表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

01 そして、夜

こんにちは! 投稿遅くてすいません。ちょっと色々ありまして……。

このお話からやっと本編の入り口が見えてきた感じです。ではよろしくお願いします。


AM0時40分  多田貴翔

 四月も半分が過ぎたが、やはり夜はまだまだ肌寒い。

 ヒュー、という風が吹くたびに貴翔はぶるっと震える。


 ――――やっぱりパーカー羽織るだけじゃダメだったか……。うぅ……寒い


 早くもこんな真夜中に家から抜け出してきたことを後悔する。だが、今から自分が実行しようとしていることを考えると後悔は頭の中から自然と消えていく。


 ――――僕たちは今から魔法の国に行くんだ。そして……魔法使いに会うんだ




AM0時40分  西谷麗樹

 体が熱い。体の中からほてってくる。

 寒いと思ってわざわざダウンコートをタンスから出したが不必要だったみたいだ。

 

 ――――もう少しで、俺たちの夢が叶う


 もちろん俺たちとは麗樹と貴翔のことだ。

 集合時間までまだまだ時間はあるが麗樹は足を速めた。




AM0時48分  多田貴翔

 集合時間2分前。貴翔は待ち合わせ場所に到着した。

 麗樹はすでにきており、なぜかあったかそうだった。

「あったかそうだな、それ」

 物欲しげな目で貴翔は麗樹のダウンコートを見た。


チチチッ

「よし時間だな」

 麗樹の腕時計が小さく鳴る。耳を澄まさなければ聞き取りづらい音なのに、その音ははっきりと貴翔たちの耳に響いた。

 麗樹が壁の凸凹をうまく使って校庭に侵入した。そしてロープを垂らす。これは事前打ち合わせで決めていたことだ。麗樹が貴翔の運動神経では学校の壁は乗り越えられないと予想し、ロープを持ってきたのだ。

「よいしょっと」

 少々時間はかかったがうまく壁を超えられた。

 

 ――――ここからが本番だ


 貴翔は大きく息を吸い込ん――――

「何やってんだ、さっさと行くぞ」

 冷めた麗樹の声。

「てめぇ、今どう考えたかってすごくいい場面だったよなぁ? 再後ぐらいまでセリフ言わせろよ! お前ほんと邪魔すんの好きだよなぁ!?」

「なんでお前はキレんだよ……。つかセリフってなんだよ」

 二人は足を速めた。


「くそ、ギリギリじゃねぇか。多田が変なこと言い出すから時間食っちまった」

「いいじゃないか。別に間に合ったんだし」

 0時59分。二人は大きな鏡の前にたどり着いた。

「んっ」

 麗樹が右手を突き出した。

「なんだよ」

「1時になったら同時に飛び込むから手をつなぐ。いいな?」

「全然よくない」

「即答かよ!?」

「男同士で手をつなぐなんて、ホモと間違えられたらどうするんだよ?」

「我慢しろっ」

 麗樹は強引に貴翔の手を握った。

 1時まで、あと数秒。




AM0時59分  xxxx

 ゆっくりと動く。二人の少年に気付かれないように。


 ―――見つけた


 xxxxは二人の少年の背後に迫り、両手を伸ばした。




AM1時00分  多田貴翔

「よし、行くぞ」

 麗樹の掛け声と共に、貴翔は床を蹴り、鏡に飛び込ん――――

「っ!?」

 ――――だと思ったら誰かに背中を押された。麗樹も同様で、驚いた顔をしていた。とっさに後ろを振り向くとそれは――――

 真っ黒だった。


 ◆  ◆  ◆


 回る回る回る……。とにかく回る。

 ここはどこ? 僕は何をしていたんだ?

 貴翔の周りは真っ白だ。何一つ汚れがない。まるで……誰も踏み込んでいない雪の世界。

 それはずっと続く。


 ◆  ◆  ◆


「おい、おいっ…………」

 声がする。優しい声だ。

「くそっ、起きないな…………」

 その声は貴翔の頭の中で心地よく響く。

「あまり暴力的なことはしたくないが…………」

 暴力的? 声の主は何をしようとしているのだろうか?

「すまない、許してくれ」

 え、何? 何をするの?


 ガツン!!


 瞬間、頭の中が真っ白になった。

 今自分に何が起きているのかわからなかった。だが貴翔は理解した。

 自分は声の主に頭を殴られたのだと。


「あ、起きた」

 声の主。

「ふぇ?」

 あまりの突然の出来事に貴翔の脳みそは対応することが出来ず、その代わりに変な声が喉から鳴った。

「君、大丈夫? こんなうっそうとした森に何の用があって倒れてたのかな?」

 貴翔の頭を殴った声の主は……貴翔とはそんなに歳が変わらない少女であった。








 

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