episode11-2『愛』
episode11-2『愛』
[part4]
ウミ「おいおい……」
喫茶店メンバー達もリミ達の後を追う。
通路は再び狭くなり、どんどん下っていく。しかし、リミは構わず奥へと進んでいく。
リミ「生贄……儀式……解体……」
ぶつぶつと呟きながら歩くリミ。リミの感情を共有して無言でリミの隣を歩くフセ。
ソラ「リミさん……フセさん……待ってください!」
ソラは急ぎ足で双子を追いかける。双子が闇に消えそうになるその時、立ちくらみが発生。
ソラ「う……」
すぐに収まるが目の前に双子は居なかった。だが通路の先にはしゃがんで入るタイプの襖を見つけた。
ソラ「この中に……」
ソラは襖を開けて中に侵入。辺り一面漆黒の闇……だが微かに見えるのは大きな襖。
ソラ「押し入れ……和式の……」
ソラ「null君ライトお願いします!」
nullの返答はない。
ソラ「null君?」
ソラは振り返るが……nullがいない……いや、それどころか誰もいない。
ソラ「みんな……は?」
返答は静寂のみだった。
ソラ「ライトない……」
ソラは呼吸が荒くなる。ライトとがないということは暗闇から『何か』見えてしまうのだ。
ソラは深呼吸をする。
ソラ「大丈夫、大丈夫、大丈夫……大丈夫」
ザーザーザーザー。
押し入れから聞こえるノイズの音。そして音声。
『今日の天気予報です……今日は1日中、快晴となるでしょう。明日は下り坂となり、雷を伴った雷雨となるでしょう……』
ソラ「なに……」
ソラは恐る恐る襖を開けた。目に入ったのは遠くに光るブラウン管のテレビ。それ以外は闇に包まれている。
ソラ「暗闇、見ちゃダメ……明るい所だけ……」
ゆっくりと畳を踏みながら移動する。徐々に暗闇にも慣れていき、居間らしきものが見えた。こたつ、扇風機、掛け軸、床の間、仏壇……こたつの上には賞味期限の切れたお菓子。
しかし、周囲からの視線がソラの心を蝕む。
ソラ「誰もいない……たぶん……大丈夫」
ブイーン!ブイーン!ブイーン!
突如スマホから不快な警告音が鳴り響く。ソラはすぐにスマホを取り出し、画面を確認。
『隴ヲ蜻奇シ∵ア壽沒縲∫「コ隱搾シ√◆縺�縺。縺ォ螻句�縺ォ驕ソ髮」縺励※縺上□縺輔>�∫ェ薙r髢峨a縺ヲ縺上□縺輔>�√き繝シ繝�Φ繧帝哩繧√※縺上□縺輔>�∝ュ蝉セ帙�螢ー繧堤┌隕悶@縺ヲ縺上□縺輔>�∵惻縺ョ荳九↓髫�繧後
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ソラは悲鳴すら上げず、言葉を失う。
ソラ「なに……これ……」
ザーザーザーザー!!
ブラウン管のテレビは画面全体が砂嵐になっている。しばらくするとテレビから音声が。
『にげて!!』
『にげて!!!』
甲高く叫ぶ女性の声、赤子の泣き声、男性のうめき声……。
『にげてもむだ!!!』
砂嵐の中央に表示される赤い文字のテロップ。
白黒の砂嵐が度々赤い色になる。
テレレレレ!テレレレレ!テレレレレ!
ソラ「スマホから電話!?」
スマホ画面は非通知からの電話……ソラは拒否をタップするが、反応しない。
テレレレレ!!テレレレレ!!テレレレレ!!
