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3話 この感覚には一生慣れない

今回は、10000字を超えています。

少々グロテスクな場面が書かれています、苦手な方はお控えください。



コンコンと扉がノックされる。

「シン様!起きておられますか?」

「うーーーー」

俺は唸りながら起きた。

俺はシン・シュトラス 、5歳になった。

「シン様こちらを」

シンは水の入った器で顔を洗った。

「ちめたい」

「冷たくないとシン様は二度寝をしますからね!」

「今日は寝ないよー」

「今日から戦闘訓練ですからね!」

「うん!」

「楽しみにしておられましたからね」

今日から戦闘訓練が始まる!

やっと魔法や武器を使うことができる!

やり込むために!

.........

......

....

..

俺はダイニングに入り席に着いた。

「おはようございます!母様!父様!」

「おはよう!シンちゃん♡」

「おはよう!シン!体調はどうだ?」

「大丈夫です」

「なら戦闘訓練は大丈夫そうだな、しっかり訓練するんだぞ!」

「もちろんです!」

俺は朝食を食べ始めた

美味しいは美味しいけどこの世界の食はあまり進んではいないんだよなぁー、やっぱり朝は日本食が食べたいよなぁー、それにジャンクフードが食べたい!転生して、5年王族の食事はほとんど同じだし!でも、仕方ないよね。

「シンちゃんどうしたの?ご飯食べ終わった途端に泣いて?」

「シンよ、何かあったのか?」

母ルシアと父ウィルが心配そうな顔をしている。

「い、えあまりの美味しさに泣いてしまいました。」

「そ、そうか」

「それでは私は部屋に戻ります」

「ええ、訓練頑張ってね!」

俺は時間まで、本を読んで時間を潰し服を着替えて訓練所に向かった。

訓練所に着くとそこには赤い髪の女性騎士と俺と同じぐらいの赤い髪の少年がいた。

「ウィルよ、久しいな」

話しかけてきたのは女性騎士だ。

「お久しぶりです、ナタリア義姉様」

ナタリア義姉様はヴァン兄様の妻で副団長を務めている。

「何度言えばわかる!!」

「ひぃ」

俺なんか言っちゃった?

「ナタリーお姉ちゃん♡と呼べ!!」

ズコー

「恥ずかしいので勘弁してくださいー」

「まぁいい、今日から私の息子も訓練をする」

俺の前に少年が出てきて跪く

「え?」

「お初にお目にかかります、アル・シュトラスでございます」

「そうゆうのやめてよ!いいから立って!」

そう言って俺はアルを立たせた。

「それと、敬語もいらないからね!」

「それはできません!」

「なんでぇー?同い年でしょ?それに身内でしょ!」

「身内でも貴方様は王子です!」

「えーー!いいって」

「いえ、なりません」

「あー分かったよ!」

「それでは私は騎士団の訓練に戻る!2人とも頑張るのだぞ」

「「はい」」

しばらくすると黒いローブ姿の男が来た。

「お待たせしました」

この黒いローブどこかで見た覚えが。

「武器を選ぶ為に倉庫に行きましょう」

「「はい」」

...

..

俺達は武器倉庫へと来た、それにしても古い倉庫だな。

「ここでお待ちください、武器を探してきます」

そう言って男は奥へと行った。

「それにしても汚い倉庫だな?使われてるのか?」

「そうですね、武器倉庫というのに見張りもいませんでしたし」

二人で話していると近くの箱が光っていた。

「なんだ?この箱?」

「私が、開きます」

出てきたのは緑色の玉だった。

「なんですかね」

「鑑定玉とは色が違うしね」

俺は緑色の玉に触れた。

触れた途端声が聞こえた。

「おい!聞こえるかゾイ!!憎たらしいウィル・シュトラスの子供を捕まえたかゾイ?」

「今から捕まえるところです」

背後から声が聞こえ、2人は振り返る。

「そうかゾイ!国で待ってるゾイ」

プツンっと声は途絶えた。

「なるほどそのローブ!ビビンバ国の者か!」

「シン様を誘拐する気か!」

アルはシンの前に出た。

「お前ら2人をビビンバ国へ連れて行く」

「スリープ」

魔法によりシンとアルは眠りについた。

「報酬がいくらになるか楽しみだ!フハハハハハ!」

...

