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episode11-3『愛』

episode11-3『愛』



[part5]


日本家屋の廊下だ。ソラは息をきらしながら歩いている。純白のクラシカルロリィタのスカートの裾が真っ赤に染まり、廊下の床に浸透する。左足は最初は目を背けるほどだったが、今は歩けるぐらいに再生していた。


木製の廊下と破けた障子……奥には小部屋が点々と存在している。


ソラ「早く、リミさんとフセさんを……」


スマホのライトを照らして黙々と前へ進む。とにかく細い廊下で古い人の写真が飾られ、並んでいる。


ソラはスマホで電話を掛けた。


ソラ『もしもし、null君?』


null『ソラ、現状は?』


ソラ『さっきの部屋から脱出しましたが……今は同じような廊下を歩いています』


null『そう。僕達は今、戦闘中』


ソラ『戦闘中ですか!?ならあとで……』


null『そうだね。あ、リミとフセはこっちにはいないね……ソラの空間にいるかもしれない』


ソラ『探してみます』


連絡を終える。


ソラ「はぁ……」


ソラはため息と同時に心の底で強い決意を誓った。




突き当たりのあるボロボロに塗装が剥がれた木製ドアを開ける。その先も漆黒の闇が続く廊下である。


「フーフフーンフーンフーン♪」


廊下の右側の小部屋から鼻歌が聞こえてくる。


ソラは障子をゆっくりと開ける。


鼻歌の正体は青いドレス、赤いドレスの少女……双子、リミとフセだった。彼女らの腕から血を流している。ソラは何を行っていたか察した。


ソラ「リミさん!フセさん!何やってるんですか!?やめてください!!」


リミ「ソラさん……?」


リミとフセはすぐに服で腕を隠した。


リミ「ちょっと……取り乱してしまいました」


フセ「ち……なんだよ……」


ソラはスマホを取り出すが……。


ソラ「まだ忙しいですよね……」


スマホをしまった。




先頭にソラ、後ろに双子がくっつくように張り付き、探索をする。この廊下は右手と左手側に小部屋がある。一応、障子で仕切られているが紙がボロボロなので奥が見渡せる。


ゴォォォォ!!ガタガタガタッ!


外は嵐なのだろうか……障子が強風で揺れている。


ソラ「リミさん……大丈夫ですか?」


リミは俯き、しばらくしてから答える。


リミ「大丈夫です」


ソラは不安を覚えながら前へ進む。


左右の小部屋は何も無い和室だ。ソラは廊下に戻り、突き当たりの木製ドアを開ける。




ドアの向こうは漆黒の闇。スマホのライトを照らすと木製の廊下が続いている。


ソラ「また……ですか……」


ソラは呆れながら前へ進む。




「仏説摩訶般若波羅蜜多心経

観自在菩薩

行深般若波羅蜜多時

照見五蘊皆空

度一切苦厄」




廊下奥の部屋から男性のお経が聞こえてくる。


ソラは破けた障子越しに部屋を覗く。


……部屋には誰もいない。


リミ「…………」


フセ「なんだ……これは……」


ソラ「……行きましょう」


ゆっくりと前へ進む3人。


左手側の部屋は……()()()()()()()()()()()()()()()()()()


フセは問答無用に赤いナイフを取り出し、障子を突き刺した!!しかし、感触はない。


フセ「…………」


低い声で呟くお経のみが廊下に響き渡る。


ソラ「恐らく、この空間自体の現象ですよ……」


双子達は何事もなかったかのように前へ進む。



突き当たりの木製のドアを開ける。


ドアの先は漆黒の闇。お経はずっと唱えている。


ソラ「これ…………同じ所?」


ソラはずっと違和感を感じていたことが言語化される。お経はずっと唱えている。


ソラはnullに連絡する。


ソラ「null君、今、大丈夫ですか?」


null「平気」


ソラ「ずっと同じ廊下を歩いています。同じ場所を繰り返しているようです」


null「そう」


nullは続ける。


null「進み続けて」


ソラ「……わかりました」


連絡を終える。お経の声が大きくなる。


壁には古い人の写真が並んでいる。昭和か大正あたりだろうか。


ソラは廊下や壁の写真をカメラで撮影。


ソラ「(データを確認)…………」


写真には青いモヤがかかっている。気のせいか輪郭がお墓のように見える。


ソラ「……消しましょう」


データ消去。お経の声は大きくなる。




先へ進むと左手側の小部屋、破けた障子の隙間から遺影と仏壇、そして……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


