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僕魚星
握りしめた指の隙間から何本もの細く真っ直ぐな白光が漏れ出す。
僕の手は朱く透けている。
掌を広げると、そのうえで滑らかなコロンとした小粒の星がピカピカと笑っていた。
魚はふと静かに、泳ぐのをやめた。
僕らはいつの間にかとても高いところまで来ていて、下を見ると街の明かりがずいぶん遠くなっていた。
頬に風があたって僕の耳元の髪を揺らして過ぎて行った。涼しい夜風は海の匂いがした。
ビロードみたいな紺の夜空は満点の星のビーズの刺繍でおめかししている。
雲の一片ない晴れた夜。
僕はその時魚が何に似ているのか、気が付いた。