..

.

国王執務室に騎士が慌てて入ってくる!

「国王様!アル様とシン様が連れ去られました!」

「なに!!!」

「戦闘訓練の教師が倉庫で拘束されているのを発見し、急ぎ訓練所に行ったところお二方がいませんでした」

「捜索隊を編成し冒険者ギルドに捜索の依頼を出せ!」

「了解しました!」

騎士は執務室をあとにした。

「誘拐とは、只者ではないな!誰のさしがねだ!」

バンッ

ウィルは机を叩き怒りを露わにする。

...

..

.

「.........」

「.......ま」

「シ...ま」

「シン様!」

「ううう、アル?」

「お目覚めになりましたか!」

周りを見ると檻に囲まれていた。

「我々は馬車で運ばれてるようです」

「誘拐されたのか」

「はい」

「アルはスキルか魔法は使える?」

「身体強化スキルがあります、魔法は使えません!申し訳ありません」

「いや!大丈夫だよ!それに俺は使えそうなスキルもないし!魔法はまだ使った事がないんだ」

「今日から訓練でしたからね」

「まさかだよね〜」

「とりあえず二人で考えようか」

「はい」

俺は檻の中を見渡す。

「ん?」

シンが見つけたのは布がかぶさっているものと麻袋があった。

「麻袋を開けるか!アル手伝ってくれる?」

「はい!」

「ありがとう」

俺とアルは麻袋の下を掴み麻袋の中を出した

出てきたのは俺達と同じぐらいの女の子だった。

「まさか、3人目とはね」

「どこかのご令嬢のようですね」

「起こすのはやめておこうか」

「なぜです?」

「女の子だから、この状況にパニックになるかもしれないからね」

「シン様はお優しいのですね」

「へへ」

シンとアルは女の子を壁際に寝かせた。

「布の方も見てみようか」

「はい」

布をめくって出てきたのは檻の中に入った魔獣だった。

「うおっ!」

「こ、これは魔獣です!」

「狼か?」

「ホワイトウルフですかね?」

「うーん、他には何も無いみたいだね」

そうしていると外から声をかけられた。

「起きたかガキ共!逃げようなんて思うなよ!ここは白霧の森だ!ガキが出られる森じゃあねぇーからなぁー!ガハハハ」

そう言って男は檻から離れて行った。

「白霧の森ですか」

「知ってるの?」

「はい、白霧の森は魔獣などを使役したり探知系のスキルがないと白霧の森から出るのは難しいです」

「と、なると!今逃げるのは無理かー!」

「ですね」

「ん?使役ってテイムスキルも含まれるの?」

「テイム?聞いた事のないスキルです」

「俺はテイムってスキル持ってるんだけど、多分魔獣と契約出来ると思うんだよね」

「ではホワイトウルフで試してみますか?」

「うん」

俺は狼の前に立ち、狼を起こした。

「ガルルルル」

「警戒してるなぁー」

シンが檻に手を近ずけた瞬間に狼がシンの手を噛んだ。

「イッテ」

「シン様!!!」

「大丈夫!浅いから!どうだ?落ち着いたか?」

狼はゆっくりと手を離しシンの手を舐めだした。

「いや〜ん」

「シン様.....」

「いや!そんな目で見ないで!この子が急に舐めるから!!」

と話していると狼とシンが光った。

「え?何これ?もしかして!テイムできちゃった?」

「ウオーン」

できたのね。

「名前を決めないとなー、うーーーーーーーーーーん」

シロ?安直か?エリザベスとかか?なんかマスコット感がある!それに俺はロン毛じゃない短髪だ!