ソラはシャッターを切ろうとしたが、思いとどまった。フセは障子を開けようとするが……。


フセ「開かない……」


ソラ「行きましょう。行くしかない……です」


3人は先へ進む。


突き当たりの木製のドアを開ける。先は漆黒の闇。嵐は止まない、お経が聞こえてくる。


廊下を進み、右手側の部屋へ入る。


中には何も無い和室。ただ、壁に張り紙が。



『子供達を救済するのです』



お経の声が止まらない。



ソラ「……子供達?」


ソラは違和感を感じてシャッターを切る。


すると……。


()()()()()()()()()()()()()()()()() ()()()()()()()()()


ソラは嫌な予感が走る。


ソラ「儀式って……」


不快な粘着が背後に響き渡る。


ソラは身体がこわばりながら振り返る。




床に横たわっている白い服着た人型のナニカ…………いや、白かった人型……ソレを『双子』が刻んで解体していた。


ソラ「ああ…………!!!」


リミ「…………」


フセ「…………」


双子は穏やかな表情をしている。



ソラ「ダメ……ですよ……?」



人型から地面から赤い液体がみるみる広がっていく。畳も壁も天井も全て赤く染まっていく。


お経の声がよりいっそう低くなり、地鳴りのように唱える。


フセ「これは……アベンドだ」


双子は今もまだソレに夢中だ。


赤い液体はこの空間全てを染めていく。嵐が止まない。お経が聞こえる。


テレレレレ!


nullからの電話。


null「深度2……」


null「……進んで」


プツン。電話が切れる。




ソラ「……大丈夫……大丈夫」


ソラは双子達に声をかける。


ソラ「行きましょう……滞在は危険です」


双子はコクリと頷き、従う。


部屋を出ると……廊下は暗く、赤黒いノイズ塗れの世界に変貌していた。壁にはおびただしい量の御札が貼られている。


左手側の部屋はボロボロの障子越しにお坊さんがお経を唱えている。


ソラ「サヤさんの時と同じ……」


テレレレレ!テレレレレ!テレレレレ!


非通知着信。


ソラは電話に出る。




ソラ「もしもし?」


声「あっ!やっと繋がった!あー!!もう助けてくれよ!?」


男性の声だ。


ソラ「どちら様でしょうか?」


声「さっきまで俺……コンビニにいたのに!ここどこだよ!?なあ?助けてくれよ!!?」


ソラ「…………あの?あなたは人間……ですか?」


プツン。


電話が切れる。




ソラは赤黒い廊下を進んでいく。お経の声が精神を蝕む。突き当たりに御札が貼られたドアを開ける。


先は漆黒の闇……それと血のように赤い廊下。


テレレレレ!テレレレレ!


ソラは電話に出る。


声「ごめん!通信悪くって!あのさ!今、大変なんだ!!俺が……俺だらけで!!これ!なんなんだよ!!?助けてくれよ!!頼むから!!」


ソラ「どこに……いますか?」


声「俺、ずっとずっと苦しくて……寒くて!!なんなんだよぉ!!もう!!」


ソラ「あの……」


プツン。電話が切れる。




ソラは先へ進もうとするが……。


テレレレレ!テレレレレ!


