02 どう見ても外国人だろ!
本当に書くの遅くてゴメンナサイ。早く書こうという意識はあるのですが……。そんなこんなでよろしくお願いします! 誤字・脱字、コメントなどがありましたら、感想をかいてくれたらありがたいです。
森の中 多田貴翔
目の前の少女は金髪碧眼であった。よく見ると、そばかすが頬に点々とついていた。さらさらした金髪をお下げにしている。まるで赤毛のアン――――金髪のアンであった。
「えと……、日本語通じる? って日本語で話しかけてどうすんだ!」
貴翔は頭をかきむしる。――――くそ、英語は苦手なんだよ!
「君、おもしろいねぇ」
優しい声だった。そしてそれは日本語であった。
「日本語、通じるのか? よかったぁ、英語は苦手なんだ」
どう見ても外国人だが、日本語は通じるようだ。
「君、名前はナニ?」
そばかすの少女が貴翔に訊いた。貴翔は、
「僕は多田貴翔。君の名前は?」
「私は……杉山鈴。この森の近くに住んでるんだ」
貴翔はあんぐりと大きく口を開けた。スギヤマリンという名前はどう考えても日本人の名前だ。
「えーと……君、外国人?」
「違うよ。私はれっきとした日本人だよ」
顎が抜けると思った。
「何をそんなに驚いてるの? あれ、もしかしてどこか痛いの?」
杉山鈴が心配そうに尋ねる。
「いや、大丈夫だよ」
「そぉ?」
ゴォォォォォ…………!!
「えっ、ナニ!?」
突然、緑の草で生い茂る地面が大きく揺れた。
「木たちが、怯えてる…………」
杉山鈴は貴翔にはよく理解できないことを呟いた。だが貴翔の耳にはそんな言葉は一切届かなかった。
「うわぁぁぁ!!」
恐怖が貴翔の心を支配する。
そして、よみがえる。幼き日の自分を。無力で何もできなかった自分を。
――――嫌だ、やめてくれ。早くとまってくれぇ…………!
「大丈夫だよ。君には私がついてるから、ね? だから、前を向いて。怖がらないで」
優しい声だ。自然と恐怖が薄れていく。
貴翔は声の主のいうままに前を向いた。
◆ ◆ ◆
目が覚めた。
どうやら貴翔はベッドの上に横たわっているようだ。お世辞にもそのベッドの毛布、その他もろもろは使いすぎてぱさぱさしているが。
「あ。目、覚めたんだね」
しばらくぼーっとしていると杉山鈴が扉からひょこっと顔を覘かせた。
「ここは?」
「ん? ここは私の家だよ~。どうしてか、っというと単純に君がたおれたからさ。流石の私も倒れた人をほっとくようなマネはしないからねぇ」
杉山鈴はわざわざ貴翔が尋ねる前に理由を話してくれた。
「……っ!」
突然、貴翔の右腕に鋭い痛みが走った。右手を見るとミミズばれしていた。
「こんな傷、いったいどこで……?」
「あぁ。それはね、君を運んでもらった時についた傷だよ。あの時はあの子たちも焦っていたから傷がついちゃったみたいだね」
「【あの子たち】って、君が僕を運んでくれたんじゃないのかい?」
貴翔がそう言うと、杉山鈴はきょとんとし、大きく笑った。
「あははははっ。君、おもしろいねぇ。こんなか弱い女の子が自分より大きい人をどうやって運ぶっていうんだよ」
確かに杉山鈴の言うとおりである。貴翔は男子高校生にしては背が低い方であるが、女子よりは身長は流石に高い。目の前の少女も例外ではなく、貴翔より背は低かった。
「じゃあ誰が僕を運んでくれたんだい? お礼を言いたいんだけど」
「あの子たちは外に住んでるんだ。ちょっと歩かなきゃいけないけど、歩ける?」
どうやら【あの子たち】とはここより少し離れたとこに住んでいるらしい。
「うん。お礼も言いたいし、早く【あの子たち】に会ってみたいしね」
「ねぇ。確か名前、多田貴翔って言ったよね?」
杉山鈴がかばんにいろいろものを詰め込みながら言った。
「じゃあ、今日から君のこと貴翔って呼ぶね。私のことはリンって呼んで」
突然のことに貴翔は硬直した。女子に名前を呼んでもらえるなんて、幼稚園児以来だった。
「そんな、いいの? いきなりさぁ」
「イヤならやめようか?」
「いえ、喜んで!!」
反射的に答えてしまったのだった。
「ねぇ、貴翔」
「ナニ?」
「貴翔って、変な服きるよね。なんていうか……派手?」
リンの疑問に貴翔はたじろいだ。それは貴翔からしても同じだったからだ。リンの服装は薄い茶色のボロッとした長いワンピースにエプロンといった感じであった。今の日本で絶対お目にかかれない服装であろう。
――――ほんと、ここはどこなんだ? 僕と麗樹は確か鏡に飛び込んで……
「……あ!」
今まで大切なことを忘れていた。一緒に鏡に飛び込んだはずの【彼】がいないことに。
「麗樹がいない……」
――――麗樹はどこいったんだよ。ここはどこなんだ……! クソッ
「ねぇ貴翔っ」
貴翔は声がした方を振り向いた。
そこには、男物の服を持ったリンがいた。
「これ着てみてくれない? やっぱりその服装は目立つからこっちの方がいいと思うの」
明るくて、優しい声。貴翔は反射的に、
「リンの声って優しいよね」
「へ…………?」
リンの顔がボンっと赤くなる。まるで林檎のようだ。
「告白……!?」
「ちげぇよっ。今のどこが告白だっ!?」
そんな他愛のない会話が貴翔の心を落ち着かせた。