「うーーん、ハクなんて名前はどうだ?」

「ウオーン」

「気に入ったみたいですね」

「良かったー」

フラッ

「シン様!大丈夫ですか?」

「大丈夫!血を出したからかな?」

「う、うう」

寝ていた、金髪ポニーテールの女の子が起きた。

「こ、ここはどこなの!」

「落ち着いて聞いてね」

俺達は知っている事を女の子に話した。

「そう、誘拐中ってわけね」

「随分落ち着いているね?」

「貴方が落ち着いてって言ったんじゃない!」

「それに、お父様に誘拐の標的になりやすいって言われていたのよ」

「へ〜〜賢明なお父さんだね」

「あなた何言ってるの?」

「え?不快にさせるような事言っちゃった?ごめん!」

「違うわよ!私は、宰相の娘!リアよ! 」

「宰相!高位のご令嬢じゃん!」

「それにしても、他国にも手を伸ばしたのかー」

「はぁー、違うわよ!私の父の名前はレイツ・シュトラスよ!」

「なぬぅーーーーー」

「身内じゃん!レイツ兄さん子供いたんだ」

「あなた私の事知らなかったの!?」

「ごめん!でも、アルも身内なのにしらなかったよね!」

「そうですね....」

「アルさん、貴方が知らなくても怒らないわよ」

「俺には怒ってるの?なんで?」

「私は!あなたの婚約者なのよ!」

「........」

こんにゃく社?

「何言ってるんだ?身内じゃ結婚できないだろー」

「できるわよ!」

「そうなの!?」

俺はアルを見る。

「はい、未婚であればできます」

「じゃあ本当に僕の婚約者?」

「そうよ!」

「なぬぅぅぅー」

「って初めて会うのになんで!」

「お父様達が決めたのよ」

「君はそれでいいの?」

「は?あのね!貴族ではこれが当たり前なのよ!」

「じゃあ、婚約破棄でいいよ」

「はぁぁぁ!」

「将来君が好きになった人と結婚しなよ」

「いなかったら!私はどうするのよ!」

「君みたいに可愛い子は男は放っておかないでしょ」

「なぁ!」

リアは顔を真っ赤にする。

「この話は終わりね!逃げないとね」

「どうやって檻から出るの?」

「アル、身体強化でこじ開けられない?」

「申し訳ございません」

「大丈夫!ハク!檻を壊せる?」

ハクに言うとハクは自分の檻を爪で壊した。

「すご!」

「出れそうですね」

「それじゃあハク、僕達を乗せてくれる?」

「ウオーン」

「よし!二人ともハクに乗って逃げるよ」

「分かったわ」

「はい」

「リアが一番前で俺が一番後ね」

「シン様!私が後に乗ります!」

「逃げる時後が一番狙われやすいんだよ!危険だ!」

「だからですよ!私がシン様を守ります!」

「わ、分かったよ!じゃあお願いねハク!」

「ウオン」

ガンッ!

ハクが檻を壊し外に出た。

「おい!ガキ共が外に出てるぞ!捕まえろ!」

数人の人間が近寄ってくる。

「ハク!逃げて!」

「ウオン!」

ハクは人間たちを避けて森を走る。

「ふぅー 何とか逃げれたね!二人とも怪我はない?」

「大丈夫よ!」

「大丈夫です!」

「よし、追っ手が来るかもしれない!森を出ようハクお願い!」

「ウォン」

シン達は森の中を疾走する。

...

..

.

「カシムさん!!」

黒いローブの男に言う。

「なんだ?」

「ガキ共が逃げました!」

「なんだと?」

カシムは報告してきたものに剣を向ける。

「とっとと探しにいけ!」

「は、はい」

男は走り去って行った。

「ッチ」

カシムは不機嫌そうに、酒を飲んだ。

..

.

「騎士団長!」

「どうした?」

騎士団長ヴァンは捜索隊として白霧の森に入っていた。

「先行した隊が誘拐犯と思われるもの達を発見しました」

「分かった、ナタリアと他の隊に集団を囲むように伝えろ!」

「ハッ!」

伝令は馬に乗って去っていった。

「3人とも無事でいてくれ!」

ヴァンは馬を走らせた。

...

..

.

