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26話 僕、領主にさせられる…

ブックマーク、レビュー、感想、アドバイス、アイデア、誤字報告などをよろしくお願いします!

作者のモチベが上がります!

シン達がシュトラス国に帰って来てから三日が経った。

「完成かな?」

シンは部屋にこもり、木工道具を使って何かを作っていた。

コンコン

「シン、いる?」

扉越しからシンに声をかけたのはリアだった。

「いるよー」

ガチャ

「荷造りは終わったの?」

「見ての通り終わっているよ」

「どの通りよ?」

リアは木屑だらけのシンを見た。

「何をしてたのよ?」

「ちょっとね」

「はぁ、まぁいいわ、それよりお祖父様がダイニングで話があるって」

「分かった、今行くよ」

シンは服を着替えてダイニングへ向かい、席に着いた。

「全員集まったな」

ダイニングには学園に入学する者達とウィル、ルシア、シリアが座っていた。

「今日中に水竜様に乗って、学園のある都市へ向かってもらう」

「今日ですか?」

「ああ」

「何日ほどで着くのでしょうか?」

疑問に思ったアルがウィルに尋ねた。

「それは、秘密なのじゃ!」

シリアが声を張り上げて言った。

「なぜ秘密なのですか?」

リアがシリアに聞いた。

「お楽しみなのじゃ」

「「…………」」

ダイニング内が一瞬静まり返った。しかし、何事もなかったかのようにウィルが話を続けた。

「それでだな、着いてすぐに入学式ではないからしばらくは自由に過ごして大丈夫だ」

「やっふー!!」

ウィルの言葉にシンは喜んだ。

「荷解きが先よ」

「…はい」

リアにそう言われシンはシュンとした。

「それと、シン以外は自由に学びたい学問を受けて構わない」

「僕は!?」

「一つだけだ、他は自由に受けて良い」

「そうなんですね、それで何なんですか?」

「領地学を学んでもらう」

「嫌です!」

シンは真顔で即答した。

「すまないが、領地学を学んでもらいたい」

「嫌です!!」

「魔道書受け取ったよな?」

「嫌です!!!」

「もう決まっていることだ、諦めろ」

「…」

シンは無言で机に突っ伏し、しくしくと泣き始めた。

「ウィル、シンちゃんが可哀想よ…」

「そうなのじゃ…」

ルシアとシリアがシンを擁護した。

「シン様、嘘泣きはやめてください」

「チッ」

アルにはあっさりと嘘泣きを見抜かれ、シンは舌打ちをした。

「王子として必要なことです。それに、ダンジョンにも行けなくなってもいいんですか?」

「分かった…」

「すごいな…シンをその気にさせるとは」

「伊達に五年もシン様と生活してましたからね」

ウィルの言葉にアルがそう言った。

「細かいことは学園で説明があるだろう」

「分かりました」

「それと、シン」

「はい?」

「寮は魔獣禁止だからな」

「じゃあハクとベガは連れて行けませんね」

「いや、寮ではなく庭がある家を借りれば大丈夫だぞ」

「高いのでは?」

「高いな…」

「ハクとベガをよろしくお願いします」

シンは即座にそう言った。

「話は以上だ」

「少しよろしいでしょうか?」

そう言ったのはメイドのセリーだった。

「どうした?」

「シン様達の世話係としてついて行きます」

ウィルはセリーの言葉に固まった。

「メイド長のお前が何を言っている?」

「メイド長やめます」

「ダメに決まってるだろ」

「なんて非道な職場なのでしょうか」

セリーは悲しげな表情を浮かべて言った。

「いや、いきなり辞められると困るんだよ…」

「長年勤めてきたのです。重宝してください」

「それはそうだが…他の者に行ってもらうのはどうだ?」

「私が行きます」

「ダメだ」

「チッ」

「ちょっと!私国王だよ!?」

「シン様、こんな王族にはなってはなりませんよ」

「酷!」

「アハハ…」

シンはセリーとウィルの言葉を苦笑いで返した。

「はぁ、分かった…しばらくは他の者にメイド長をしてもらう」

「感謝いたします。それと、あの者たちも連れて行って良いでしょうか?」

セリーは壁際に控えていた三人のメイドを示した。

「私達ですか!?」

「呼ばれた時点で決定事項…」

「城で働くより楽ですぅー」

三人は三者三様の反応を見せた。

「いいだろう」

「では、荷造りに取り掛かりますね」

