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13話

 

 途中で猿の魔物の群れに出くわし、急いで木の後ろに身を隠す。どこかで見たことがあると思ったら、最初にサンゴがごちそうしてくれた、あの猿だった。


 頭が良いうえに悪戯好きで、集団で襲いかかってくるらしい。サンゴも過去に何度も追いかけられたことがあるそうだ。そう聞かされてから見ると、遠目からでも恐ろしく思えた。例えるなら、痩せたヤンキーというか……あれは桃太郎だって絶対に仲間にしないだろう、というタチの悪さだ。


 そんな奴をどうやって倒したのか尋ねてみると、倒したわけではなく、高い所から落ちて死んでいた個体を拾ってきたのだという。


 木から木へと飛び移りながら去っていく姿を見ていると、確かにあんなことをしていれば時には落ちることもあるだろうと納得がいった。


 途中でちょうどいい石があったので、腰を下ろして木の実を食べることにした。銀杏のような硬い殻の中に赤い種のようなものが入っているのだが、口にしてみると甘酸っぱく、ベリー系の味がした。


「美味しいね」


「うん」


 サンゴと一緒にいると、小学生の頃のことを思い出す。もしサンゴがクラスにいたなら、きっと男子からも女子からも好かれる人気者になっていたはずだ。


 休憩を終え、再び歩き出す。


 登山なんて、学校行事で地元の山に登らされた記憶くらいしかない。登山好きの気持ちなんて一生わからないだろうと思っていたが、実際にやってみると案外楽しいものだった。一人なら絶対に登らないだろうが、どこか充実感というか、「頑張っている」という感覚が心地よかった。


 さあ、そろそろ山頂だ。


 サンゴが見せたいものとは、一体何なのだろう。


 心なしか口数が少なくなってきたサンゴの後ろを、俺は静かに追いかけていった。






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