シン達はハクに乗り森を疾走していた。

「クーン」

ハクはゆっくりと止まり、鳴いた。

「ハク?」

「どうしたの?」

「お腹がすいたのでしょうか?」

「あれから結構時間が経ったからな」

「そうね随分、日が落ちてきたものね」

「ここで野宿しかないか」

「そうですね、今のうちに火を起こしましょう!ですが...」

「そうだね、追っ手に見つかる可能性があるからね」

「そこは賭けね」

「「賭け?」」

シンとアルは疑問に思う。

「あのねぇ!私達は一応王族なのよ?シンに至っては王子よ!国から騎士と冒険者が捜索しているわよ」

「そうか、捜索隊がいるのか」

「私達はまだ子供です、逃げるにはハクの力が必要です」

「火が無いと寒さに体力が削がれる、それに俺達は探知系の魔法が使えないし何かあった時にハクだけに頼れないからね」

「火を起こすしかないね、ハクとリアは小さい枝を拾ってきてくれる?」

「分かったわ」

「ウォン」

「ここからあまり離れないようにね!僕とアルは食べられそうなものを探そう」

「分かったわ」

「分かりました」

シン達は二手にわかれた。

「食えそうな草、キノコ、木の実を探そう!俺たち武器を持ってないから狩りは無理だしね」

「はい」

..

.

「松茸とかないかなぁー」

俺はそう言いながら草むらを探していたら、食べたら大きくなりそうなキノコが生えてた。

「絶対毒キノコだろ!!」

「すみません、植物はあまり知りません」

「俺だって分からないよ!落ち込むなよー」

しかし、セリーに色々教えてもらったけど、こうゆうのはまだなんだよなぁー、ハクがお腹を空かしているし、捜索隊に会うか森を抜けるしか方法はない。

「知識があればな〜」

ん?

「あ!!!!」

「シン様?!」

「俺、知恵の本っていうスキル持ってる!!」

「シン様は不思議なスキルを持っているのですね、異世界から転生したからですかね?」

「え?なんで知ってるの?」

「父に聞きました!もちろん他人には話しません」

「リアも知ってるのかな?」

「知っていると思いますよ、一応婚約者ですから」

「そっかー」

「アルはどう思う?」

「どうとは?」

「え?何も思わないの?」

「ええ、シン様は私達に気を配ってくださいますしお優しく面白い方です」

「へへへへ」

シンは凄くニヤけた。

「っと、とりあえず知恵の本発動!」

と叫ぶとシンの目の前に灰色の本が出てきた。

「おおー!」

知恵の本は宙に浮いて勝手にページがめくれる。

【ペッパーマッシュ】

特徴 赤色と白色のドット柄

食用可能 しょっぱい

採取場所 不明

「おぉー食べられるみたいだ」

「では、近くにある物を取って行きましょう」

「うん」

シンとアルはペッパーマッシュを取り元の場所へと戻ってきた。

「リア、問題はなかったか?」

「ええ、大丈夫ハクがいたもの」

リアはハクを撫でる。

「クーン」

「じゃあ火を起こすか」

シンはそう言い小枝に向かって唱えた。

「ファイヤー」

すると小枝に向かって火が出た。

「初めて使ったけど、良かったー」

「これでひとまずは大丈夫そうね」

俺達は小枝にペッパーマッシュを刺して炙って食べた。

「しょっぱ!」

「そうね、塩分が多いわね」

「塩分でお腹が膨れますね」

「ハクはどうだ?」

「クーン」

ハクは少し落ち込んで食べていた。

「やっぱり肉の方が良かったか!ハハ」

「城に戻ったら沢山肉を用意してもらえるように頼んでみるから!」

「ウォン」

そういえば使役した魔獣は国に入れるのか?

「ねぇ、ハクは魔獣だけどどこかに申請とか必要?」

「ええ、冒険者ギルドか騎士団で従魔登録をしないといけないわね」

「シン様の場合国王様に言えば大丈夫でしょう」

「なら大丈夫だね」

「ウォン」

「もう、暗いし休もうか」

「そうね」

「見張りは私が!お二人はお休みに」

「いや、二人でやろう交代で見張りをしよう」

「了解です」

シン達は焚き火を囲み休息をとる。

...

..

.

暗くなる前夕方にて白霧の森から怒鳴り声とカキーンと甲高い音がが響く。

「神人国の騎士団だ!」

「賊を逃がすな!」

「ふざけんな!ガキ共が逃げたお陰で報酬が無くなる!」

そう叫ぶのは誘拐犯のリーダーのカシムだ。

「お前ら!魔獣を連れてガキ共を捕まえろ!でないと報酬はでないからな!」

賊の数名は騎士団から逃げた。

「団長!数名の賊を逃しました」

「誘拐された3人はいなかったのか?」

「はい、捕まえた賊の話では檻の中にいた魔獣に乗って檻を壊し逃亡したようです」

「ハハハハ、使役したのはシンだな!だとすると森の外を目指すか捜索隊に合流するかだな」

「夜に備えて火を起こしている可能性がありますね」

「ああ、賊よりも先にシン達を見つけるぞ!」

....

