表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地底の未来  作者: Spumante Rock


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/32

第9話 逃亡のシナリオ  ── 新しい未来 ──

いつも読んでいただきありがとうございます。

⸻夜が明けた翌日の東京


冷たい朝の光が、曇りガラス越しに喫茶店のテーブルを照らしていた。

桧山はすでに席で待っていた。

「待たせたな桧山、」慌てて席に座った、、

香坂が姿を見せたとき、彼女の目はどこか張りつめていた。

「……梓ちゃんには、何も伝えてないわね?」

「梓は今日は高校がある。迅も日勤だ。巻き込まなくていい、」

「急に呼び出すなんて珍しいな、、何の用だ?」

香坂はコーヒーを一口すすりながら問いかけた。


桧山は頷き、テーブルに広げた資料を指差す。

そこには新幹線のダイヤと地図。

「放映当日、あなたはスタジオには来ないで逃げて、、」

香坂は一瞬表情が固まった、、

「俺が消されるからか?」

「昨日梓ちゃんも言ってたけど明日、暗殺されるわ。だから逃げて、、、」

「だからって、放映日に、、、?」

「死にたいの?」

「いや、、家族もいるしよ~助かる方法でもあるのか?」

「私に全て任して欲しいの、、

まずは、片山の尾行を振り切る必要がある、だから朝早く仙台行きの新幹線に乗るの。東京駅から東北新幹線で仙台へ。

 到着したら即Uターン新幹線に発車ギリギリに飛び乗って、東京へ戻る。

 そのまま名古屋行きに乗り継いで。」

新幹線に乗るときはできるだけギリギリに飛び乗って!

「……ずいぶん手の込んだ逃亡だな。」

「尾行を振り切るには、それくらい必要よ。

 片山はあなたを“消すため”に動いているよ、、

 彼の筋書きに、あなたが存在していては困るの。」


桧山の声は落ち着いていた。

しかし、その奥に微かな震えがあった。

「名古屋では“富士山テレビの大金おおがねひさし”の名義でホテルを取ってある。本人は海外出張中。疑われる心配はない。」


桧山はさらに続けた。

「携帯はここに置いていって。GPSで追われてる。

 代わりにこのスマホを使って。」


テーブルの上に、黒いスマートフォンが置かれた。

香坂は一瞬、彼女の瞳を見つめた。

その奥に、何かを隠しているような影。

だが、問い詰める時間はなかった。

「……やるしかねえな。未来を信じるしかない。」

「ええ。あとは私に任せて。」

二人は軽くうなずき合い、香坂は席を立った。

扉が閉まる音がして、静寂が戻る。


桧山は冷めかけたコーヒーを見つめ、

小さく呟いた。「ごめんね、香坂さん……」

その言葉は、誰にも届かない。


⸻ 翌日


― 放映当日(土曜日)

