帰路
加藤と一緒に下校しながら、他愛の無い会話を楽しんだ。
「加藤は全然教室で誰かと話したりしないよな?って言うか、話す暇も無いか、ずっと寝ているんだからな!改めてだけど同じクラスだし部活も一緒になったし宜しく!」と言って肩を思い切り叩いた。
「いでっ!!肩外れるわ!まぁ…宜しく。俺、一人親だからバイトとか忙しい時もあるかも知れないけど」
加藤の意外なツッコミに驚きつつ、コイツは良い奴だな。と思っていた。昨日の事も責めることも無く…。
ギターは中学の時に亡くなった父に、小さな頃から教わったと言う事を話してくれた。通りで上手な訳だ。
「藤原……だっけ、高校の一、二年生の頃から見かけてた。煩くて寝坊する奴って噂聞いてた。軽音部もずっと入りたかったんだよな」
互いに見かけたが、噂まで聞いていたなんて、況してや軽音部に入りたかったとは…。普段からの加藤の意外さに驚かされるばかりだった。
他にも、次の部活動へ出る日を確認したり、いつラーメン屋に行くか等を決めたりしていた。
家の近くになると、何やら妹らしき人がこちらへ向かってきた。
「あ!!お兄ちゃん!お帰り!お母さんが今日は昼ドラに感化されて、ずっと窓の外見て黄昏てるから、夕飯コンビニ食で良い?」いまいち状況が把握出来ないが、合意する。
「って、あ!凄いイケメンの友達だね!イケメンさん、兄を宜しくお願いします!…うーん、じゃ、行ってきます」加藤もいまいち何をお願いされたのか分かっていない様子だが頷いていた。
「……なんか、お前の家庭面白そうだな」ニヒルな笑みを浮かべて呟く加藤。
「そうでもねぇよ……。じゃあ俺の家、ここだから。加藤の家は?」
「あっち」と上を指差したので面倒臭いな、と思いそのまま家の前で別れる事にした。
家へ帰ると、母親が夕陽に照らされ椅子に座り頬杖を付き黄昏ていた。
面倒臭いな、と思いながらコンビニ食の配達を待った。