...

..

.

日が沈みあたりは暗闇に包まれた。

「本格的に夜になったなー」

「そうね」

「ウォン!!」

横になっていたハクは起き暗闇に向かって吠えた。

「追ってか!」

シンは服の袖を破き太めの枝に巻いた。

「シン様何を!」

「松明だよ!」

そう言って火を着けた。

「アル、松明持ってて」

「分かりました!」

「リアは後ろに」

「わ、わかったわ」

「グルルルル」

「ハクが唸ってる、捜索隊じゃあなさそうだね」

数人の賊達が暗闇から近ずいて来る。

「ッチ、手こずらせやがって」

賊の1人が不機嫌そうに言う。

「まさか、魔獣を使役して逃げるとわ」

黒ローブの男カシムが言った。

「あなたがボスみたいですね?しつこいですよ!」

シンがカシムに向かって言った。

「フハハハハ!報酬がいいんでね!それに命令なんでね」

「僕を誘拐しろって?」

シンは微笑んで言う。

「ああ、国王様はがめついんでね!」

「提案なんですけど、取引しませんか?」

「手を引くことはできねぇぞフハハ」

「そうして欲しいけど違いますよ」

「じゃあなんだ?」

「僕はここに残るので魔獣と二人を見逃してください」

「シン!?」

「シン様ダメです!!」

「ウォン!」

アルとリア、ハクはシンの提案に反対した。

「おいおい、そいつらも高く売れるんだぜ?取引じゃあねーよ」

「そっちにも利があるでしょう」

「ほう?」

「貴方は、私の魔獣には勝てない」

「なぜそう思う?」

「檻にいた魔獣は無傷だった、それは貴方が僕らを捕まえる時睡眠魔法を使った!魔獣の時も不意を着いてねむらせたのでしょう?」

「頭が回るガキだなフハハハ!いいぞ!そいつらは逃がしてやる」

「取引成立ですね」

会話に割って入る者がいた。

「おいおい、カシムさん勝手に決めんなよ!」

「そうだぜ!報酬は高くて悪いことはねぇー」

「カシムさん!俺たちがあの魔獣を捕まえますぜぇ!」

「ッチ」

賊の言葉にカシムは舌打ちをした。

そして、賊の2人がハクへと斬り掛かる、ハクは攻撃を避け1人目を爪で胴体をさき2人目の首を爪で切り裂いた。

「ほら見ろ!馬鹿が!!」

賊達は殺られた仲間を見て武器を構えた。

「ウインドショット!」

賊の1人がアル目掛けて魔法放った。

シンは咄嗟にアルを庇い左脇腹に魔法をくらった。

「シン!!!」

「シン様!!!」

「ウォン!!!」

「大丈夫!浅いから!」

脇腹が燃えるように熱い、痛い、熱い、痛い、苦しい、これがこの世界の恐怖か?

俺はアル達を見て思い出す、守りたいものを守るために決心した事を。

失ってたまるか!!!

シンは賊に向かって唱えた。

「ファイヤーボール!!」

シンの放ったファイヤーボールは賊の体を火で燃やした。

「アアアアアアアァァァァ!!!」

賊は叫び息絶えた。

シンは、その光景を見て人を殺める感覚を知った。

俺は、これからこの世界で生きていく!

人を殺める危機が身近であり、一瞬の判断が命取りになる!

