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受難
「加藤…!」教室で既に席に着いている加藤に背後から話しかけたが返事はない。
だが俺は構わず続けた。
「文化祭の日は…その…ありがとう」
加藤が半分振り返りこちらを睨んでいる。
「いや、やっぱりごめん…なさい…」
少しムクれているが照れくさそうに、加藤は「心配した」とだけ言ってまた前を向き直して、ヘッドフォンを耳に当てた。そのまましばらく1人の世界に入ってしまった。
放課後、俺は微妙な色の扉をあけて部室に入った。
田口と中村の姿はなく、変わりに奴等の鞄やらジャージが置かれていた。
先に来てトイレにでも行ったのだろう。俺はコンデンサーマイクを準備していつでも演奏出来るようにスタンバッておくことにした。
そこへ掃除当番を終えた加藤がヘッドフォンをつけたまま部室に入って来た。
「よう!加藤!いつでも演奏できるような顔してるな!」
加藤は俺の言葉等気にも留めず、ヘッドフォンからシャカシャカ音漏れをさせている。
どんだけ爆音でメタル聴いてるんだ…。難聴になるぞ。




