焦げてるパンケーキ
「加藤さん3番テーブルご指名でーす!」
少し遠くの方から野太い声が聞こえた。おそらくクラスの男子だ。
「はーい!加藤ちゃん行きまぁす♡」
吃驚するほどのロリ声で加藤は返事をして、指名された3番テーブルへと向かって行った。
加藤…あんな声も出せたんだな。あれはすぐに出来るもんじゃない。ボイトレでもしてるんだろうか。そういえば加藤とカラオケに行った事などなかったような気がする。今度誘ってみるか。
「藤原くん!焦げてる!」
「あ?ほぁあ゛!?焦げてるくぁwせdrftgyふじこlp!」
パンケーキ職人の俺としたことが、考え事をしている間にパンケーキを焦がしてしまうとは、なんたる失態!
「ピンポンパンポーン。これから体育館ステージにて、演し物をする方は体育館横の控え室にてお集りください。」
この声は⁉︎声優志望の甲高い声の放送委員、猫村さんだ。ピンポンパンポーンまで口で言う辺りからして間違いないだろう。ウチの学校のチャイムの音が壊れたとき、毎回猫村さんの声でチャイムが鳴っていた。
「藤原くん!焦げてる!」
「あ?ほぁあ゛!?焦げてるくぁwせdrftgyふじこlp!」
パンケーキ職人の俺としたことが…。
「藤原、そろそろ体育館に行った方が良いかな?」
アナウンスを聞いた加藤ちゃんがやってきた。
「おう、まあでも俺ら最後の方だし焦ることはねぇよ。ステージが始まったら行こうぜ!」
俺は意気揚々と新しいパンケーキをハート形に焼いた。




