4-09 ルークのお話
表現の変更と修正をしました。
お待たせしました。
今話の内容は、前話の夜の話になります。
その日の夜。
ベットの上で横になったのはいい。
だけど、食べ過ぎで腹が膨れて眠れない。
いやはや、腹八分目とは、よくいわれるけど、この意味もあるのかな。
そんな感じで、ごろごろと、していたところで。
- やあ。ナオト。いいかい -
あ。ルーク。
何だか、久しぶりだね。その張りある言語化された意思で来るの。
- ん? そうか。そうかもしれない。我は、考えにしばらく時を費やしていたのも確かだ。だが、君のバックアップで、いろいろしたと思う -
うん。そうだね。言葉や文字の意訳をありがとう。大変助かっているよ。
- どういたしまして。だな。ま。それはそれとしてだ。そう。ナオト。君に伝えたいことがある -
うん? また、急に改まって、どうしたの。
- ナオト。今日の施設の晩飯、抜いたな -
えー。わざわざ出てきて、言うことが、それ?
-最近、力がないと思わなかったかい? -
何でまた、ルーク。これは、君の身体なのでしょ。変な冗談はやめて。
- いや、冗談ではない。ナオト。これは、命に係わることだ -
へ。それこそ、冗談でしょ。
確かに、今日の昼に、ご婦人の椅子を押すことができなかったよ。それで、この身体の力なしを実感したんだ。
これを、笑いに来たんじゃないの? ルークの感性だったら、あり得るよ。
- それは、どういう見解なのだ。我を誤解している。ナオト -
誤解も何も、そのままのこと。
でも、いいよ、そのままで。それが、ルークらしさだろうから。
- ん。ま。よい。だが、命に係わることなのは、本当だ -
そうなの。じゃあ、何だっていうの?
- 体内の魔素総量の減少だ。それも、深刻なレベルになりつつある。体内魔素の枯渇は、魔動物にとって、命に係わる重大事だ -
え。それこそ、何で? こちらは、何も感じていないよ。
- この身体は魔動物としての野生の勘が鈍っている。そのため、その現象が本能として捉えられていない。だから、先程伝えた通り、体力、それも、筋力の低下が体内の魔素総量減少の指標として、一番、判りやすい -
わ。そういうこと。
だけど、ルークはエネルギーの塊みたいなものでしょ。補給をしてくれているんじゃないの。
- 我は、この身体へ、魔素粒子を効率的に補給する方法を、編み出せていない。それができたら、どれだけ良いことか -
え。簡単には、補給ができないんだ。
- そう。簡単に補給ができない。残念ながら、意識体に備わる魔素粒子の担体は、実体に備わる担体とは、構成そのものが異なる。故に、この身体に魔素粒子を効率良く補給することができない。この意識体にある魔素粒子が減少しても、生命活動には何ら支障がないのにな。ただ単に、意識体としての魔法が使えなくなるだけだ。ナオト、君自身もそうだよ-
ん? あれ。そうすると、こちらも意識体としての魔法が使えるの?
- もちろんだ。意識体経由だと、かなり楽に使える -
かなり楽にって、……え? ほんと?
- 何だ。意識をしていないで使っていたのか。我の意識の表層に入るのも、魔法の一種だ。それも、人間の魔術師の間では、かなり上位の魔法とされている -
あれ。そうなの。でも、ルークの中にだけ入れるのでしょ。これ。こちらの契約主となった、カークの中には入れなかったよ。
- それは、不意打ちでしたのだろう? 外部者の意識の表層へ入るのは、相手の合意がなければ、飛躍的に難易度が上がる。従魔契約は双方の合意のもとに締結されている。そのため、主従共に、幾分か難易度が下がるが、基本は同じ -
へえ。そう。じゃあ、カークが合意してくれたら、入れる可能性があるんだ。入れることを、どうやって伝えようかな。
- その分だと、意識をせずに使用している魔法も多いようだな。意識体によって得意不得意がある。そうだな。ナオトの場合、得意なのは、感知系かもしれない。かなり色々な感覚が鋭敏になっているようだからね -
鋭敏な感覚か。どうだろう。
- どうかな。我は、君と、本当の意味で感覚を共有することができない。だから、それに関しては、何とも答えられない。参考に、例を挙げておこう。よくある気配察知の他に、拡大、望遠、聞き耳、バランス、臭覚識別、味覚識別などだ -
いくつか、思い当たる節がある。だけど、味覚識別も魔法なの?
- そうだよ。だから、我が来た日の君の話は、とても楽しめた。魔素味覚そのものは、魔動物全般に存在するが、そんなに細かく識別をしている訳ではない。そのほとんどが、食料に魔素があるかどうかを知るだけだ。生存上必須だからね -
魔動物の魔素味覚って、生きるための味覚なの?
- その通り。魔素粒子は、魔動物にとって生体を構成する、必須栄養素となる。だから、今のこの身体の状態はとても危険だ-
え。でも、1日中抜かしたのは、今日だけだよ。
- 要は、減少状態が累積的に蓄積されている。ナオト、君も知っての通り、この身体は、リザドリスク科ではない。ドラコ―目ドラコ―科だ。いくら、小型化した省エネタイプのドラコロイドでも、リザイア目リザドリスク科の食料では、必要魔素量が到底足りない。3食分きっちり食して漸く必要量となる -
う。そうなの。それはまた。
- それが事実だ。だから、明日から施設の食は、抜かずに必ず食すること。それと、可能な限り魔素含有量の高いものを食せ -
うん。そうする。だけど、知っているもので、魔素含有量の高いものって種類がかなり限られているよ。
- 我が見ている時は、それを教える。見ていない時は、それこそ、魔法を使え。君なら、臭覚識別も楽にできるはずだ。魔素の担体から遊離される、独特な良い香りがしたものは、大抵、魔素含有量が高いものと思って良い。これからは、意識して魔法を使え。魔法の使い方の訓練になる -
あ。そうなんだ。じゃあ、そうしてみるよ。
その後、久しぶりに、ルークとのよもやま話を楽しんだ。
だけど、いろいろと出てきているのに、あの姫君の話だけは、のらりくらりと、避けられてしまった。
これは、だめみたい。
うーん。本当のところはどうなのかな。
気になる。
意識の表層にはいることや、細かい味覚識別は、魔法となるようです。
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これから投稿間隔が開き気味になりそうです。ついてきて読んでいただけると、とても嬉しいです。
それから、ルークというキャラクタ、作者は好きなのですが、いかがでしょうか。
彼のバックグランドを、結構書いていたりします。




