何故か滅んでた
俺は閉鎖空間の中で途方にくれる事になって早5分、とりあえず色々な方法を教えていた。
MPなんて項目がある以上魔力というものが存在するのは明白な事実。
多分魔力が切れて動かないのだろうし、よくよく考えてみたらこの空間が暗い事自体がおかしな話だ。
俺の記憶が正しければ、この中央にある魔法陣は青白く光り輝いていたはず。だが、その輝きは失われている
恐らく魔力を使い切って光らなくなったんだろうが魔力を失った理由は……知らん。
「魔力……ねぇ」
そもそも魔力の込め方なんて習った覚えが無い
しかし、やるしか道は残されていない。
もう一度、紋章に手を当てて意識を集中させる
自分の能力を見た時の経験を生かして、自分の中にある血を流し込む様なイメージを作る。
体の中から、微力な何かが抜けていく感覚と共に紋章に青白い光が灯る……成功だ。
既に前途多難な気がしてならないが、そうは言ってれない。奴が居る可能性は大いにあるのだから
「転移した直後に、殺されなきゃいいがな」
そう呟いて、今度こそ転移する。
控えめな音と共に姿が搔き消える、その場には再び静寂が訪れるのであった。
………何か変な感覚だな、自分の視界が突如切り替わるなんて。
それが転移に対する俺の素直な感想である。
何故そんな呑気な事を思っているかと言うと
答えは簡単で奴は居なかった。というか魔物も辺りには居ないようだ。
「……しかし、この格好は少しヤバいな」
ダンジョンに設置されているランプの光を受けて今の自分の身なりを正確に確認する事が出来る様になったのだが、控えめに言って酷い。
髪は土砂でボサボサ、服は奴の攻撃に晒されて袖が大きく裂けている、腕には傷の跡が残っている。
完治こそしているが(その時点でもうおかしいが)自然治癒だったらしく皮膚の色がその部分だけ違うし違和感しかない。
疲れてるせいか、さっきから歩きにくい。さっさとこんな所出て保護してもらうか
あんな屑どもを頼るのは業腹だが状況がアレなので今は妥協するしかない。
……後で地獄は見せてやるがな。
ーーーーーーと思っていた時期が俺にもあった
何故かモンスターに一度も遭遇せずに無事脱出した俺が最初に見たものは瓦礫の山だった。
比喩でも何でもない、初心者向けダンジョンのお陰で栄えていた村が文字通り崩壊した姿だ。
「…………」
言葉すら出ない、いや出せない。
その理由は至極簡単で何で誰もいない?
此処はこの国にとっても重要な所の筈、崩壊したなら速やかに調査が行われると思う。
だが、その痕跡すら見られない。
その時点で何かが狂っている事がひしひしと伝わってくる。
「………さて」
俺の目論見は一瞬で崩壊したわけだがこれからどうするかな?
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