朝から報道センターは慌ただしかった。

全国ネットの特番「介護報道の闇」が、まもなく放送を迎える。


梓は早朝からメイクルームにいた。

“アルバイトの加藤あずき”として潜入する日。


制服の代わりに黒のパンツスタイル、金髪ウィッグに眼鏡なし。


迅は夜勤明けで、午後に合流する予定だった。「香坂さんは今日来ないの?」

モニターを見つめながら梓が尋ねた。

桧山は短く答えた。

「危険だから、逃げるように伝えたの。しばらく連絡も取れない。」

梓は静かに頷いた。

「……分かりました。」


心の中に小さな違和感を抱えながらも、それ以上は何も言わなかった。

照明スタッフの声が響く。

「――本番、30秒前!」カウントダウンが始まる。


スタジオのモニターにタイトルが映し出される。

『介護報道の真実 ― 闇に葬られた声』

「3、2、1――オンエア!」

全国ネットで、番組が始まった。


結局、番組の途中、

桧山が流した映像は、片山が持ってきた映像だった・・・


番組スタッフを含め、国民の多くに衝撃が走った、

橘が平泉を恫喝する映像が全国に放映される事となったのだ、、


桧山が梓に小声で伝えた、

「今回はこれがベストよ、あやの映像はしかるべきタイミングで仕掛ける」

梓は小さく頷いた

「はい」


しかしその裏で、香坂の行方を追う高山の影が、静かに動き始めていた。


⸻仙台行きの新幹線


ちょうどその頃・・香坂は新幹線で仙台に向かっていた、、

「ホントにこの新幹線に、片山の追手がいるのか・・・?」

辺りを見渡すと、空席ばかりで怖いくらいだ、、、

仙台駅に到着したが、、

新幹線を降りたお客は皆ホーム下りのエスカレーターに

並んで順番に改札に向かう、、


香坂はホームのベンチに座り靴紐を結んでいた、、、


向かいのホームには、

東京行きのはやぶさが発車準備をして停車していた、

発車ベルが鳴り、、、

香坂はゆっくり下りのエスカレーターに向かって歩きだした、、

次の瞬間、、香坂は走り出し”新幹線はやぶさ”に飛び乗った、、

同時にドアが閉まった、

ホームに立ち尽くす、、2人の男が見えた、


明らかに香坂を尾行していたようだ、、

香坂は指定の席に座り、洋服を着替えた、、

その後、上野駅で新幹線を降りると、

人込みに紛れ山手線で品川まで移動、

品川から、名古屋行きの新幹線に乗り込んだ、、、


その夜 桧山の行動


介護報道番組に高山が持ち込んだ映像を差し込み

世間は大きな反響で混乱していた・・・


桧山は番組終了後、次の行動を取っていた・・・


場所は東京・ホテルオオムラ

呼び出したのは、富士山テレビの報道部長・大金ひさし。

「久しぶりね、大金さん。少し話せる?」

「こんな時間にホテルに呼び出すなんて、何の用だ?」

「平泉の件よ。あなた片山に協力してたでしょ?」

「……なんで知ってる。」

「あなたの立場、危ういのよ・・・私も巻き込まれてる。

どうしても話しておきたいことがあるの。」

緊張した大金は、

桧山の差し出したワインを受け取り、

一口飲んだ、

「俺を脅迫するつもりなのか?やめた方がいい、、」

桧山は静かな口調で

「そんな事しないわ、、ただ私も仲間に入れてほしいだけ、」

そう言って大金をシャワーに誘導した。


どれくらい待っただろう、、、

大金がシャワーから出てきた所、後ろからワインボトルで頭部を殴った!

「が、、桧山、、なにするんだ・・・!!」

桧山:「国仲あや 知ってるわね」

大金は頭から血を流しながら、、朦朧とする中、答えた、

「あ、、あぁ 知ってる」

桧山:「私の妹なの、、」と言いながらもう一度 ワインボトルで頭部を強打した。


大金は絶命した・・・


――その瞬間、

桧山は静かに行動を始めた。

香坂の衣服を取り出し、

大金が脱いだスーツとすり替えバスルームに置いた、

香坂のスマートフォンを、ベッドのシーツの中、

枕の隙間に深く押し込んだ。

「これでいい……」


血飛沫が白い壁に弧を描く。

桧山は無言で見下ろし、

大金の顔と手にライターオイルを掛け火を付けた、

顔と指紋を消した、、

そしてホテル中の警報ベルが鳴り、スプリンクラーが作動した!

スプリンクラーの水がシャワーの様に巻き散る中、、

大金のスマホを床に置き、原型が分からないほどワインボトルで粉砕した。

「……ごめんなさい。」それは謝罪ではなく、

生き延びるための祈りのようだった。


ホテルオオムラでは、火災報知器が鳴り響き、

あわただしく避難する客達、

桧山は雑踏に紛れ逃亡した、、、


深夜23時を過ぎた頃、大金の死体はホテル従業員により発見され、

警察が駆けつけていた、、、


現場からは壊れたスマホ1台、

そしてベッドのシーツの中からもう1台――

香坂のスマートフォンが発見される。

ホテルの予約名は「香坂 ひろし」

だが、遺体の身元は判別不能だった。



そのころ、

名古屋のホテルでは、

香坂がカーテン越しに名古屋の街を見つめていた。

「これで、未来は変わるはずだ……」

彼は小さく呟いた。

テレビのニュースではまだ何も報じられていない。

だが、東京ではすでに“事件”が始まっていた事を香坂は知らない、、


⸻翌日のJBSテレビ


東京・JBSテレビの介護ドキュメンタリーの生放送の翌日

JBSテレビは報道番組で昨日の映像が話題になっていた、、

流石に、あそこまで鮮明な画像で世に出てしまうと、

話題にしない訳にもいかない、、、

桧山は表情ひとつ変えず、進行を見守っていた、

梓はアルバイトスタッフとして撮影に参加していたが、

番組の途中で、梓の視界が歪んだ。

胸の奥に痛みが走り、息を詰める。


――1時間後の梓の見る未来・・・


スタジオが騒然とし、

速報のテロップが点滅する。

【報道局員死亡 東京のホテルで遺体発見】

梓は震える手で口を押さえた。

「……やられた。」

涙がこぼれ、視界が滲む。

傍らの迅が慌てて駆け寄った。

「どうしたの? 大丈夫?」

梓は小さく首を振り、震える声で言った。

「香坂さんが……殺されたわ。」

「え……どうして……?」

梓はただ俯き、

未来を見た目の奥で、静かに呟いた。

「1時間後に、香坂さんの死がテレビの速報で流れる……」


桧山は一瞬、微笑み、、

番組が終了まぎわ、局から姿を消していた・・・

ここまで読んでいただきありがとうございました。


引き続き次回もお楽しみ、いただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