はじめの目的地とかそんなことは割とどうでもよくて超豪運
初めてのジョイント音と振動に身を揺られ、早1時間。
よ!う!や!く!!
第一の目的地、オ・イニツィオ中央駅に
「やったー!!到着!!!」
ってなわけで、憧れの旅の第一歩を大〜〜〜きく踏み出した。
さて私、ネイチャー。駅前に出てみた。
振り返ってようやく駅の全貌を目にする。
すごくきれいだった。外壁はレンガっぽい。
あたりを見渡してみても似たような色の、違う建物が立ち並んでいて。
その周囲は人や店で賑わっている。
人だけじゃなく、家電もいる。
「ん…?」
なにか突っかかるものを覚え、それとほとんど同時に思い出す。
大きなファン、長いコード、どこか可愛い雰囲気。
「レンちゃん…?!」
間違いない、かつてあの家に居た私の大親友、ずっと会いたかった大親友だ!!
「レンちゃ〜〜〜ん!!!!」
初めて来た駅の駅前で出すにはあまりに大きな声量で呼んだ。
すると向こうはキョロキョロと、自身を呼んだ声の音源を探す。
目が合う。一瞬固まった後、ぱあっと大きく口を開いた笑顔に切り替わる。
拙い足取りながら駆け寄った!
「ネイちゃん!!??」
「久しぶり!」
「え〜久しぶり!!」
「今私旅してるんだ!
…って言ってもついさっき始めたばっかりだけど」
「あ、そうなんだ!あたしはこの街に住んでる!」
「へー!」
そういえば。私はこれから一人で家出をしていく予定だったが…
ぼっちは嫌だな。一緒に行きたいけど…
「ねえ、よかったら一緒に行かない?」
ダメ元で聞いてみた。
「いいよ!あたし暇だし!」
「!?」
えそんなあっさり?
「…ってかなんで旅を?」
「あはは〜…ちょっとね」
詳しいことは後で話すとしよう。
元はといえばこのオ・イニツィオの町を楽しみたいんだから。
「そういうのはもっと夜とか落ち着ける時に話そうよ〜」
「そうしますかね〜
あたしも会えてない間のこととか話すの時間かかるし」
「とりあえず案内してよ、どっか楽しそうなところ!」
「いいよ〜、じゃあしゅっぱーつ!」
こうして私の家出に、新たなメンバーが加わることとなった。
近況の話に花を咲かせつつ、迷いなく街を突き進むレンちゃんについていく。
この街の家電なんだなと思う。
そろそろネタも尽きかけてきた頃、
「到着〜!」
「お〜!…ここは?」
「ここは巨大レンガ遺跡群だよ!結構有名!」
「へーすごいなぁ…
あそこにもなんかあるよ?」
「あれはスマホ工房だね!色んな体験とかが出来るよ」
「スマホ作りたい人いんの?」
「いるからあるんじゃない?めっちゃ難しいらしいけど」
「だろうね、精密機器なんだから
あれはなに?」
「時計塔!デカすぎてどこからでも見える。」
「なんかテーマパークみたいだね!」
「どれやる?体験系ならいっぱいあるけど…」
「うーーーーん…じゃあスマホにするか…」
「あ、え?マジ?」
「うん」
「じゃあやろうか!」
そんなわけで、私達はスマホ工場の体験をすることに。
「「こんにちは!」」
「体験のお客様?」
「「はい!」」
「じゃあ早速やってみよう!」
「やった~!」
「まずこの鍋に砂糖を大さじ2、同じ量のみりん、醤油を大さじ3を加える。」
「よしやるぞー!」
「あたしスマホ作りに来てこれすんの?」
「でそこにトマトとケチャップを入れれば、ソースは完成です」
「やったー!」
「スマホ作りでソース?」
「そしたらこのお米に塗りつけてもらって、あそこの薪窯に入れてみましょう!」
「はーい!」
「待ってネイちゃんなんでそんな上手?」
「じゃあ後は10分ほど加熱すれば完成です!」
「すごーい!」
「ま、まぁ楽しみだけどさ」
そして無事スマホ作りに成功!
実際にこれはもらえるらしい。やったね!
工場を出て、近くの少し高い丘に行ってみる。
「あ、なんか塔あるよ!」
「うっ」
「行ってみない?」
「あたしは遠慮しとこうかなー…」
「じゃあ見てきちゃおーっと」
ぐるぐると階段を登った先には、この街が一望できる景色があった。
「意外と高い!!」
下を見るとやや怖いくらいだ。
もうすっかり夕暮れで、日は落ちかけている。
僅かな日光が空の3分の2をオレンジに染め、遠くに黒い雲が少し見える。
あんまり待たせると悪いのでササッと下に降りて、
柔らかな笑顔をしたレンちゃんのもとへ行き宿に案内してもらうことに。
「今日は結構楽しかったな〜」
「だね〜、奇跡の再会もあったし」
「本当にね!…あそうだ、もしかしたらなんだけどさ
ちょっと日焼けしt」
あの家にまだレンちゃんもいた頃、こうやって失言した時、
いつもやられてたことがあったのを思い出した。
最後の一瞬、私の目の前にコードが通過したのが見えて。
的確にしっかりと、私の喉元あたりに飛んできていた。
「いだだだだだだ!!!ちょ、ごめんって!!
デリカシーなかったよねぇええええ!!ギ、ギブギブ!!」
「別に怒ってないよ〜」
「うん力強くなってるよね絶対ぃいいいい!!!」
あの頃と同じような痛みがした。
痛みの中の懐かしさを思い出しながら、その刑は2、3分に渡って続く。
街は黄昏時の残り香に包まれていた。
主人公:ネイチャー 自分のことを常識機だと思っている節があるが、普通にちょっと異常。
大親友のレンピアが大好き。
レンピア 割とうるさい。常識機。大親友のネイチャーのことは好き。
もともとあの家に居た。あの家はあまり好きじゃない。




