家庭を持つ
# 結婚は、ゴールじゃなくて「誰かの人生を背負う」始まりだった。
結婚をした。
もともと結婚には憧れていたし、「いつかは自分もするもの」だと思っていた。
だから実際に結婚したときも、人生の次のステップへ進んだような感覚で、不思議と特別な実感はなかった。
「結婚する資格くらい、自分にはある。」
どこかでそう思っていた。
でも今思えば、その考えはとても甘かった。
結婚して初めて、自分にはまだ覚悟も、家庭を持つ準備も足りていなかったことに気づいた。
私は昔から、人前に立つことや何かを発信することが好きだった。
誰かに見てもらうこと、認めてもらうことも好きだ。
承認欲求が強い自覚もある。
だから、SNSやネットで活動することに抵抗はなく、むしろ昔から積極的だった。
親には「顔を出して活動するな」と何度も言われた。
当時はSNSに慣れていない世代だから心配しているだけだと思っていた。
大人になればそんな言葉も忘れ、自分の好きなように発信を続けてきた。
もう一つ、昔の私は下ネタを話すことにも抵抗がなかった。
どちらかというと、そういう話題で笑いを取るのが好きだった。
接客業でも、それをネタに場を盛り上げることが多かったし、「面白い女の子」くらいの感覚だった。
もちろん、そういうキャラクターを否定するつもりはない。
私自身がそうやって生きてきたから、その楽しさもよく分かる。
結婚後、本業とは別に接客業のアルバイトを始めた。
ネットでも、顔を出さずに活動を始めようとしていた。
すると昔の癖で、また同じような下ネタを話してしまう。
その方が場が盛り上がると思っていたし、それで人気を集めている人もたくさんいる。
だから特に悪いことだとは思っていなかった。
そんなある日、旦那に言われた。
「周りからどう見えるかも考えて行動してほしい。」
その言葉に、私は驚いた。
怒られたわけではない。
私の性格を否定されたわけでもない。
むしろ、そのままの私を知った上で結婚している。
でも、そのあと旦那は静かに続けた。
「そういう話ばかりする人、男に媚びを売る人だと思われたいの?」
その言葉で初めて気づいた。
私はただ面白いと思って話していた。
でも、受け取る側はそうとは限らない。
見られ方は、自分では決められない。
その瞬間、今まで考えたこともなかったことを考えるようになった。
結婚って、自分一人の人生じゃなくなるんだ。
私は私だけど、「あの人の奥さん」になり、「あの家族の一員」になり、いつかは「誰かのお母さん」になるかもしれない。
私の言動は、自分だけのものではなくなる。
もちろん、自分らしさを捨てる必要はない。
でも、本当にその発信は、未来の家族に胸を張って見せられるものなのか。
それだけは考えなければならないと思った。
ネットリテラシーとは、自分を守るためだけのものだと思っていた。
でも違った。
周りの人を守るためでもある。
自分の発言一つで、家族まで評価されることもある。
それを、私は結婚して初めて知った。
お父さん、お母さん。
昔、「気をつけなさい」と言ってくれていた意味が、今なら少し分かる気がします。
今の私も、きっとまだ未熟だ。
数年後には、今の考えすら幼かったと思う日が来るかもしれない。
でも、それでいい。
人は変わりながら、大人になっていくのだと思う。
だから今日の私は、この気づきを忘れないように、ここへ書き残しておく。




