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9話 買います!


晴天の朝に修練所で剣が交わり甲高い音が響いていた。

「ハァァ!」

シンがハヤテの脇腹を狙ったが難なくハヤテは剣でシンの攻撃を弾いた。

「フゥン!」

アルはハヤテの隙を狙い逆の脇腹を狙ったがハヤテは後ろに下がり避けた。

「では、次は我の番だ」

そう言ってハヤテは一瞬にしてシンの懐に迫り柄の頭で腹部を突いた。

「ガハッ!」

「シン、お主は目で相手を追いすぎだ」

「は、はい」

「次はお主だアル」

「はい!」

ハヤテはアルに向かって真っ直ぐ剣を振り下ろした、アルはハヤテの剣を受け止めたがハヤテが力押しでアルを地面に叩きつけた。

「グフッ!」

「これにて修行を終える、二人共この五年よくぞ頑張った」

シンとアルはハヤテの元に近づき深く頭を下げた。

「「ありがとうございました!」」

「うむ」

ハヤテは微笑みを浮かべて城へと去っていった。

「今日で修行も終わりか〜」

「早いものですね」

「ハヤテさんに勝てなかったけど大分成長したよ」

「そうですね、ハヤテ様には感謝ですね」

「うん」

「お前ら」

二人に話しかけて来たのはヒメノ国国王のヤミだった。

「剣の修行は今日で終わりだ」

「5年間お世話になりました」

「感謝いたします!」

「これからはお前らなりに剣術を磨けよ」

「「はい!」」

「で、本当にシュトラス国まで送らなくていいのか?」

「はい、少し旅がしてみたいので」

「アハハ!気ぃつけて行きな」

「シン様はダンジョンに行きたいだけでしょうに」

「ダンジョンだけじゃないもん!」

「紅のダンジョンか?」

「はい、冒険者ギルドで知りシン様が行きたいと」

アルはシンに向けて呆れの眼差しを向ける。

「少しだけだからいいでしょ!」

「そうだな、10階以上は行くなよ」

「「はい」」

「じゃあヒメノ国を出る日が決まったら言え、見送りはするからよ」

「「分かりました」」

会話が終わりヤミは訓練所から去った。

「街で食料調達しようか」

「多少は良いですが大半は携帯食にします」

「え?なんで?」

「収納袋がどれだけ入るのかも分かりませんし、野宿での食事では手の込んだ料理は無理でしょう」

「分かったよ、携帯食ってどこで買えるの?」

「冒険者ギルドで買えます、ついでに収納袋にあるミルザルとゴブリンを全部売ってしまいましょう」

「えええ!?ダメだよ!?」

シンはアルの言葉に反対した。

「ワガママはやめてください!」

「5年間ちょくちょく売ってたじゃん!」

「収納袋に大量の食料を入れるのです、素材等は全部売ります」

「大丈夫だって!まだ沢山入るって!」

「修行期間の時全部は売らなかったでしょう、なので今回はダメです!」

「ぐぬぅ〜」

「では行きますよ」

そう言ってシンは落ち込みながら活気が溢れる街を通りギルドへと来た。

「シンさんアルさん今日はどうされました?」

カウンターのギルド職員が2人に聞いた。

「ミルザルとゴブリンの買取りと携帯食を買いに来ました」

アルが答えた。

「もしかして旅立つのですか?」

「ええ、剣の修行の為にいたので」

「そうですか寂しくなりますね」

ギルド職員は二人が旅立つと聞いて寂しそうな表情で言った。

「アハハ、ありがとうございます」

「では、携帯食は何ヶ月分でしょうか?」

「3ヶ月分を2名お願いします」

「かしこまりました、携帯食3ヶ月分、金貨2枚、白銀貨1枚、銀貨6枚、になります」

アルは小袋からお金を出して職員に支払った。

「少々お待ちください、その間に買取り物を出していてください」

「分かりました」

そう言って職員はカウンターから離れた。

「シン様いつまでも落ち込んでないで手伝ってください!」

「わ、分かったよ!」

ギルドの職員に運んでもらいシンとアルはカウンターで待っていた。

「お待たせいたしました!買取り金額は、大金貨1枚、金貨6枚、になります」

「おお!すごい額だね!」

「ですね、ミルザル50匹、ゴブリン150匹、ですからね大分溜め込んでいましたからね」

「ちょっと!そんな目で見ないで!」

アルはジトーっとした視線でシンを見た、アルはギルド職員に聞いた。

「すみません地図が欲しいのですが売っていますか?」

「はい、大まかに分かる地図ですが」

「大丈夫です」

そう言ってアルは代金を支払って地図を受け取った、地図を広げてシンと見た。

「シュトラス国とヒメノ国そしてエルフの国ですか」

「3つの国の地図だね」

アルの言葉にシンが言った。

「この場所から少し行ったところに紅のダンジョンがあるね」

「ええ、2、3日で着くでしょう」

「出発は明日でいいかな?」

「そうですね」

そう話しているとギルド職員が言った。

「紅のダンジョン付近には盗賊が出ると噂がありますのでお気をつけください」

「盗賊かー」

「他の冒険者もいるのでは?」

「紅のダンジョンを攻略している方はダンジョン内で過ごしているので」

「そっかー」

「警戒して向かいましょう」

「そうだね!」

「これで僕たちは行きますね」

「明日の準備もありますので」

「はい、いつでもヒメノ国にいらしてくださいね」

「また来ます」

「ええ」

そう言って二人は冒険者ギルドを出て賑やかな街を歩く。

「あとはどうする?」

「武器屋に行きましょう、予備の剣があった方がいいでしょう」

その言葉にシンは笑顔で言った。

「よっしゃー!」

「予備ですからね!」

「分かってるって!アル!ボサっとしてないで行くよ!」

「分かりましたよ!」

シンはルンルンでスキップしながら武器屋に向かった。

..

.