ソラは電話に出る。


声「今からそっちに行くよ!大丈夫!俺が守ってやるから!」


ソラ「…………」


ソラは電話を切った。




ソラは右手側の破けた障子の隙間を覗く。


今まで存在していなかった血塗れのような雛壇と日本人形が並べられている。


ソラ「もう、見ちゃいけないような……」


彼女は自分に言い聞かせるがリミが障子に手をかけた。


やもえず、人形が並べられた部屋に入る。


日本人形は様々で目を抉られたり、首がなかったり、異様に髪が長い個体もいた。廊下からうめき声のようなお経が止まらない。


ソラ「…………」


人形達からの視線を浴びるソラ。異様すぎる空間から早く離れたい一方だった。


ソラ「リミさん、フセさん……行きましょうよ……」


フセは日本人形を鷲掴み、首を折った。人形の中から赤い液体が溢れてくる。


フセ「奇妙だ……どこか既視感が……」


リミ「なんでしょうね……」


そう言うと双子は廊下に出る。




左手側の小部屋は……赤黒い錆が全体に広がっており、床は白や緑色の粉が吹いている。カビだろうか……そして座布団の上に法衣を着たお坊さんがずっとお経を唱えている。仏壇には大量のロウソクと御札が貼られて、遺影は……笑っている人々達……。


フセは再び障子に触れるがビクともしない。お坊さんはずっと後ろ姿だ。


フセ「なんで……なんで……だ?」


ソラはもう左手側の部屋を通り過ぎて突き当たりの御札が貼られた木製のドアを開ける。


「救いなさい……」


ソラ「え?」



後ろから声がかかる。お坊さんの声だった。




しかし、すぐにお経を唱え始める。


ドアを開けた先は……。


写真が剥げていて人の判別すらつかない遺影の写真が天井、壁、床一面貼られている。廊下は赤黒い血と黄色い膿に塗れて極彩色だ。お経は低い叫びのように唱えてソラを狂わせる。


地面には日本人形の部品がバラバラに転がっている。特に人形の眼球が周囲にばら撒かれている。


テレレレレ!テレレレレ!


nullからの電話。


null「進んで」


プツン。電話が切れる。




右手側の日本人形部屋は全ての人形が小さな杭で身体を貫かれていた。身体が壊れても無表情な人形達。目からは血涙を流している。




リミ「ソラさんは綺麗な物が赤く染まる瞬間……どう思いますか?」




ソラは困惑する。


ソラ「こ、怖いですよ……」


リミ「そうですか……やっぱり……そうですか……」


リミは意味深な発言をして、再び歩き始める。バラバラになった人形を踏みつぶしながら。


辺り一面、血と膿に塗れている。お経は止まらない。


フセはリミの隣に寄り添って歩いている。


フセ「リミ……必ず……守る……」


突き当たりの赤錆びているドアを開ける。ドアは悲鳴を上げながら開いた。先は漆黒の闇……そして血と膿に塗れた廊下……もはや所々、廊下の床が陥没している。


ソラ「…………」


右手側の部屋は雛壇と日本人形……そして錆びた鉄製の椅子が2つ……置かれている。鉄製の椅子には電気系統の配線が散らばっている。


リミとフセはその椅子に座る。ソラは双子達を観察する。


異変が起きた。突如、リミとフセが大声で泣き叫び始めたのだ……。


リミ「いたい……いたいっ……いたいっ!!!あああっーー!!!ごめんなさい!ごめんなさい!!!ゆるして……!ゆるして!お母様……!」


フセ「いたい……!いたい……!いたい……!」


ソラ「お母様……?」


ソラはあまりの光景に困惑し、双子をなだめる。


ソラ「大丈夫です……大丈夫ですよ……?大丈夫……ですから……!」


ソラはもうわけがわからなくなっていた。


唸るようなお経の声が部屋に響き渡る。


リミ「……ふふふ!……あははは!」


フセ「…………あはは」 


双子は苦痛から喜びの表情に変化する。


ソラ「ダメです!!行きましょう!!」


ソラは双子達の手を取り、無理矢理部屋を出る。


突き当たりの赤錆びているドアを開ける。ドアが悲鳴を上げる。




ドアの先は漆黒の闇……そして血と膿に塗れた廊下と……大量の黒い髪の毛が壁や床に絡んで落ちている。お経は止まらない。


リミとフセは人形のように大人しい。


ソラは……足を止めた。


ソラ「変……ですよ……どうして……ずっと……同じ所を……?」


ソラはnullに電話を掛けるが……繋がらない……が。


テレレレレ!!


