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幻想日誌:魔動物として召喚された男の物語  作者: 森野昴
第4章 従魔候補のお仕事
54/155

4-09 ルークのお話

表現の変更と修正をしました。


お待たせしました。

今話の内容は、前話の夜の話になります。

 その日の夜。


 ベットの上で横になったのはいい。


 だけど、食べ過ぎで腹が膨れて眠れない。


 いやはや、腹八分目とは、よくいわれるけど、この意味もあるのかな。


 そんな感じで、ごろごろと、していたところで。


 - やあ。ナオト。いいかい -


 あ。ルーク。


 何だか、久しぶりだね。その張りある言語化された意思で来るの。


 - ん? そうか。そうかもしれない。我は、考えにしばらく時をついやしていたのも確かだ。だが、君のバックアップで、いろいろしたと思う -


 うん。そうだね。言葉や文字の意訳をありがとう。大変助かっているよ。


 - どういたしまして。だな。ま。それはそれとしてだ。そう。ナオト。君に伝えたいことがある -


 うん? また、急にあらたまって、どうしたの。


 - ナオト。今日の施設の晩飯、抜いたな -


 えー。わざわざ出てきて、言うことが、それ?


 -最近、力がないと思わなかったかい? -


 何でまた、ルーク。これは、君の身体なのでしょ。変な冗談はやめて。


 - いや、冗談ではない。ナオト。これは、命にかかわることだ -


 へ。それこそ、冗談でしょ。


 確かに、今日の昼に、ご婦人の椅子を押すことができなかったよ。それで、この身体の力なしを実感したんだ。


 これを、笑いに来たんじゃないの? ルークの感性だったら、ありるよ。


 - それは、どういう見解けんかいなのだ。我を誤解している。ナオト -


 誤解も何も、そのままのこと。


 でも、いいよ、そのままで。それが、ルークらしさだろうから。


 - ん。ま。よい。だが、命に係わることなのは、本当だ -


 そうなの。じゃあ、何だっていうの?


 - 体内の魔素総量の減少だ。それも、深刻なレベルになりつつある。体内魔素の枯渇こかつは、魔動物にとって、命に係わる重大事だ -


 え。それこそ、何で? こちらは、何も感じていないよ。


 - この身体は魔動物としての野生のかんにぶっている。そのため、その現象が本能としてとらえられていない。だから、先程伝えた通り、体力、それも、筋力の低下が体内の魔素総量減少の指標しひょうとして、一番、判りやすい -


 わ。そういうこと。


 だけど、ルークはエネルギーの塊みたいなものでしょ。補給をしてくれているんじゃないの。


 - 我は、この身体へ、魔素粒子を効率的に補給する方法を、み出せていない。それができたら、どれだけ良いことか -


 え。簡単には、補給ができないんだ。


 - そう。簡単に補給ができない。残念ながら、意識体いしきたいそなわる魔素粒子まそりゅうし担体たんたいは、実体に備わる担体とは、構成そのものが異なる。ゆえに、この身体に魔素粒子を効率良く補給することができない。この意識体にある魔素粒子が減少しても、生命活動にはなんら支障がないのにな。ただたんに、意識体としての魔法が使えなくなるだけだ。ナオト、君自身もそうだよ-


 ん? あれ。そうすると、こちらも意識体としての魔法が使えるの?


 - もちろんだ。意識体経由だと、かなり楽に使える -


 かなり楽にって、……え? ほんと?


 - 何だ。意識をしていないで使っていたのか。我の意識の表層に入るのも、魔法の一種だ。それも、人間の魔術師の間では、かなり上位の魔法とされている -


 あれ。そうなの。でも、ルークの中にだけ入れるのでしょ。これ。こちらの契約主となった、カークの中には入れなかったよ。


 - それは、不意打ちでしたのだろう? 外部者の意識の表層へ入るのは、相手の合意がなければ、飛躍的に難易度が上がる。従魔契約は双方の合意のもとに締結されている。そのため、主従共に、幾分いくぶんか難易度が下がるが、基本は同じ -


 へえ。そう。じゃあ、カークが合意してくれたら、入れる可能性があるんだ。入れることを、どうやって伝えようかな。


 - その分だと、意識をせずに使用している魔法も多いようだな。意識体によって得意不得意がある。そうだな。ナオトの場合、得意なのは、感知系かもしれない。かなり色々な感覚が鋭敏えいびんになっているようだからね -


 鋭敏な感覚か。どうだろう。


 - どうかな。我は、君と、本当の意味で感覚を共有することができない。だから、それに関しては、何とも答えられない。参考に、例を挙げておこう。よくある気配察知の他に、拡大、望遠、聞き耳、バランス、臭覚識別、味覚識別などだ -


 いくつか、思い当たるふしがある。だけど、味覚識別も魔法なの?


 - そうだよ。だから、我が来た日の君の話は、とても楽しめた。魔素味覚そのものは、魔動物全般に存在するが、そんなに細かく識別をしている訳ではない。そのほとんどが、食料に魔素があるかどうかを知るだけだ。生存上必須だからね -


 魔動物の魔素味覚って、生きるための味覚なの?


 - その通り。魔素粒子は、魔動物にとって生体を構成する、必須栄養素となる。だから、今のこの身体の状態はとても危険だ-


 え。でも、1日中抜かしたのは、今日だけだよ。


 - ようは、減少状態が累積的るいせきてき蓄積ちくせきされている。ナオト、君も知っての通り、この身体は、リザドリスク科ではない。ドラコ―目ドラコ―科だ。いくら、小型化ダウンサイジングした省エネタイプのドラコロイドでも、リザイア目リザドリスク科の食料では、必要魔素量が到底足りない。3食分きっちり食してようやく必要量となる -


 う。そうなの。それはまた。


 - それが事実だ。だから、明日から施設の食は、抜かずに必ず食すること。それと、可能な限り魔素含有量の高いものを食せ -


 うん。そうする。だけど、知っているもので、魔素含有量の高いものって種類がかなり限られているよ。


 - 我が見ている時は、それを教える。見ていない時は、それこそ、魔法を使え。君なら、臭覚識別も楽にできるはずだ。魔素の担体から遊離される、独特な良い香りがしたものは、大抵たいてい、魔素含有量が高いものと思って良い。これからは、意識して魔法を使え。魔法の使い方の訓練になる -


 あ。そうなんだ。じゃあ、そうしてみるよ。


 その後、久しぶりに、ルークとのよもやま話を楽しんだ。


 だけど、いろいろと出てきているのに、あの姫君の話だけは、のらりくらりと、けられてしまった。


 これは、だめみたい。


 うーん。本当のところはどうなのかな。


 気になる。


意識の表層にはいることや、細かい味覚識別は、魔法となるようです。


ーーー

これから投稿間隔が開き気味になりそうです。ついてきて読んでいただけると、とても嬉しいです。


それから、ルークというキャラクタ、作者は好きなのですが、いかがでしょうか。

彼のバックグランドを、結構書いていたりします。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 摂る食べ物によって体力が出なくなるというのは面白いですね! 逆に魔素が多過ぎると体調不良になるとかありそうですね。
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