シンとアルは和装の武器屋に入った、中に入ると和服の男性の店主が言った。

「らっしゃい」

「予備の剣が欲しくて見ていっていいですか?」

「自由に見ていきな」

「ありがとうございます」

そう言ってシンは店内に並んでいる武器を見ていく。

「ウッほぉー!」

「気持ち悪いですよシン様」

「仕方ないでしょ!」

「替えの武器だけですよ」

「盾とか買わないの?」

アルはシンに言われ少し考えた。

「魔法防御として盾は必要ですね」

「でしょ!」

「すみません」

アルは店主を呼んだ。

「どうした?」

「魔法防御の盾はありますか?」

「あるぜ、魔法防御と軽量付与の盾が」

店主がそう言ってシンとアルは赤い盾の前へと案内された。

「この盾は紅鉱石で作られていてな、ヒメノ国では有名な鉱石だ、紅鉱石は元から魔法を防ぐ特性があってそのうえで魔法防御がついている」

「僕たちに必要じゃない?」

「確かに、防御面の対策がありませんからね」

「値段は、金貨3枚、銀貨5枚だ」

「買いましょう」

「まいど」

アルの言葉に店主が言った。

「あとは予備の剣ね」

「短刀なんてどうだ?」

「どれどれ!」

「こいつだ、この短刀も紅鉱石で作られていて魔法分散が付与されている、値段は白銀貨6枚だ」

「買いまーす!」

「まいど」

「私はこの剣をお願いします」

「そいつも短刀と同じだ、値段は金貨1枚、白銀貨2枚だ」

「買います」

「まいどあり!」

シンとアルは代金を払い武器を収納袋に入れ武器屋を出た。

「アル、本屋とヨミへのプレゼントを買いに行きたいんだけど」

「いいでしょう」

「ありがとう!」

「行こうか」

「ええ」

そう言って二人は賑やかな商店街の道を歩く。

「そういえばシュトラス国までどのくらいかかるの?」

「徒歩だと1ヶ月程でしょうか?」

「1ヶ月かー」

「馬車で行きますか?」

「そうしようか」

「では帰りに馬屋へ行きましょう」

「買うの?」

「移動手段としてはいいのでは?」

「そうだけど、高いでしょ」

「予算には余裕があるので大丈夫です」

「なら買うか」

「ええ」

二人はそう話していた、シンは露店の白色の花の髪飾りを見た。

「プレゼントに良いな」

「買うかい?」

店主のお婆さんが言った。

「買います!」

「白銀貨5枚と銀貨3枚だよ」

シンは小袋からお金を出して店主に渡した

「はい」

「確かに」

シンは買った髪飾りを収納袋にしまい本屋へと歩き出した。

「シン様、紅のダンジョンに何日滞在するのですか?」

「うーん、初めてのダンジョンだし様子見かな」

「分かりました」

「アルは馬車操れるの?」

「馬はあるのですが馬車はありませんね」「大丈夫なの?」

「...」

「ちょっと!」

「だ、大丈夫です!」

「ふーん」

「シ、シン様だって操れないでしょ!」

「そうだけど」

アルに言われシンは考えた。

「そうだ!テイムすれば意思疎通できる!」

「馬をテイムできるのですか?」

「んーー、ハクの時はビビッと来たんだよなー」

「はぁ」

「何そのため息は!」

「なんでもありません、着きましたよ」

シンとアルは本屋に着き、店の中に入った

「ところでなんの本を買うのですか?」

「ヒメノ国の食用可能な植物の本と魔導書だよ」

「それは良いですね」

「でしょ〜」

