表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地底の未来  作者: Spumante Rock


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/32

第30話  観測者の選択  ― 未来を動かす者 ―

いつも読んでいただきありがとうございます。

スタジオの照明が一瞬だけ揺らいだ。


ほんの僅かな違和感。


だが、それを“異常”として認識できたのは、

梓だけだった。


(今のは……何?)


時間が、わずかにズレたような感覚。


橘の言葉、ざわめく観客、

すべてが“そのまま続いている”のに、

何かが確実に変わった。


その時…

『気づいたね、梓』

脳内に、あの声が響く。


「……蓮」

梓は小さく呟いた。


『今のは、“分岐”だ』


「分岐……?」


『未来は一つじゃない。

無数に存在する可能性の中から、

“選ばれている”だけだ』


梓の視界に、


重なるように映像が流れ込んでくる。


高山が、再び薬を飲み倒れる未来


橘が襲撃される未来


スタジオが暴徒に包囲される未来


「やめて……」

思わず目を閉じる。


『これは“予知”じゃない』

蓮の声は冷静だった。


『観測だ』


「観測……?」


『君は今、未来を“見る側”に立っている』

梓は息を呑んだ。


『そして僕は…』

一瞬、言葉が途切れる。


『“選別する側”だ』

その一言で、


梓の背筋が凍りついた。

「……どういうこと?」


『未来は放っておけば、

最も確率の高い流れに収束する』


『それは多くの場合、“崩壊”だ』


スタジオでは、

橘と片山の議論が続いている。


だが梓には、

それが遠くの出来事のように感じられた。


『だから、必要なんだよ』

蓮の声が、少しだけ低くなる。


『介入が』


その瞬間

スタジオの外で、怒号が上がった。

「なんだ……?」

観客席がざわつく。


スタッフが慌ただしく動き出す。


「外に人が集まってます!」


「数が……増えてます!」


中継モニターに、

異様な光景が映し出された。


局の前に、

群衆が押し寄せている。


スマートフォンを掲げ、

叫び、扉を叩く者たち。


SNSで拡散された情報が、

一気に火をつけたのだ。


坂下が青ざめる。

「これ……まずいですよ……」

香坂は歯を食いしばった。


「来たか……」

橘は、静かにその映像を見ていた。


「これが“選択”の結果か……」

一方、控室。


迅は立ち上がっていた。

「梓、どうする?」


梓は答えない。

いや、答えられない。


頭の中では、

無数の未来が交錯していた。


『このままいけば、暴動に発展する』


蓮の声。


『死者も出る』


「止めなきゃ……」


『止める方法はある…

教えることはできる…だが、

それは君が望む未来じゃないかもしれない』


「本当!?」


『ただし…』

一瞬の沈黙。


『代償が必要だ』

梓の心臓が強く脈打つ。


「代償って……何?」


『君が、“観測者であること”をやめる事だ』


意味が理解できなかった。

「どういう事……?」


『簡単に言えば、記憶を消される

リセットメモリーとして、

生きるということだ…』


「それって……」


『もう未来は見えない。

僕とも繋がらない』

梓の思考が止まる。


『この暴動は…偶然じゃない』


『君が選び続けた結果だよ、梓』


「私が原因……?」


『そうだ、君が今まで行動さた1つ1つが、

今の歴史に繋がった。介入してしまった…

つまり君が、未来を捨てれば、

歴史の自己補正がはじまる…暴動は起きない』


『歴史は元に戻る…』


だが、

『この先の未来は、

希望がある未来かはわからない…

君が介入する前の歴史に戻るだけだ…』


静寂。


迅の声が遠くから聞こえる。


「梓!!」


現実が、引き戻そうとする。


だが梓は、

まだ“境界”にいた。


(私は……何を選ぶの?)

未来を見続ける者か。


それとも、

未来を“捨てて”、

今を守る者か。


スタジオでは、

扉を叩く音が激しくなっていた。


時間が、ない。


蓮の声が最後に響く。

『選んで、梓』


『君は、どちらの世界に生きる?』


梓は、

ゆっくりと目を開いた。


「迅くん、このまま未来を変えよう!」

梓は未来のビジョンが、ぼんやりと

見え始めていた…

ここまで読んでいただきありがとうございました。


引き続き次回もお楽しみ、いただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