中々始まらない学祭
女装せざる負えなくなった細身であろう俺達は適当に着れそうなメイド服を手に取り、渋々試着する事にした。
俺は花柄のボクサーパンツが恥ずかしくコソコソと教室の隅で着替えていた。教室のど真ん中で恥ずかし気も無く着替え、今迄に無い豊かな表情で加藤が「股がスースー!スースー!」と連呼していたのは不思議でならなかった。この間の紫パンツの件もあり、加藤は露出趣味が少なからずあるのでは無いかと憶測した。根暗っぽい渡部も女装をするこっちサイドの人間だったようで、「加藤くん!凄いスースーするね!あ、加藤くん似合ってる~!」等と、頗るテンションが上がってしまったのか楽しそうに会話をしていた。
試着も終え、学祭の準備が整った様子だった。
放課後、かっこいいバンドのメンバーを集めて最終練習をする事にした。
加藤と一緒に部室に向かい着いた頃に「今日のパンツ…派手だったな」と言われてしまい、微妙な色のドアを微妙な心境で開けると顧問の伊藤先生と他のメンバーも既に待って居た。
そして思わず大きな声で言ってしまった。
「あ…!伊藤先生!…安藤先生はズラだったぜ!!」
「ウルセェ!!」
矢張り伊藤先生の声の方が煩く、加藤がその時、耳を塞いでいた事実を伊藤先生以外は知っていた。
その後、伊藤先生にも最終形を披露し「完璧だ!演奏も歌も去年よりずっと綺麗になった!」とイルカっぽく褒められた。
そして愈々明日になってしまった…。




