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心の余白  作者: 柑橘みかん


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10/11

嫌だなぁ

私は、できないのに人に認められたくて、キャパオーバーになるようなことまで「はい」と引き受けてしまう。


いわゆるイエスマンだ。


いろんなところで必要とされたい。


輪の中で、サークルの中で、中心人物でありたい。


その気持ちが強すぎて、潰れる。


そして、本当に大切なことが何なのか分からなくなる。


看護師の仕事だって、生活基盤として、給料をもらえる程度に頑張れたらそれでいい。


もともと看護師になりたくてなったわけじゃない。


勉強にも本気で取り組んだことがほとんどないし、知識をつけたいと思うことも少ない。


でも、必要とされたい気持ちだけは立派で、


「あれやります」


「これやります」


が止まらない。


調子がいいときの私は、何でも引き受けてしまう。


でも、気持ちが落ちたときには何もできなくなって、信頼を失ってしまう。


いっそ、体力オバケで、本当に何でもこなせる人だったらよかったのに。


そうしたら、理想の自分でいられるのに。


コンカフェでは、ランキング上位に食い込んだことがある。


「頑張ればできる」という中途半端な自信が、余計に私のやる気を刺激する。


いろんなことに興味が出て、いろんなことに取り組みたくなる。


なのに、キャパオーバーになって、体が動かなくなるのだ。


ストーリーが大好きで、何度も読み返した少女漫画がある。


その漫画の肝になるようなシーンではないけれど、主人公の女の子が言った、


「不器用だから一つだけに集中するなんてできない。どちらも頑張りたいんだ」


みたいなセリフが、昔から好きだった。


何度も読み返しているうちに、私はこのセリフを自分にも重ねていた。


私も、いろんなことを同時にやる方が性分に合っているのだと勘違いしていた。


それに気づいたのも、本当に最近だ。


気づいたというより、気づいてしまった。


絶望感の方が強い。


ついでに、嫌なことまで思い出してしまった。


小学生の頃、アイドルになりたい、声優になりたいと、いろんな夢を父に語ったことがある。


そうしたら父に、


「お前は行動力もあるし、それをすることはできるけど、すぐ飽きるし、上がいるから残念だよな」


と言われた。


諭されたというか、半分笑い話のように言われた言葉だった。


そのときは、今ほど深く受け止めていなかったと思う。


でも、大人になるにつれて、その言葉がどんどん身にしみてくる。


本当にそうなんだと、感じてしまった。


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