nullから。


null「進んで」


ソラ「null君?」


null「進んで」


ソラ「……ダメです」


null「進まないと助からない」


ソラ「……どうして?」 


null「…………」


沈黙が続く。お経はずっと聞こえる。


null「……ロジカルじゃない」


ソラ「…………」


ソラ「思ったんです……null君……いや、多分ですけど……」


null「多分?」


ソラは勇気を振り絞って伝える。




ソラ「n()u()l()l()()()()()()()()()()()()()




null「…………」


ソラ「あなたはだれ……」


プツン。


電話は切れた。




ソラはスマホを見つめる。リミとフセは黙ったまま。


ソラ「……このままじゃ……みんな……」


ソラは人形のように意思がなくなったリミとフセを連れて…………廊下を『引き返した』。


反対側のドアを開ける。







ドアの先は漆黒の闇、そして廊下。


しかし、廊下は血で汚れていない。木製の床、手入れのされた小部屋だけがそこにあった。


ソラ「……こっちだよ……」


右手側の小部屋には雛壇と日本人形、ホコリ1つもないぐらい綺麗な部屋だ……左手側の小部屋は仏壇の部屋。遺影は子供達が写っている


ソラは更に廊下を進む。リミとフセもついてくる。


テレレレレ!テレレレレ!


ソラは電話に出る。


ソラ「もしもし?」


null「あーやっと繋がった。こっちはウミと共に敵を片付けたよ。それで君の場所を特定できた」


ソラ「特定?」


null「君はアベンドの固有空間に囚われていたよ。その様子だと支配から抜けたっぽいけど……」


ソラ「アベンド?どんなアベンドですか?」


null「んまーアレ。日本の湿っぽい所の具現化かな?」


ソラ「……そうだったん……ですか」


ソラは妙な納得感があった。


ソラ「あの?」


null「どうしたの?」


ソラ「さっき、null君が私に対して『進んで?』と言っていた話ですが?」


null「え?言ったっけ?多分それ、僕じゃないよ?」


ソラ「……やっぱり……ですか」


null「むしろ支配化から離れたほうがいいタイプだよ?今回は……。まあ、自力で解決してくれたならこっちも合流できそう」


するとスマホからウミの声が……。


ウミ「(小さい声で)ごちゃごちゃ言ってねーでよ〜?……リミとフセはどうなったんだ!?」


ソラ「あ、います」


null「よかった。あー今、DDを解析してる。また連絡するよ」


ソラ「うん。頼みます」


nullは電話を切った。




リミとフセはソラを見つめる。


ソラ「大丈夫……ですか?」


リミ「……大丈夫……です。先程はすみません」


リミが頭を下げる。フセも下げた。


フセ「変なことを……した」


不思議と2人は穏やかだ。


ソラは違和感を覚えつつホッとした。


ソラ「みんなと……null君達と合流しましょう」


リミ&フセ「…………」


双子は答えない。お互いが見つめ合っている。どこか寂しそうな表情だ。


ソラ達は綺麗に手入れをされた廊下を渡り、突き当たりのドアを開ける。




[part6]


光が差し込んだ。夕日の光だ。


ソラ「ここは……」


一面広がるのは白く美しい花畑と夕日。風で花達やソラ、リミ、フセのドレスがなびいている。


ソラ「ようやくですね……早く合流を……」


リミとフセはソラを無視して花畑を手を繋いで歩いて行く。


ソラ「リミさん?、フセさん?」



リミ「ソラさんはこちらに来ては……いけません」



彼女は何かに気づいたのかソラに忠告する。


ソラ「リミさん……?」


テレレレレ!テレレレレ!


