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心の余白  作者: 柑橘みかん


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8/11

私は、何も続けられない。

# 私は、何も続けられない。


私は、とても飽きっぽい。

子どもの頃は、ピアノ教室を三回も入退会した。

進研ゼミも、公文も同じようなものだった。

小学校ではバレーボールを数か月。

吹奏楽部も一年ほど。

合唱団だけは三年ほど続けたけれど、中学生になる頃には遊びたい気持ちが勝ち、週に一度の練習さえ行かなくなった。

ソフトテニス部も長くは続かなかった。

高校の軽音楽部も、音楽が嫌いだったわけではない。

でも部活そのものより、友達と過ごす時間の方が楽しかった。


アルバイトも長続きしなかった。

唯一長く続いたコンセプトカフェでは、楽しかった反面、昼間の社会に戻るまでに長い時間がかかった。

気づけば、今の看護師が人生で一番長く続いている。四年目。


振り返ってみると、私は何かを極めたことがない。

「これだけは誰にも負けない。」

そう胸を張れるものがない。

特別器用なわけでもない。

努力家でもない。

楽しくなる前に嫌になってしまう。

少し壁にぶつかると、別のことへ興味が移る。

そんな自分が嫌だった。


変わりたいと思っても、なかなか変われなかった。


だから今、このエッセイを書くことや、SNSで何かを発信しようとしていることが、人生で初めて「続けられるもの」になってほしいと心から思っている。


ある日、高校生の患者さんが受診してきた。

部活動中に骨折をしてしまったらしい。

診察室で彼は泣いていた。

「やっとキャプテンになれたのに。大事な試合に出られない。」

そう言って悔し涙を流していた。


私は、その姿が忘れられなかった。


もちろん、怪我はかわいそうだ。

でも私が一番感じたのは、別のことだった。

羨ましい。

心からそう思った。

学生のうちに、そこまで夢中になれるものがあったこと。

苦しくても続けて、キャプテンになるまで積み重ねてきた時間があったこと。


私は、それが羨ましかった。

今までの私は、「続けること」ができなかった。

だから、何かを失うほど大切に思えるものにも出会えなかった。


二十六歳。

もう学生ではない。

でも、本当に遅いのだろうか。

今からでも、一つのことを積み重ねて。

誰かに誇れるくらい続けて。

「これが私です。」

そう言えるものを見つけられるのだろうか。


まだ分からない。


でも、一つだけ分かっている。

私は今まで、何も続けられなかった。


だからこそ、これから人生で初めて「続けられた」と言えるものを作りたい。


それが、この文章なのか。

SNSなのか。

小説なのか。

まだ答えは分からない。


でも今度こそ。


私は、自分で自分を裏切らない人になりたい。


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