↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/33

勇者召喚と慈愛の魔王

遅くなりました!

尚、今回は主人公視点ではありません


幾千万の中ある世界の中の一つである

とある異世界『デライズ』


そこに人間からしてみれば世界に巣食う魔族の王である魔王と4人の幹部が存在し、人間を滅ぼして世界を滅亡させる……と思われている





〜時を遡る事、約一年前〜



「魔王様、ご報告がございます。発言の許可をお願いします!」


浅黒い肌に2mはくだらない体躯、黒髪を携えて

人間体で進言する幹部『ジェロイド』は人間から情報を集めてそれを提供するという幹部でありながら斥候部隊の一人でもあった。

最もその圧倒的な力により、持ち帰る情報はどれも秘匿情報だったりなど優秀な人材であり重宝されていた。


その彼が取り乱しながら報告をするのはこの800年で初めて見た。その為だけに他の幹部にも緊迫感が漂う。


「………あぁ、言ってみろ」


ただ、魔王のみはのんびりとした様子で何時ものように発言を促す


「有難き幸せ!感謝します!」

そう一言告げて、こう言った



「人間界にあるガリア王国によって勇者召喚が行われました!数は5人でそれぞれ男3人女2人、どれも年齢的には若い様です」


「何⁉︎勇者召喚だと?我々を殺す為に異界から手を借りるか、卑怯者が!!!」


幹部の中でも戦闘狂で破壊の悪魔と呼ばれる

『ベリアル』は勇者召喚を卑怯と罵り



「勇者……ですか、それは少々厄介ですね。

今の内にガリア王国を滅ぼした方が良いかもしれませんね」


幹部の中で戦略や戦術を練り上げるのに長けた

名将、副魔王とも呼ばれている『アモン』


「………はぁ、面倒だな」


何時もため息ばかりで、仕事を嫌がって全部部下に押し付ける、堕落の悪魔と呼ばれる(実は少し気に入ってる)『ルシファー』



いずれも、『勇者』といった存在に難色を示している。せっかく()()()()()()()なのだ。

そう簡単に脅かされては溜まったものではない

その為に以下に勇者を排除するかの会議に移行しようとするが



「不要だ」


静かに、だがやけにその声は響いた

ジェロイドがもたらした情報に眉ひとつ動かさずに静観していた魔王がそう告げた


「な⁉︎し、しかし…「2度目の言葉が必要か?」

……いえ、申し訳ありません」


アモンが言い募ろうとするが、それを魔王は許さない。仕方なく言葉を収めて謝罪した


「解散だ、勇者に対しての対処は必要ない」



その言葉を皮切りに部屋を出る幹部の4名

アモンのみは不服そうな表情だが、アレから一言を喋らずに出ていった






「………良いのですか?」


ふと、幹部が消えたのを確認した後に魔王の側に控えていた小柄な女性の魔族が口を開く

彼女は魔王の側近にして、幹部と同じ力を持つ

『アスタロト』で魔王が心を許している勇逸の存在でもある


「無論だな、そもそも勇者なら既に此方側にいる。なんの問題もない」


先程の重圧ある喋り方から打って変わり軽い口調で返す。魔王の様に威厳ある言葉使いではなく友人と雑談でもしている雰囲気である



「……しかし、相手は選ばれた勇者です。このまま放置するのは問題ではないのですか?」


先の説明では納得がいかないらしく、再び問い掛ける。側から見れば不敬も甚だしき行為だ


「……おいおい、アスタロト。さっきの報告に上がった()()()()()()()()()()()()()()()だろう?

アレは多少他の人よりか強くはなるかもしれないが基本的に魔族には勝てないさ」


それでも魔王は軽く呆れた様な顔をしてさっきの幹部4名が聞いたらパニックになりそうな事をさらっと口に出した



「…………へ?は?た、ただの人間?でも、異世界から招かれてはいるんですよね?な、何故勇者じゃないんですか⁉︎」


例に漏れず若干パニックになって口調すら危うくなっているアスタロトを宥めながら、頭の中では

実は少し勇者に対して警戒の体制で思考していた


(勇者はそれだけで人の身に余る力を有する。それを対して触媒を使わずにしかも5人も呼べる訳がない。そんな事をすれば国一つでは足りない)


頭の中では理解している。理由もこれだけではなく、もっと()()()()()()も存在する


だが、警戒するのはその本人の力ではなく未知の知識によるものだった。

もし、人間を超強化する方法を知っていたら

もし、対応不可能な兵器を作成されたら

もし、魔族に有効な術式を張る事が出来たら


この世で最も恐ろしいのは勇者でも聖剣でもない

未知だ。未知こそが予測不可能であるため

魔王と言えども看過出来ない存在だ


それでも、放置を言い渡したのは人間とこれ以上

仲を拗らせない為である。


自分が『魔王』となる事で魔界の乱戦は終わりを告げて、無差別に同胞が死ぬ事は殆どなくなり

平和が訪れた



(これ以上、溝を深める事は無い)



魔王は、人間を滅ぼすつもりは微塵もない

彼が望むのは幼き頃から何も変わらない

弱きものが安心して暮らせる世界

強きものが誰かの助けになる世界



彼はある意味では人間よりも慈悲深く、臣下を大切に扱う。『慈愛の魔王』であった









気に入って頂ければ、ブックマークやポイント評価をしていただけると今後の励みになります!

感想もお待ちしていますので、疑問点や要望ががありましたらお答えする予定です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。