加藤のパンツ
部室内に響き渡る加藤のかっこいいギターの音色。昼休みに食堂で買ったコーヒー牛乳を飲みながら、俺はそれを聴いていた。先ほどのこともあり、何となく気まずい空気になってしまった。
なんであんな事を聞いてしまったのか…。後悔の念が押し寄せる。
なんでもいいから、この気まずい感じをなんとかしなければ…。取り敢えずなんでもいい。阿呆な事でも言って空気を変えてみるか?否、それで更にこの場の雰囲気が悪くなってしまう可能性もある。加藤に「何言ってんだ此奴」と、冷たい視線を浴びせられでもしたら、今の俺のガラスのハートは砕け散ってしまうだろう。
当たり障りのない事。そうだ、なんでもいい。
「加藤、お前のパンツは何色だ?」
しまった!思ったことがド・ストレートに口から出てしまった!!どこが当たり障りない事だよ!どうしよう…。此のままでは加藤に「何言ってんだ此奴」と冷たい視線を浴びせられるばかりか変態だと思われる!
「な、なんでそんな事訊くんだよ。」
俺が変なことを聞いてしまったばかりに加藤が怒って…いないだと?
そればかりか何故か加藤は顔を赤らめ、制服のズボンのベルトカチャカチャと緩た。そして、するっとそのままズボンを下ろした。
何色だとは訊いたが、まさかパンツを見せてくるとは思いも寄らなかった。驚きつつ唖然に取られていると、加藤は今更意味の無い行為だがパンツを手で隠した。
「きょっ今日は紫だけど…」
小声で最後は聞き取れるか否かくらいの大きさだったが、俺はハッキリそう言ったのを聞き逃さなかった。
「へ、ヘェー紫か。なんか加藤っぽく無いっていうか、加藤は黒とか履いてそうなイメージだったから意外だな。」
ここまでされて何も感想を述べないのも失礼かと思い、取り敢えず思ったことがそのまま口から出た。
「俺が紫だと変か…?」
「いや、変とかじゃ無いよ!全然!寧ろ似合ってるし!」
「そっか…良かった。」
加藤ちゃんお前可愛いな。パンツの色まで似合うかどうかなんて気にしてんのか。