俺はこの感覚を一生嫌い!慣れることはないだろー。

「二人とも!!!ハクに乗って!!逃げるんだ!!!俺はここに残る!!」

「シン!!!貴方怪我してるのよ!!」

「そうです!!出血しています!!それに!貴方は王子です!」

「ウオーン!!」

「俺は!やれる事をやる!死ぬ気なんてない!!」

「ですが!!」

「これは!王子の命令だ!早く逃げろ!!」

俺はアルとリアに向けて強く言い2人をハクに乗せた。

「ハク!2人を逃がすんだ!いいね!!」

「ウォン!!!」

ハクはアルとリアを乗せて飛び出した。

「シンーー!!!!!!!」

「シン様ー!!!!!!!」

「クォーン!!!!!!!」

俺は、アル達が飛び出してった途端に倒した賊の短剣を拾い構えた。

「ガキがァ!!!」

シンは素早く賊が振るった斧を避け賊の腕を斬り落とし賊の首を斬った。

ドサッ

シンは近くの木に隠れた。

「ハァ、ハァ、イテェー!」

シンは服を破き布を巻き傷を塞いだ

「時間はない、捕まってたまるかよ!!」

「観念しな!ガキィィ!」

「フラッシュ!」

賊の1人が魔法を使い光でシンは目をくらました。

「ガハァ!」

シンは賊に隙をつかれ右脇腹を蹴られ吹き飛ばされたがすぐに立ち上がり草むらに隠れた。

「ウインドショット!」

賊の魔法はシンの頬をかすった。

くそっ!隙がない!どうする!

シンは近くを見渡すと妙な花を見つけた。

「知恵の本!!」

【粉銀花】

特徴

膨らんだ部分に衝撃を与えると銀色の粉を撒き散らす。

食用不可 撒き散らす粉は火に触れると爆発する。

採取場所 不明


一か八かだ!!

俺は粉銀花を取り焚き火に向かって投げた。

「アハハハ!花なんか投げて!ガキ!観念したか!」

粉銀花は日に触れた瞬間爆発し、ボス以外は息絶えた。

「ガキが随分足掻くじゃあねぇーか!フハハハ!」

カシムはシンに向かって剣を振るった。

キーン

シンは短剣で防いだが軽く吹き飛ばされた。

シンは近くの剣を取った、短剣よりはすこし長い。

短剣を右手に持ちボスに向けて構え左手に剣を逆手にして構えた。

「まだやる気か?」

「連れ去られるのも、死ぬのも嫌だからね」

ボスは左斜めに剣を振るいシンは左手の剣で流し右手の短剣でボスの腹部を斬った。

「ッチ!」

シンとボスはお互に距離を取り相手の出方をお互に待ち10秒程硬直した。

「ッチ」

ボスは舌打ちし言った。

「終わりだ、俺は逃げるぜ」

「そうですか」

ボスは服から小さい玉を出し玉が光った瞬間ボスはいなくなっていた。

「転移?」

「とりあえず、死んでない」

シンは近くの木にもたれかかり座った。

「はぁー アル達は無事に森を出たかなぁー」

シンは眠りについた。

...

..

.

