シーズン2・第7話:暴かれる正体
シーズン2・第7話をご覧いただきありがとうございます!
水木桃の背後にある不正な資金源の証拠を握った佐藤と南が、反撃へ向けて水面下で決定的な証拠を集めていく緊迫の回です。
追い詰められていく悪役の化けの皮が少しずつ剥がれていく展開をお楽しみください!
水木桃が握っている「莫大な資金源」の正体が、本家の目を盗んで不正にプールされた裏金や、グループ内の非公式な海外子会社からの横領資金であるという事実。
その確信を得てから、私たちの反撃計画は一気に加速した。
もちろん、一筋縄ではいかない。桃は現在、経営企画部の中で再び大きな顔をしており、彼女の周囲には保身のためにペコペコと頭を下げる取り巻きたちが何人か戻りつつあった。彼女自身は「佐藤を手に入れた」という歪んだ満足感に浸り、自分が今、どれほど危うい基盤の上に立っているのか微塵も気づいていなかった。
「……これを見てくれ。先ほど、海外の匿名口座から国内の関連ペーパーカンパニーを経由して、彼女の管理するプライベートなファンド口座へ流れていた資金の送金記録のログが取れた」
ある日の深夜、都内の静かなファミレスの片隅。
佐藤さんがノートパソコンの画面を私に見せながら、静かに、しかし熱を帯びた声で言った。画面には、複雑に入り組んだ送金のフローチャートと、紛れもない不正の証拠となる数字の羅列が映し出されていた。
これだけの証拠が揃えば、もはや個人の派閥争いのレベルではない。銀行のコンプライアンス部門や、さらに上の「水木本家の監査役会」が動けば、桃のやっていることは一発で「業務上横領および不正融資」という刑事事件に直結する重罪だった。
「すごいです、佐藤さん……! これだけの証拠があれば、もう彼女の言いなりになる必要なんてないですね」
「ああ。ただ、慎重にいかなければならない。彼女は今、自分の後ろ盾が完全に復活したと思い込んでいる。一気に突きつけるその瞬間まで、絶対に感づかれてはならないんだ」
佐藤さんの瞳には、かつての絶望の色は微塵もなく、愛する人と大切な日常を守るための強い決意と知性が宿っていた。
その横顔を見つめていると、胸の奥から熱いものがこみ上げてくる。私たちは別々の道を歩かされているように見えて、心はこれまで以上に深く、強く結ばれていた。
――しかし、悪事はいつまでも隠し通せるものではない。そして、追い詰められた人間ほど、恐ろしい暴挙に出るものだった。
翌日、銀行に出勤すると、経営企画部のフロアの空気がどこかピリついていた。
私のデスクの周りに、何人かの同僚たちが集まってヒソヒソと何かを囁き合っている。私が近づくと、彼らは気まずそうにさっと散っていった。
「……何だったんだろう?」
首をかしげながら自分のデスクに座ると、そこには一枚の封筒が置かれていた。
差出人の名前は書かれていない。嫌な予感がしながらも封を切ると、中から出てきたのは、印刷された一枚の紙だった。
そこには、私が過去に作成した社内向けの極秘融資データと、なぜか「外部の競合他社にその情報が流出した」かのように巧妙に捏造された架空のメールのスクショが印刷されていた。さらに、その下には赤い文字でこう書かれていた。
――『情報漏洩の犯人・江崎南。今すぐこの会社から消えなさい』
ぞっとするような悪意が、背筋を凍らせた。
身に覚えのない情報漏洩の濡れ衣。それは、私がかつて桃から受けた嫌口や罠の比ではない、もっと致命的で、私の社会生命を完全に絶つための悪質な「社会的抹殺の罠」だった。
遠く離れたデスクから、水木桃が冷ややかな、勝ち誇ったような笑みを浮かべてこちらをチラリと見つめているのが見えた。
彼女は、私たちが水面下で動いていることに気づいたのか、それとも佐藤さんとの関係を完全に自分のものにするために、邪魔な私を組織から永久に追い出そうと、ついに最後のカードを切ってきたのだ。
心臓がドクドクと激しく脈打つ。
けれど、もう恐怖で涙を流すだけの私じゃない。
――罠を仕掛けたのは、そちらのほうからだ。ならば、その仕返しを何倍にもして返してやる。
私は捏造された書類をしっかりと握りしめ、まっすぐに前を向いた。
反撃の幕は、いよいよ最高潮へと上がろうとしていた。
シーズン2・第7話をお読みいただき、ありがとうございます!
桃の不正の証拠を着実に集める佐藤と南に対し、焦った桃が「情報漏洩の濡れ衣」という新たな卑劣な罠を仕掛ける緊迫の展開を描きました。
次回、第8話「仕組まれた罠の行方」では、桃が仕掛けた情報漏洩の濡れ衣を逆手に取り、私たちが彼女を完全に追い詰めるための反撃の狼煙を上げるストーリーをお届けします。
シーズン2もぜひ応援よろしくお願いいたします!ブックマークや評価、感想などもお待ちしております!




