病み期
半べそをかきながら自室のベッドで死んだなように横たわる。
電気も付けずに薄闇の中、天井をただひたすら見つめた。
この数日間、急激に加藤との距離が縮んだことや、妹の花奈の言動について繰り返し思い出しては考えを馳せていた。
シーンと静まり返る自室で、急に携帯が鳴った。見ると加藤からのチャットだった。
見る気になれないが、一応開いてみた。
明日バイトがあるから、部活には顔を出せない。との内容だった。
加藤。こいつも多忙なヤツだな…。
気がつくと部屋が明るくなっていた。
いつの間にか寝ていたようだ。
ドンドンドン!部屋のドアが勢いよく開いた。
妹の花奈だった。
「お兄ちゃん!遅刻!」
そう叫ぶなり花奈は居間に向かったらしい。
廻らない頭で、お兄ちゃんは遅刻ではないし、日本語としておかしい。正しくは、遅刻するから、お兄ちゃん起きて!だろう。
と考えたところで、急いで学校へ行く支度を始めた。
支度をして居間に向うと、既に妹は家を出たらしく、居なかった。
遅刻はいつもの事だからと、時計を見ると時刻は既に8時半を指していた。
慌てて家を出ても、もう間に合わないのは確実なのでいつものペースを保ったまま学校に向かった。
教室に着くと、既に一時限目が始まっていた。数人が授業を聞いているフリをしながら明らかに寝ている。本格的に机に突っ伏して寝ているにも関わらず、陰の薄さで先生に見つかる事なく寝ている唯一の生徒は加藤だけだった。
しばらく、後ろのドアの窓から観察していたら、先生と目が合ってしまったので仕方なく入る事にした。
然程うるさく言う先生では無かったため、そんなにお咎めをされず、すんなり授業に参加した。
教科書とノートは出してみたものの、授業を受ける気になれず、べっ甲隊の新曲の歌詞を考えていた。
そんな事をしているうちに、授業は終わった。