そう言ってシンは本棚の本を見ていき本をた取って軽く見て言った。

「植物の本はこれでいいかな」

「あとは魔導書ですね」

「うん、森を通る事が多いから火以外の属性の魔法がいいかな」

「そうですね、ダンジョン付近には盗賊がいるかもしれませんし」

「範囲攻撃ができる魔法がいいかもな」

「これなんてどうです?」

アルはそう言ってシンに本を渡し、シンは数ページ読んだ。

「【アイスブレス】っていう魔法だね」

「どういった魔法なのですか?」

「氷属性の範囲攻撃魔法ってとこかな」

「ちょうどいいのでは?」

「いやね、どうやら上級魔法らしいんだよね」

「なるほど、シン様は氷魔法スキルは持ってませんよね?」

「そうなんだよねぇ〜」

「氷属性の下級魔法は使えますよね?」

「うん、上級魔法の魔導書なんてあまりないし買うか」

「いいでしょう」

シンは2冊の本を持って店員に会計をしてもらい外に出て馬屋へと歩き出した。

「まさか金貨3枚とはね」

「安い方では?」

「そうなのかな?」

「それより次は馬と馬車を買いますよ」

「うん、それはいいけど馬の食料はどうするの?」

「携帯食以外の食料で大丈夫でしょう、それに食用の草ならなんでも食べると思いますし」

「どこでも調達できるかー」

「はい」

話しているとシンとアルは馬屋に着き店員に話しかけられた。

「どうされましたか?」

「馬と馬車を買いに来たのですが」

「かしこまりました、ご案内しますね」

そう言って店員はシンとアルを馬小屋へと案内した。

「どの馬がいいか分からない!」

「そうですね」

「馬車には荷物を乗せますかな?」

「いえ、収納袋があるので」

「ええ、我々しか馬車には乗りません」

「なるほど、ではこの3匹のどれかはいかがですか?」

そう言って3匹の前に案内された、白色の馬と茶色の馬に灰色の馬がシンの前にいる

「...」

「ブルルゥ」

「ヒッンー」

「白馬はおすすめしません」

「なぜです?」

「この白馬は言うことを聞かないのです」

「ふーん」

シンは白馬を見ていたら視線が合い白馬は鳴いた。

「ヒヒーン!」

「お前が鳴くなんて!」

白馬が鳴いたことに店員は驚いていた。

「よしよし」

シンは白馬を撫でて白馬はシンに擦り寄る

「随分懐いていますね」

「そうだねこの子にしようか」

「か、かしこまりました、お代は金貨5枚です」

シンはお代を払い、シンは白馬の手綱を掴み馬小屋から出した。

「では馬車を持ってまいりますね」

そう言って店員は馬車を取りに行った。

「今のうちにテイムできるか試してみよ〜」

「ハクの時のように血を飲ませるのですか?」

「うん」

そう言ってシンは収納袋から先程買った短刀で手のひらを切りシンは白馬の口に手を近づけて、白馬はシンの手のひらを舐めだした。

「いや〜ん」

「シン様」

「いや、そんな目で見ないで!」

そして、白馬とシンが同時に光った。

「成功だね」

「あとは名前ですね」

「ブルルゥ」

「そうだなーんーーーーー」

「ベガなんてどうだ?」

「良いですね!」

「ヒヒーン!」

「そうかよかった」

クラ

シンはよろけ出した。

「あれ?」

「シン様!」

「ブルルゥ!」

バタン!

シンはその場で倒れた。

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