私は、何も続けられない。
# 私は、何も続けられない。
私は、とても飽きっぽい。
子どもの頃は、ピアノ教室を三回も入退会した。
進研ゼミも、公文も同じようなものだった。
小学校ではバレーボールを数か月。
吹奏楽部も一年ほど。
合唱団だけは三年ほど続けたけれど、中学生になる頃には遊びたい気持ちが勝ち、週に一度の練習さえ行かなくなった。
ソフトテニス部も長くは続かなかった。
高校の軽音楽部も、音楽が嫌いだったわけではない。
でも部活そのものより、友達と過ごす時間の方が楽しかった。
アルバイトも長続きしなかった。
唯一長く続いたコンセプトカフェでは、楽しかった反面、昼間の社会に戻るまでに長い時間がかかった。
気づけば、今の看護師が人生で一番長く続いている。四年目。
振り返ってみると、私は何かを極めたことがない。
「これだけは誰にも負けない。」
そう胸を張れるものがない。
特別器用なわけでもない。
努力家でもない。
楽しくなる前に嫌になってしまう。
少し壁にぶつかると、別のことへ興味が移る。
そんな自分が嫌だった。
変わりたいと思っても、なかなか変われなかった。
だから今、このエッセイを書くことや、SNSで何かを発信しようとしていることが、人生で初めて「続けられるもの」になってほしいと心から思っている。
ある日、高校生の患者さんが受診してきた。
部活動中に骨折をしてしまったらしい。
診察室で彼は泣いていた。
「やっとキャプテンになれたのに。大事な試合に出られない。」
そう言って悔し涙を流していた。
私は、その姿が忘れられなかった。
もちろん、怪我はかわいそうだ。
でも私が一番感じたのは、別のことだった。
羨ましい。
心からそう思った。
学生のうちに、そこまで夢中になれるものがあったこと。
苦しくても続けて、キャプテンになるまで積み重ねてきた時間があったこと。
私は、それが羨ましかった。
今までの私は、「続けること」ができなかった。
だから、何かを失うほど大切に思えるものにも出会えなかった。
二十六歳。
もう学生ではない。
でも、本当に遅いのだろうか。
今からでも、一つのことを積み重ねて。
誰かに誇れるくらい続けて。
「これが私です。」
そう言えるものを見つけられるのだろうか。
まだ分からない。
でも、一つだけ分かっている。
私は今まで、何も続けられなかった。
だからこそ、これから人生で初めて「続けられた」と言えるものを作りたい。
それが、この文章なのか。
SNSなのか。
小説なのか。
まだ答えは分からない。
でも今度こそ。
私は、自分で自分を裏切らない人になりたい。




