病気が人を作るのか、人が病気を作るのか
# 看護師になって、人を見る癖がついた。
まず最初に。
これは私が数年間、一つの病院で働く中で感じたことだ。
すべての人に当てはまるとは思っていない。
あくまで、一人の看護師が現場で感じたこととして読んでもらえたら嬉しい。
看護師として働いていると、不思議なくらい患者さんに共通点を感じることがある。
例えば生活習慣病の患者さん。
もちろん全員ではない。
でも、時間にルーズだったり、薬がたくさん余っていたり、「気をつけてくださいね」という指導をあまり深刻に受け止めない方に出会うことが少なくない。
反対に、心臓疾患で来院される方は、急な症状を経験していることもあり、とても時間に正確な印象がある。
質問も多く、少し神経質なくらい慎重で、医師の説明を熱心に聞いている。
そして、精神疾患を抱える患者さん。
長く現場にいると、「何かいつもと違う」と感じる瞬間がある。
表情や話し方、視線、歩き方、身だしなみなど、さまざまな要素が重なって、「何か背景があるのかもしれない」と感じることがある。
もちろん、それだけで病気が分かるわけではない。
実際には違うこともあるし、思い込みは禁物だ。
だからこそ、カルテを見るまでは決めつけないように意識している。
それでも、現場で経験を積むほど、「違和感」に気づく感覚は少しずつ身についていく。
これは良いことなのか、悪いことなのか。
今でも分からない。
「病気が人を変えるのか。」
「その人の性質が病気と関係するのか。」
そんなことを考える日もある。
「性格は顔に出る」という言葉を聞くことがある。
医学的に証明されているわけではないだろう。
それでも、長年積み重ねてきた表情や雰囲気が、その人らしさとして表れることはあるのかもしれない。
看護師になってから、私は人を見る癖がついた。
初対面でも、その人の背景を想像してしまう。
どんな生活をしてきたのか。
どんな病気があるのか。
何に困っているのか。
本当は、そんなフィルターをかけずに人と接したい。
でも、この仕事を続ける限り、きっと完全にはなくならない。
そして最近、もう一つ考えるようになった。
私は、人からどう見えているのだろう。
誰かも私を見て、
「あの人はこんな人だ。」
そう無意識に判断しているのだろうか。
そう思うと、人を見ることは、人から見られることでもあるのだと気づいた。
看護師という仕事は、人を診る仕事ではなく、人を見続ける仕事なのかもしれない。




