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僕らの名は……

あれから三日がたった。僕たちは、あの後怒りにまかせひたすらに戦った、カレンに起こされるまで、僕とフレッドは気絶していたという。


そして、再び集まり、依頼を受けるためギルドに来ていた。

過去を引きずっては居られないそうガリルに言われたためだ。実際ガリルも過去に二人の仲間を無くしたらしい。


「あーところで、みんな、ちょっといいかな?チームの名前を考えたんだげど。」

「ああ、そう言えば決めてなかったな。」「ですね。」「一体どんな名前なの?」


「…イージス、意味は…昔、神話上の話なんだけど、大きな活躍をした…盾の名前。それでイージス……。」 


カレンが泣き出す、自身は寝ていたため僕らの口から聞くことでしか知り得なかったが、一番助けてもらったのはカレン自身だったからだ。


「そ…それが…いいと…おもう。」

「俺もそう思うぞ。弔いの意味を込めてな」

「ああ、俺もそれが良い。なんなら盾の形をした。指輪でもつくるか?それなら二、三時間でできるぞ?」

「ぜひ。僕からもたのむよ。」

「ああ、俺からも」

「私も。」


そんなこんなで、クエストを受けることを中断。最も前回のはギルド側の計らいで達成扱いにもらえたらしいが断った。


ーーフレッドの家族が経営する鍛冶場へとやってきた。

「ただいまー」

「あれ?兄ちゃん、しばらくは帰ってこないって言ってのに。」

「気にするな弟よ。」


「てか、フレッド、この距離でなんで、宿屋に?」

「気にするな、トオル。」


非常に気になるが、フレッドの家族に挨拶を済ましたあと、僕たちは鍛冶場の一角に陣取る。

 

「それで、どんなデザインにする?俺は割と手が器用で細かのもいけるぞ?なんか良いアイデアあるかい?」

「普通のたてじゃいかんのか?」

「何言ってんのよ、ガリル、こう言うのはデザインが重要なんでしょ?」

「まあまあ、落ち着いて?」


一時間にも及ぶ討論の結果、アレックスが使っていたものと同型に使用と決着がついた。このために一時間も掛けたことがどこか嘆かわしいが、それはアレックスに対して、ごく短い間であったが大事な仲間であったという思いによるものだ。


「それじゃあ、出来るまでどうする?見てるか?二階には本もあるぜ、トオルはこの世界のこと知りたいって言ってたろ?」

「是非!」


ーーフレッドの弟に案内されて二階へと続く階段を登る、そこには個人経営の小さな古書店くらいの蔵書があった。


「どうぞご自由に読んでください、ああ、何か飲みます?」

「いえ、大丈夫です。」


僕は手近にあったこの世界の神話だろうか、天使のようないや、妖精か?そんなのが表紙に映る比較的薄い本を取る。


ーー結果から言えば得られた内容は二つだ。読むのにかかった三十分と比べると十分だろう。


まず一つ目はこの世界の始まりのこと。最初この世界には妖精で妖精と呼ばれる生物が生まれた。ある妖精は火を司り、ある妖精は水を使い、ある妖精は剣術を、そしてある妖精は万物を操り、思い思いに長い時を過ごしていた。


やがて妖精は神と、そしてこの世界の観測者となった。


それからしばらくして彼らの子供たちは争いを始めた。土地を、富を、女を巡って…そこで彼らは妙案を思いつく、この無秩序の世界に確固たる指導者を置き統一すればようのだと。


その策は功を奏す、人々は神のお告げを聞いた選ばれし人々に従い、そして村々が集まり、小さな国が各地にできた。その中でも強力な国は、今度は平和的に周りを取り込んでいった。

 

それからも幾千の時が過ぎた、彼らの子供たちは再び争いを始めた、同じては聞かないだろう、さあどうしよう、そんな中、上界一の天才が人々に今をも凌駕する力を与えようと提案する。


ある神は火の加護を、ある神は水の加護を、ある神は剣術の加護をを、ある神は操る力の加護をこの世界の住人にランダムで与えよう。つまりは我々の力のほんの一部を与えようということらしい。


彼らは皆賛成する、その日最初に成功したのは五柱の神だけだった、次の日にはまた五柱、そして次の日には七柱の神々が……。途中ちょっとした問題は発生したが、そのおかげで子供たちの結束はより深まった……



第二の収穫は最初の話に比べればちっぽけだが、相対的には考えず、絶対的に考えるとなると話は別だ。


あの本は前半は過去がそして、後半は今のことについて書かれていた。その後半の最後の一ページにそれはあった。


"渡り人" 異世界から来たとされる人のことで歴史上三人の存在を確認しているらしい、さすがに驚いたがそれはまあ、想定の内だ。


何がすごいってのはその三人の存在をうちの一人、最も僕は四人目だが、三人目に来た人の曾孫、それが……この本の著者の一人ということだ。これはいつか会うわなくてばならない…もしかしたら元の世界に帰る術を見つけているかもしれない…


ーー残りの時間で読んだ、カエサル冒険譚ってのは、ただの冒険小説でこの世界の魔物、動物に悪い気が取りついた生物のことを指す、それらうちの何種類かの特性や特徴を知るに終わった。


もう一冊は地図帳だ、このあたりの地理は大体わかった、それにこの世界が地球と同じように球体で宇宙空間にあることも。そしてくるくるとまわっていること。

 

下からフレッドの声が聞こえる、どうも完成したらしい。

僕はその声に導かれるように鍛冶場部分へと階段を降りる、そこには五つの金属製の指輪があった。


「五つ?」

「決まってるじゃない、アレックスの分よ!」


当たり前のようにそう告げるカレン、回りが遮る様子もないのでその通りだろう、しかしこの指輪、盾の部分の装飾も凝っておりこの短時間でこれとはなんとも素晴らしいく感じる。


「それじゃあはめてみて」

「ああ」「おう」「ええ」


僕は右手の人差し指にはめる、特に意味は無かったが一番目立ちそうだからだ。すると少しブカブカに思えていたそれは一瞬でぴったりサイズになる。

「実は、材料にステッキィスライムのかくもいれたんだ。」


ステッキィスライム、粘着質なスライムで他の魔物と比べ無生物からでも生み出される数好かないそれらの内の一つだ、そのスライムの核をいれたということはそれと近しい異質をもつ、つまり、粘着質になるという。


そうフレッドは説明してくれた。


「よし!そんじゃあ!昼飯食って依頼を受けに行くか?」

「ああ」「ええ」「俺も賛成だ。」


年長者のガリルの号令で昼食をとるため町を歩く……しかひ、もし逆方向に歩いていれば、あんな面倒事とには関わらずに済んだだろうに……。


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