「今からですか!?」

「今日中にですか!?」

「せめて三日前に言って欲しかったですぅ〜」

「小言はいいですから早く行きますよ」

「「「は、はい…」」」

セリーはメイド三人を連れてダイニングを出て行った。

「では、後は頼んだぞ」

そう言ってウィルもダイニングを出たのだった。

「僕、領主にさせられる…」

シンは焦りを隠せない表情になった。

「さすがにそこまで強制はしないわよ」

「そうですね」

「シン様なら民のためを思う方です…」

「シンが領地運営なんかずっと耐えられないだろ」

「逃げ出しそうです〜」

「たまに息抜きをすればいいのですわ」

シンの言葉にリア、アル、ヨミ、ガイ、ライ、リーシアが言った。

(皆の言う通りなんだよな…)

シンがそう思っているとシリアとルシアが言う。

「はっきり言うが…シンは領主になるのじゃ」

「「「え!?」」」

シリアの言葉にシン達は一斉に反応した。

「ずっとじゃないわよ」

「ふぅー」

シンはそのことを聞いてホッとした。

「でも、確実に領地を運営してもらうことになるわ」

「学園を卒業したらですか?」

「う〜ん…そこの所は学園の先生が説明してくれるわ」

ルシアはなんとも言えない表情で言った。

「なんだか、あやふやなことが多い気がするのですが…」

「シンちゃん、あなたなら大丈夫よ」

「そうなのじゃ!いつでも我を頼るのじゃ!」

「ありがとうございます…」

シンは不安を表に出さないようにしていた。しかし、母であるルシアはそんなシンを抱きしめた。

「シンちゃん、辛いこともあるかもしれないわ、だけど、そばには貴方を支えてくれる子達がいるでしょ?」

シンはアル達を一人ひとり見やった。

「一人で抱え込まずに人を頼りなさい、それにシンちゃんは何を守りたいの?」

「みんなを守りたい…」

シンはアル達を見ながら言った。

「だったらそのために何をしないといけないかわかるでしょ?」

「知識を蓄え、強くなること」

「そうね、これからシンちゃんは過酷な目に遭うかもしれないわ、道を見失うときもあるかもしれない。だけど何かを成し遂げようとする意志があれば人は成長できるの、立ち止まってもいいの。沢山泣いていいのよ。だからシンちゃんらしく進んでいきなさい」

「はい!」

シンは力強く返事をした。

(僕は…この幸せを守りたい…)

シンは心からそう思うのだった。

―――――――――――――――――――

シン達は話を終え、各々にダイニングを出ていった。シンはアルとリアを連れて庭へと来ていた。

「ウォン!」

「ヒーン!」

ハクとベガはシンに向かって鳴いて出迎えた。

「よーし!今日はこれで遊ぶぞ!」

シンは腰に提げてある収納袋から木製のフリスビーを取り出した。

「何よそれ?」

「部屋にこもって作っていたのはそれですよね?」

「うん、フリスビーっていって遊び道具なんだ」

シンは軽くフリスビーを投げた。その瞬間、ハクが走り出し、フリスビーをくわえた。

ガブッ

「ウォン!」

ハクはシンのもとへ駆け寄り、フリスビーを差し出した。

「こんなふうに遊ぶんだよ」

フリスビーを興味深そうに見つめるアルとリアへ向けてシンは言った。

「販売すればそれなりに儲かるのでは?」

「そうね、子供の遊び道具にも使えるでしょうね」

アルの言葉にリアが言った。

「いや…普通に遊びたいから作ったのに…」

シンはがっくりと肩を落とした。

「ウォン!」

「ヒーン!」

シンが肩を落としているとハクとベガが待ちきれないというふうに吠えた。

「はいはい、もう一回投げるよ」

「ウォン!」

「ヒーン!」

ハクとベガは広い庭に走ってシンがフリスビーを投げるのを待った。

(フフン、遊びでもこれは負けられない!ハクに敗北を喫した…本気で行かせてもらう!)

シンはフリスビーを人差し指で回し始めた。

(この技を一度見たものは一度はやるよな〜)

シンは大声で叫んだ。

「気●斬!!」

フリスビーは高速で回転しながら飛んだ。ベガが先に走り出したが、ハクに先を越され、取られてしまった。

「ウォン」

「ブルル」

「二人ともさすがだな〜」

そう言ってシンはハクからフリスビーを受け取った。

「遊ぶために作ったのでは?」

「随分必死ね…」

「遊びでも勝負は譲らないよ!」

アルとリアは呆れの視線をシンへ向けたが、シンは意に介さずフリスビーを構えた。

(第二投!)

