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果てしなくあり得ない、けどあり得る

「臨時休業…?」 

いつものカフェ、薄暮の茶屋の前に来るとその文字が目に入った。

「どういうこった?ここって一桁が1と6のつく日以外は基本やってんだろ?」

「多分、用事があったんだよ」

「ええ、きっとそうよ。」


何か無いかとふと、店の中を覗く、そこには三名の憲兵とこの店の店主がテーブルの上でなにやら地図を広げて話し合いをしていた。


「ねえ皆、僕が思うにこれはやばいやつだよ。」

「俺も同感だ。」

「俺も」

「私もそう思うわ。」

「やっぱりいつもお世話になってることだしさ、可能なら助力すべきだと思うんだ。」

「イージスの初陣っうわけか」

「ああ。そんなところだ。」


ーー「あの…一体何が?」

そう言いながら鍵の開いていたドアを開けるとマスターが泣きつくようにこの状況を説明してきた。なんでも…さらわれたそうだ…アンジェリカさんが…


「どういうことなんだ!?俺たちにできることがあったら何でも言ってくれ!協力する!」 

「それでは、捜索隊に加わってもらえるかな?もともとギルドにも発注するということが、今決まったところですしね、ねえ、ご主人」 

「ああ。」

「それでは、詳しくは私から話そう……」


その憲兵のいうことによると、今朝買い出しに行ったときに帰りが遅いので迎えに行くと、どこにもおらず、たまたま入った路地に靴が片一方落ちていたとのこと。


明らかに誘拐か…誘拐事件ってのは時間との勝負だっていつかニュースでやってたな…


「あの、ひとつ質問があるんですが」

「なんでしょうか?」

「具体的にはどのあたりに靴が落ちていたのでしょうか?」

僕は憲兵に訪ねる、そうすると、憲兵は地図上の一点を指す、ああ、朝市をやっているところか。あそこは人が多い、誰かが見ているかもしれない…


「聞き込みは済ませましたか?」

「いや、まだだが」

「なら、それを優先させましょう、人々の記憶が薄れる前に!」


すでに事件発生から六時間程が経っている、もしかしたら、目撃者さえも、気づかないうちに忘れているかもしれない。いや、待てよ……


「カレン!君のあれは、確か闇を見るんだったよね?それ以外は見れないかい?」

「いえ、見ようと思えば大抵のことは……っ!!あっ!!そういうとこね!!」

「憲兵さん!至急目撃した可能性のある人たちをどこかに集めてください!大至急です!僕たちにはこの事件を解決する術があります!」

「そうか、わかった、とりあえず、目撃した可能性のある人たちは集めよう、しかしどうやって解決するんだい?」

「それはですね……」


ーー「なるほど、そういうことか、では一時間後に港公園に来てくれまえ。」

「わかりました!」


なんとか、なりそうな予感はしてきた。だが気は一瞬たりとも抜けない、未知の敵と戦うときは常に万全の体制を維持しても大抵の場合は勝てないのだから。


「それで、一時間どうするよ?俺たちでも探すか?」

「ああ、ガリル、それがいい俺たちでも証人を探そう」


そういうと僕らは一時間後に落ち合う約束をしていったん分かれた。


ーーーーー「えーとそれでは皆さん、一列に並んでくださーい」 

一時間港公園に集合した僕らは目撃者の可能性がある人たちを一列に並べ、ひたすらカレンが記憶を探る。またカレンの体質が役に立った。


「……次、次、次、あ、まって!ねぇ!この人!見てるわ!」


やった!ついに目撃者を見つけた。


「どんな感じだ?」

「ええと、大男が二人…腕にタトゥーが入ってる…ああ……」

「どうした?カレン!大丈夫か?」


カレンが突然震え出す。そしてその口から聞き慣れた言葉が聞こえる…レガウス…あいつらの名前だ。


「どういうとこだ?レガウスの奴らがやったっていうのかよ?」 

「きっとあれだ、ほかのメンバーがいたんだよ!ねぇ?トオル?」

「ああ、きっとそうだ、あれが全員とは限らないからな。」


やばい、やばい、やばい、奴らのことだ国に対して見せしめに殺すかもしれない。もしかしたら…もう…


「カレン!他に何か見えないか!」

「ええと…ああ、これ以上はなにも見てないようだわ。」

「くそっ!くそっ!カレンは他の人たちも見てみてくれ!」

「ええと!憲兵さん!あいつらは今どこに収監されている?」

「ええと!北の監獄です、ここからだと…馬車で二日はかかります…」 


クソっ!これじゃあアジトも聞き出せねぇ…いや、まてよ!そうだ!この手があった!


「カレンはこのまま目撃者を探してくれ!ガリル!フレッド!手伝ってくれ!案がある!」

「わかったわ。」「応よ!」「任せてくれ!」


「まず、奴らはこの街には居ない可能性が高い、何故ならこの間の爆弾、ぬれていただろ?僕はあの日たまたま早く目が覚めたんだが、雨が降り出し始めたのは奴らが来る三十分くらい前からだ、つまり、奴らは雨が降る前から出発したたため、その対策を怠っていたんだ!それに、宿の立地は比較的街の外側だ。わざわざ街の反対方向からあの宿に来る理由もなかったはずだ!つまり!奴らはこの街の外、少なくとも馬車で三十分以上かかる場所に潜伏している可能性が高い!それにあいつらが船で来た可能性も少ない、腕にそんな、タトゥーを入れている奴らがばれずに過ごせるわけはない!」

「つまり?」

「この街から出た馬車やなんかで二人以上の大男が乗っていた、それに朝方、六時から八時頃にかけて門から出た馬車を探すんだよ!各門の見張りに聞いて!この間の一件で抜け道の類いはなくなったろうからな!憲兵さん!この街に門はいくつある?」

「ええと、八つです。」

「よし、じゃあ、手分けして聞きに行こう!それぞれが担当の箇所を終えたらいったん、ここに集合しよう!」


憲兵五名を含めた僕たち八人はそれぞれの門へと向かった。



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