「ハク!お願い戻って!」

「クーン」

「私達が、戻っても足手まといになるだけです!」

「そう、だけど」

リアは俯いた。

「シン様は、やれる事をやると言っていました!私達もやれる事をやりましょう」

リアは顔を上げだ。

「そうね、森を出るよりも捜索隊に合流した方が良いわ!」

「そうですね、シン様は怪我をされていますからね」

「ハク!私と同じ匂いか鉄の匂いがする場所に向かってください」

「ウォン!」

ハクは方向を変えた。

「あかりが見えるわ!」

「ハク!ゆっくりと近づいてください」

「賊だったらすぐに逃げましょう」

「ウォン」

あかりが見える方から数名向かってくる。

「賊か?」

アル達に声がかけられる。

「アルか?」

「父様!!」

「無事だったか」

「母様!!」

声をかけてきたのはアルの父ヴァンと母ナタリアだった。

「シンはどうした」

ヴァンは神妙な雰囲気でアルとリアに聞いた。

2人は慌てて話し出した。

「こ、の先でシンが!」

「シン様は!怪我をして!」

「二人とも落ち着いて説明しなさい!」

アルとリアに向かってナタリアは言う。

「「はい」」

「私達はシンの魔獣、ハクに乗って賊から逃げました」

「その後、捜索隊と合流するため火を着け休息をとっていたところに賊が6人と賊のボスが現れました。」

「賊の2人はハクが倒しました」

「シン様は私を庇って腹部に怪我を負いました」

「怪我は浅いのか?」

「シンは、浅いって言ってましたけど...」

「私達はそうは思いませんでした」

「そうか」

「そして、賊の1人を...シンが倒しました」

「殺したのか?」

「「...はい」」

「その後、シンが私達にハクに乗って逃げろと」

「そして、シン様は自分だけ残られました」

「分かった、2人ともよくやった!」

「私達は!シンを残して逃げて来たんです」

「それは違うシンは自らお前達を逃がした、お前達はシンに言われたとおりにした!」

「ですが!」

「ここからは、騎士団に任せろ!ハクだったか?シンのところまで案内できるか?」

「ウォン!!」

「ナタリア頼む!」

「分かったわ!」

その瞬間、遠くない場所で爆発が起き、爆発の方向見ていたアルとリアが言う。

「あそこにシンが!」

「あの場所で間違いありません!」

「ナタリア!」

「身体強化!」

ナタリアは身体強化魔法を使って走り去っていった。

「俺達も行くぞ!」

ヴァンはアルとリアを見る。

「お前達はどうする?」

「「行きます!」」

「よし!」

ヴァン達はシンの居場所へと向かった。

...

..

.

