」


「な、なんでもない!」


「びっくりしたよー」


「ごめん!」


 姿の見えない奧の闇から届いたサンゴの声とやり取りを交わす。その状況がなんだかおかしくて、イシバは思わずふっと笑ってしまった。


(そうじゃなくて……『鑑定』!)


 その対象は自分自身。


 心の中で強く念じた瞬間、イシバの眼前に青白い光の画面がふわりと浮かび上がった。


「あああああっ!?」


「どうしたの!? ねぇ、どうしたの!?」


「なんでもない、なんでもないから!」


「わざとでしょ! 僕をびっくりさせるためにわざとやってるでしょ!?」


「違うって、違うよ!」


「本当かなぁ……」


 ロキという名の神が寄越した手紙に、「『鑑定』と唱えればステータスが見られる」と書いてあったことを今さら思い出したのだ。直後に矢で撃ち抜かれて死んだせいで、すっかり頭から抜け落ちていた。


「えーと……」


 イシバは目の前に浮かぶ画面へ視線を注ぎ、書かれている文字を真剣に読み始めた。








最後まで読んでいただきありがとうございました。


「ブックマーク」と「いいね」を頂ければ大層喜びます。


評価を頂ければさらに喜びます。


☆5なら踊ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。