けたたましく鳴り響く着信音。
ソラ「嫌だ……!」
ソラはスマホをしまう。テレビの砂嵐とテロップは続いている。
ソラ「ここから出ないと!!」
すぐに居間から離れて廊下、玄関にたどり着く。玄関のドアノブを回す……しかし、ドアは動かない。
ソラ「なんで!」
ソラは絶望感に浸る。今は論理的なリーダーも軽口を叩く少年もいない。ただの引きこもりの少女だけ……。
窓も調べるがびくともしない。暗闇の中、様々な部屋を出入りする。
ソラ「ダメです……よ?私、暗闇は危険だって……」
ふと洗面台にある鏡を覗く……が、すぐに目を逸らして居間に戻った。
ブラウン管のテレビの砂嵐が美しい山々の映像に変わっていた。テレビ音声から低音の『君が代』が流れ始める。
『……日本は……ただいまをもって……◯◯を迎えました……長い歴史に◯◯◯されました……日本◯◯に最後の◯◯◯の◯◯をお送りします。本日の放送◯◯◯◯◯をお送りします』
ソラ「え……」
『日本は……◯◯◯◯◯◯に置いても……◯◯が◯◯に陥った為、◯◯を◯◯◯◯……致します……◯◯、ありがとうございました……日◯◯◯◯終焉を◯◯◯◯……日本の◯そのものまでは◯◯されません……』
ソラ『…………』
『◯◯の◯光、そして◯◯への◯◯は決して失われません……
◯◯の皆さん、◯こそ◯◯をしてください』
『落ち着いて……◯◯って◯◯◯◯』
画面は白黒映像になり、無数の人々がこちらに向かって手を振っている。みんな幸せそうな表情だ。
ソラは目元から涙が止まらなかった。
ソラ「……わかんないよ……どうして……どうすれば……いいの?」
『落ち着いて……』
ソラの頭の中にこびりつくこの言葉。
ソラ「落ち着いて…………」
ふとこたつの上に置かれたハサミ……。
ソラ「落ち着いて……楽に…………」
ソラはハサミを掴み、震えながら握る。
『学校行かなくていいから!』
女性の声。
『勉強もしなくていいから!』
『(私達が買った)服もカメラも……気にしなくていいから!!』
『お願い!ソラ!それだけは……やめて……!!』
泣きながら説得する女性の声。
ソラはハサミを落とす。この声は知っている。
ソラ「…………お母さん……!」
もちろん、この声はソラにしか聞こえない。これは過去の記憶……。
テレレレレ!テレレレレ!テレレレレ!
再びスマホから着信音が。番号は『0』。
ソラは少し思考し電話に出た。
ソラ『……誰?』
声『ソラ?……ああ、やっと繋がった』
ソラ『……null君?』
null『そ。さっき儀式の部屋にいたんだけど……ソラとリミ、フセが突然消えて……ずっと電話してた』
ソラは少しだけ冷静さを取り戻す。
null『今、ウミとベラベラ喋ってるけど……そっちはどんな感じ?』
ソラ『部屋に閉じ込められてます……!テレビからよくわからない放送が……でも電話が繋がってよかった!』
null『あれ?リミとフセは?いないの?』
ソラ『すみません。こっちは1人です』
null『まぁいいや……とりあえず出られないなら手当たり次第、撮影したら?』
ソラ『撮影……?』
null『カメラカメラ』
ソラ『あ!!』
ソラは今、気づく。自分はカメラを所持していることを。
ソラ『でも、迂闊に暗闇を撮影したら……』
null『出られないんでしょ?そしたら多少我慢してでも事象を改変させないと……』
nullらしい回答がソラの心に響いた。
null『あと、そもそもスマホにライト機能あるし』
ソラ『……そうでした』
null『諦めないでね……再生はするんだから』
すると電話は切れた。
ソラは深呼吸をしてカメラを構え、ファインダーを覗く。ファインダーからは特に異変はない。しかし……。
ソラ「う……!」
左の足首を掴まれたような気がした。ソラは振り向くか悩んだが脱出を優先させる。
ソラ「はぁ……はぁ」
足を引きずるように玄関に向かう。ずっと掴まれている感覚なのだ。玄関でカメラを構えてシャッターを切る。
カシャ。
玄関のドアが歪んだ気がする。それと同時に強く足首を鷲掴みにされる!
ソラ「離して!!」
無理矢理ドアノブをひねり、ドアをこじ開ける。ドアは開いたがあまりにも強い力で足を拘束される!!
ソラ「ううっ!ううう!!!」
痛みはほぼない……だが左足首にメリメリと嫌な音と生温かい感触がソラに伝わる。
ソラ「やめて!!やめてください!!」
想像したくない音が左足から響く。ソラは覚悟を決めて……勢いよく飛び出した!!
鈍痛と生温かい感触を身体の芯まで味わった。
episode11-3に続く