先行して、向かっているナタリア。

「サーチ!」

ナタリアは探知魔法を使った。

「1人はシンでもう1人は賊の親玉か!」

ナタリアはシンにいる場所へとたどり着き、木にもたれかかっているシンを見つけた。

「シン!」

ナタリアはシンの息を確かめた

「息はあるな!だが、出血が多い!」

「うぅぅん」

シンは目を覚ましナタリアに気づくと言った。

「ナタリーお姉ちゃん」

「ハハ、恥ずかしいんじゃなかったのか?」

「人前でわね!俺達しかいないのでね」

「私としてはいつでも呼んで欲しいがな!」

「勘弁してくださいって!」

「ハハハハハハ」

「アルとリアに会いましたか?」

「ああ、私達に報告してくれた」

「怪我はありませんか?」

「ああ、無傷だ!お前のお陰でな!シン!ありがとう!息子を庇ってくれて!」

「身内だし、俺が守りたいから守ったんだよ」

「そうか」

そう言ってナタリアはシンの頭を撫でる。

「よくやった」

「はい」

「賊の親玉はどうした?」

「消えました、小さい玉を使って」

「転移玉か」

「姉様が近づいてきたのがわかったのでしょう」

「厄介な奴だ」

「はい」

「アル達の話ではあと3人賊がいたはずだが?」

「私が、やりました」

シンは散らばる、遺体を見た。

「そうか」

ナタリアはシンの目を見て言う。

「大丈夫か?」

「流石に精神が削られましたよ、俺はこの先人を殺めるのを一生きらい 慣れることはないでしょう」

「そんな感覚には慣れてはいけない」

「お前は頑張った」

「はい」

俺は賊を倒したとき不思議に体が軽くなったのを思い出し、ある可能性に気づく。

「姉様、1つ聞きたいことがあります」

「なんだ?」

「人を倒しても、EXPとスキルが取得できるのですか?」

「....ああ」

ってことはスキル狩りみたいな行為もおこなわれてるのか。

「それを知っても、俺は守りたいものを守りますよ」

「ハハ、頼もしい弟だ!!!」

ザザザッ

暗闇から聞こえてくる。

「やっと来たか」

ナタリアは暗闇に向かって言う。

出てきたのはヴァン達だった。

「シン!!」

「シン様!!」

「ウォーン!!」

シンに駆け寄ってきたのはアルとリアとハクだった。

「良かったー!みんな無事みたいだね!」

「シンのお陰よ!ありがとう!」

「シン様!私が生きているのも貴方のお陰です、ありがとうございます!」

「そして!私は貴方様に一生の忠誠を誓い従者としてシン様をお守りします!」

「えーーー!何?!急に!?」

「私は、シン様を護衛する騎士となるため強くなります!」

「わ、わかった!これからよろしくね!アル!」

「はい!!」

それを見てリアは言う。

「婚約破棄なんてしないからね!シン!」

「いや、俺結婚するつもりないし!」

「私が婚約者で不満なのかしら?」

ゴゴッ

とオーラを出してリアは圧を出してシンに言う。

「いえ!」

「じゃあ正式に婚約者ってことでいいわね?シン?」

リアは圧を出してシンに言った。

「は、い」

「私もこれからよろしくね!シン!」

「ああ」

アルとリアとの絆が深まった。

「救護班!シンの応急処置を頼む!」

「「ハッ」」

シンは救護班の応急処置をうけた。

「これで、大丈夫だな」

ヴァンが言い、それを聞いたナタリアが言う。

「だが血を流しすぎた、危ない状況は変わらない」

「安心しろ、もう時期姉様が来る!狼煙をあげろ!」

ヴァンはそう言って騎士団に命令した。空から羽ばたきが聞こえた。

バサッバサッバサッ

飛んでいたのは白い竜だった。白竜は地面に舞い降り、白竜の背中から降りてきたのは金髪で耳が少し長く、水色の目をし、髪型はシニヨンの女性だった。

女性は走り出し、シンの横にしゃがんで唱えた。

「ミドル・ヒール」

シンは光に包まれ怪我が治っていった。

「これで大丈夫よ!血も少し戻ったけど数日は安静にね、精神的疲労は回復できないからね」

「ありがとうございます」

シンは、女性にお礼を言った。

「いいのよ!お姉ちゃんに任せなさい!」

「え?お姉ちゃん?」

「わわわ、私の事わかるわよね??」

「はじめてお会いしたと思うんですけど?」

「シンくんーー!!私よ私!」

女性はシンの両肩を掴み揺らして問いかける。

マジで記憶にないぞ!わたしわたし詐欺か?!

「俺!お金もってませんよ!!でも治療代は払いますから!」

そうシンに言われ女性は四つん這いになって落ち込んだ。

「私、詐欺師だと思われてる!!泣」

女性はめそめそしながら言う。

「姉さんはシンが生まれた時すぐに、戻って行ってしまったからな」

ヴァンがそう言った。

女性は思い出したように飛び立ち白竜に向かって言う。

「アー婆のせいだからね!仕事があるって、私を無理やり連れ戻って!そのせいで!シンくんに認識されてないじゃない!」

白竜は女性に向かって言う。

「仕事をサボってたお主が悪い!それに、寿命のないお主らからして5年など一瞬じゃろー」

「なんですって!!もういいわよ!私!聖女辞める!」

「お主は!神に選ばれた聖女なのだぞ!辞められるわけないであろう!」

「ぐぅぬーー」

白竜にそう言われ女性は項垂れる。

「あのーーあなたがお姉様だとは分かったのですがお名前とあと、白い竜に関しても」

シンが言い白竜が喋りだした。

「すまぬな挨拶が遅れた、私は神竜の白竜!アーナだ!」

「私は、シーナ・シュトラス!聖女をやってるわ!そしてあなたのお姉ちゃんよ♡!」

「シンです、よろしくお願いします」

「私が城まで送ろう」

アーナはそう言う。

「我々は後処理をしますので先にシン達をお願いしますねシーナ姉様!」

ヴァンが言い、その言葉に対してシーナは自信ありげに自分の胸を叩き言う。

「お姉ちゃんにまっかせなさい!!」

シン達はアーナに乗り白霧の森を出てしばらくすると日の出とともに滝に囲まれた国シュトラスが見えてきた。

「生きて戻って来れたー!それにしても綺麗だ!」

「そうね、生きてるって実感するわ」

「美しいですね」

「ウォン!」

シンとアルとリアとハクが言う。

「結界の許可が出てるからアー婆、城におりてくれる?」

「分かった」

そう言ってアーナは城の庭に舞い降りた。

「シンちゃん達!無事で良かった!」

「無事で何よりです!」

「3人ともよく戻った!」

「無事で良かった!」

ルシア、セリー、ウィル、レイツが言う

「ただいま〜」

「お父様!ただいま戻りました」

「国王様ただいま戻りました」

シン、リア、アルが言った。

「アルーお前はーお爺様でいいと言ってるだろー」

「は、はいお爺様!」

「よし!で、その魔獣はなんだ?」

「この子は僕が使役しました、飼ってもいいですか?」

「いいだろ!」

「ありがとうございます!良かったなハク!」

「ウォン!」

「後はもろもろ我々がやっておく、お前達はしばらく休みなさい」

「「「はい」」」

シン達はそれぞれの部屋に戻り眠りについたのであった。

次回は、平和な日常回です。

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