nullからの電話だ。


null「ソラ……彼女達から離れて……すぐに」


ソラ「え!?」


null「すぐに離れて……この双子……」


null「……現世では人を殺している。何人も……両親も……」




ソラはスマホを落とした。スマホは花畑を歪ませた。




null「ソラ……?とりあえず、すぐにそっちに向かう」


プツン。




ソラは双子は漠然と見つめる。双子はこちらを見つめている。


ソラ「……あ…………」


何も言葉が浮かび上がらない。ソラの感情には怒りや憎しみではなく、どうして?という悲しみの感情のみだけだった。


夕日の中、風によって白い花が咲き誇り、散っていく様が美しい。その中心に双子がいる。




リミが口を開いた。


リミ「思い出しました……」


フセ「…………」


簡潔な言葉のみを告げる。


ソラは頭の中がぐちゃぐちゃになっていた。自分より年下の幼い子供が殺人鬼……。


フセは口を開く。


フセ「……支配……洗脳……快楽……もう、戻れない」


双子はソラから背を向けて奥へ進んでいく。


ソラ「ダメ……です……!行っちゃ……!!」


そう叫ぶも身体が動かない。思考と行動が噛み合ってなかった。


双子は花畑に埋もれていく。



リミ「リミ(一人称)は幸せです。だってフセがいるから」


フセ「……当たり前だ」




双子は視認できなくなるぐらい遠ざかってしまった。


ソラ「ダメッ!ダメッ……!」


花びらが風で散っていく。風の音が心地よい。


静寂がずっと続く。




しかし、ソラはしばらくの間の停滞を破った。そして急いで双子達の元へ。


ソラ「リミさん!フセさん!!」 


無心に花畑を踏みながら双子を探す。




双子は見つかった。





骸になった姿で。






ソラ「…………」


リミの青いドレスとフセの赤いドレスは全身が真っ赤に染まっていた。彼女達の手にはナイフが……。

花畑は白い花から赤い花へと変貌している。そして双子は微笑んで……事切れている。


ソラはゆっくりと近づき、双子の頭を撫でた。


クリームシチューとチョコレートケーキを無心に食べていた双子の記憶がよぎる。


ソラ「……ごめんなさい」 


双子が罪人である以上に彼女らを助けられなかったことを謝罪するソラ。




ウミ「ソラ!!」


ウミとnullの姿。


ウミは双子を見て……俯く。


ウミ「……!くそ……!こいつらはちげぇんだ……悪くない……!」


null「(双子を見て)…………ソラ、彼女らのDDが手に入ったんだ。これを見て」





DD

『アルバム』

有害型、画像ファイル

・リミとフセ、両親を含む家族写真。双子は『オッドアイ』ではない。

・電気椅子に座る、リミとフセの写真

・儀式の部屋で血塗れになって泣いているリミの写真。手には鉈を持っている

・20枚ほどの人写真。どれもバツ印がついている

・無表情のリミのフセが抱き合っている写真。双子の瞳が『オッドアイ』になっている。写真の右下に文字。

『1つになれた』

・リミとフセ、両親を含む家族写真。最初の写真と同じだが、両親の顔が黒塗りをされている





ソラ「…………」


ウミ「……こいつらを殺人鬼にしたてたのは親や一族だよ!こいつらは……悪くねぇよ」


null「……ダメだよ。彼女らは一線を超えてる……人を殺しすぎている……」


ウミ「わかってる……だから……こうなることだって……でも少しでも……!」


nullは首を横に振る。


null「もう、ロストする……」


すると双子は砂のように身体が崩れて風に流されてしまった。




ソラ「また……ダメ……だった。助けられなかった……」


ソラは漠然と立っている。その隣にnullが近づく。


null「君は彼女らをここまで導いた。だから助けたかどうかはわからないけど……役割は果たしたと思うよ」


ソラは押し黙る。ウミが慰める。


ウミ「よくやったよ……お前は」




その言葉でソラは……顔がくしゃくしゃになるほど涙が溢れ始めた。



ソラ「ごめん……なさい……!!ごめん……な……さい……!!」




花畑地帯の奥に大きなドア。


nullがそれを開ける。


辿り着いたのは廃村エリアにあった大きな日本家屋の内部。3人は無言で歩いて行く。


やがて玄関を開けると正門へ……その正門は御札がびっしり貼られた例の正門。


null「ここ、リミとフセの家だね……お金持ちだね……」


3人は廃村を後にした。






episode11

END


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