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ナノなの!!

「魔物さんはわからないかもしれないけど、実は…私はエルフと人間のクオーターなの。エルフの血なんて八分の1しか流れてないの。


なのに、私の耳の長さ、ハーフと同じくらいあるの…


せめて耳の長さが人間と同じくらいなら、と何度思ったかわからないの…」


「…」


「あっ、だ、だから私、エルフから嫌われちゃってるの。

きっと、みんなに迷惑をかけちゃうの…だからエルフの里から家族と逃げる…つもりだったの…


でも、でも…逃げるつもりだった日の前の日に…とっても怖い人が大きな剣を持って私たちの家に来たの…


大きな剣をブンブンって…すごく速くて私、音しか聞こえなかったの…

そしたら家の中がいつの間にかグチャグチャになってたの…お父さんもお母さんも、いつの間にかいなくなってたの…


私もっと怖くなって、2人を探したの…そしたら、怖い人、私の後ろを笑いながらついてきたの…


…途中で私、家から逃げ出そうと思ったの。荷物はお母さんがまとめてくれてて、すぐに逃げられると思って…


それで、怖い人に見つからないようにお風呂の中に隠れたの…少しあと、たくさん壊されてる音がしたの…あと、怖い人が叫んでたの…


静かになったから外に出ようと思って、蓋を少しずらして外を見たの。


そしたら、…お父さんと…お母さんが…」


「それ以上はやめておけ」


「う、うん。お風呂の窓が近かったから、窓から逃げ出したの…


だけどあの人に捕まっちゃったの…


あのまま行くとエルフの都市に着いたらしいの。里よりも大きくて便利で自然がたくさんだって言ってたの…ハーフみたいな見た目でも全然怖がったりしないいい人だったの…


でも、知らない所に連れて行かれるなんて怖くて怖くて仕方なくなって泣いちゃったの…


そしたらあの人は慰めてくれたの。

けどそれでもずっと泣き続けちゃったの…


そ、そしたら、そしたら…突然、痛いのが」


「…あの人がやったわけではないのか?」


「…ないと思うの…」


「…ごめんな。ちゃんと聞かないといけないからな。…そのあと何があったのか聞きたいんだけど…」


「わからないの…」


「え?あ、気絶しちゃったとか?」


「うん…ごめんなさいなの。」


「それが普通だろうから気にするな」


〈そうです。あなたが気にすることなんてないのですよ〉


「ありがとなの魔物さん…あれ?魔物さんって二人いるの?」


「いや?俺一人だ」


〈確かに私は魔物なのですが、人の心がわからないわけではないのですよ…私も一人と数えていただきたいですね〉


「ま、魔物さん。いたずらしないで欲しいの!!びっくりしちゃったの!!」


「いや、イタズラじゃなく他にもいるんだが…信じないと思うぞ?」


〈マスター、酷いです〉


あれ?俺としては普通、ダミーコアって信じられない存在だと思うんだが…ダメだったらしい。あ、でもそれは俺もなのかな?


「え?え?え?????」


「えーと、そこの球体が俺の仲間であるダミーコア。で、あそこにいるのが…あれ?あの子の名前知らないな。ダミーコアは知ってるのか?鑑定したことあるんだろ?」


〈えぇ!それを聞かれるのを待っていましたよ。マスター。あの子の名前はサターン。サターン様の御加護を持っているため、だそうです。ちなみに、先先代魔王のひ孫にあたります。なぜここにいるのかは…すいません。記憶がございません。〉


「先先代の魔王ねー。というかやっぱり、それも前マスターに関わることだから記憶がないのかな?」


〈おそらくそうだと思われます。前回の質問では種族のことだけでしたので、歯がゆい思いをしておりました〉


ダミーコアに歯ってあるのだろうか?いや、どうでもいいが。というか許可必要?


「あ、あの…?せ、先先代の魔王とかなんとか」


「あ、忘れてた。とりあえず、ダミーコア、助言や追加の説明がある時は、言ってくれ。でだ、脱線しまくった。すまん。あーとりあえずこれがさっきからいるやつだ」

と言いつつ、ダミーコアを見せる。


〈こんにちは、私はダミーコア。あなたの名前は?〉


「…よくわからないから考えないことにするの!!

よろしくお願いするの!ダミーコアさん!っあ!名前言ってなかったなの!私は…あれ!?おかしいの。名前がわからないの!?」


…ショックによる記憶喪失?いやでも自分の名前を忘れてしまうような何かが話にあったか?何があったかは忘れてないのに?


あ、いや、俺が聞いてないところに何かあったのかもしれないが…聞いたらどうなるかわからないから怖くて聞けない…


というか、名前だけピンポイントに忘れてるのか。…わからないがとにかく思い出させないほうがいいのかな?


…騙してる可能性も考えておく?いや、どっちにしろ面白いからいいや。


「…思い出せないなら思い出せないでいいだろう。代わりに俺が名前を考えてやる。」


「本当!?きっとモンスターに名付けられたのなんて私が初めてなの!!」


「んじゃあ、語尾が『なの』だから『ナノ』っていうのは?」


〈マスターそれは…あ、鑑定に名前が…それに、称号に[魔物の子]が…〉


「ナノなの!!よろしくなの!!」


〈…マスター〉


「え?ちょっ?ダミーコアさん何を?ねぇ、蟻さんたちがすごい勢いで俺にかじりついてきてるんだけど?」


「だ、大丈夫なのですか!?」


〈えぇ、全然たいしたことはないですよ。ナノ、あれはじゃれついてるだけです。ここにいるみんな、マスターが大好きでしてね?〉


「嘘つ…ウワァァァァ」


「マスター?さんも蟻さんもダミーコアさんも楽しそうなの!!」


「いやちょっ、ナノたす…」ブチン!!


あ、頭取られた!!え?ちょっちょっえ?無事なの?いや、無事じゃないだろが!!

いやでも死んでないぞ!?というか、俺胴体が本体なの?アンパ○マンなの?


「あ、元に戻った…」アンパ○マン、新し(ry


いったいどれだけの再生能力がこの体にあるのか…本当にバラバラにしないと死なないのではなかろうか?


「すごい芸だったの!!ありがとうなの!!」


〈えぇ。喜んでもらえてよかったです。あ、マスター?あとでお話がありますよ?〉


どうしてこうなった…


ちなみに、俺の体はありさんたちが美味しくいただきました。

あ、食べたって意味ではなく、飾りとして使っている。…ダミーコアさんいわく、こうすることで進化が早まるそうで…でも怖いからやめない?

ダミーコアは、マスターは死なないと分かった上でやっています。普通の人は死にます。良い子は真似しないように。

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