「ナゲル!」

まるで口から電撃を出すように叫びフリスビーを投げた。

ガブ!

フリスビーはハクとベガが同時に取った。

「グゥーン!」

「ブルル!」

互いに自分の方が先だったと主張している。

「コラコラ、喧嘩しないの!これから僕がいない間は城で仲良くするんだからね!」

トン

シンの言葉にハクとベガは思わずフリスビーを落とした。

「グルル!」

「ブルル!」

ハクとベガは不満そうに唸った。

「仕方ないんだよ〜寮は魔獣禁止みたいだし、家を借りるなら大丈夫だけど高いから…」

「ウォン!!」

「ブルル!!」

ハクとベガは「家を借りろ」と言わんばかりに主張していた。

「えぇ〜」

「ウォン!」

「ヒーン!」

「グへっ!」

ハクとベガはシンを押し倒し、そのまま踏みつけた。

「ちょっと!一応主なんですけど!」

「ウォン!」

「ヒーン!」

「わ、わ、分かったよ!家を借りるから!連れていくから!」

「ウォン」

「ブルル」

ハクとベガは満足そうにしてシンを踏むのをやめた。

「あーあっ、家を借りないとな〜」

「ちょうどいいのでは?お世話係が4人もいますし」

「そうね、三人で借りれば大丈夫でしょう」

「え!?三人で住むの!?」

「何か問題でも?」

「い、いや〜」

シンは目を逸らした。

「貴方を一人暮らしさせたらどうなるか目に見えているわ」

「無駄な物を買ったりダンジョンばかりに行ってしまうでしょう」

リアとアルがズバリと言った。

「わ、分かったよー」

そう言っていると背後から声がかかる。

「当然俺も住むからな」

そう言ったのはガイだった。

「わ、私も婚約者ですから…シン様と住みたいです…」

「みんなで暮らすなんて楽しそうですね〜」

ガイの後から来たヨミとライが言った。

「大きな家を借りないとね…」

シンは引きつった笑みを浮かべた。

「私は住む場所が決まってますわ…」

三人の少女を連れて残念そうにリーシアが言った。

「学園には一緒に行けるんだから元気出してよ」

「そうですわね」

「それと、人型の姿も綺麗だよ」

「あ、ありがとうですわ!」

リーシアは尻尾と角以外は少女そのものだった。可憐なドレスを着飾り紫色の長い髪を靡かせていた。

「都市に到着したら、まずは家探しですね」

セリーは荷物を持ちながら城から出てきた。

「ハァハァ、ギリギリ間に合ったわ!」

「ハァハァ、無茶ぶりにもほどがあったわ!」

「ハァハァ、お腹がすいたですぅ〜」

三人のメイドが息を切らしながら荷物を持っていた。

「なんでみんな荷物を持ってきてるの?」

シンは荷物を抱えてやってきたアル達へ尋ねた。

「今から出立してもらうからだ」

そう言ってウィルはルシア、シリア、アリスを連れて城から出てきた。

「どうして今なんですか?」

疑問に思ったシンは聞いた。

「あれを見るのじゃ」

シン達はシリアが指を差した遠くの雲を見た。

「なんだ、あれ!?」

「普通ではありませんね…」

「まさか、あの中なの!?」

シリアが指差した雲は巨大で繭のように雲が渦巻いていた。

「ぜ、ぜ、絶対!ラ●ュタがあの中に!」

「なんだそれは?」

シンの言葉にウィルが言った。

「では!アイン●ラッドが!ダンジョンがあると!」

シンは興奮しながら言った。

「ダンジョンはあるが…その変な名前ではないぞ」

「じゃあ!スカ●ピアという空島が!黄金郷の昔話があるのでは!」

「空島ではあるが黄金郷はないぞ」

「空島なんですね!じゃあ僕たちは今から船に乗ってノッ●アップ・ス●リームで行くのですね!」

「いや、水竜様に乗って行くんだ」

「乗せていくっすよ!」

そう言うと、庭の奥からスカイがやってきた。

「はぁぁぁぁ」

シンはがっくりとうなだれた。

「異世界だから、実際に体験できるかもって思ったのに…」

シンはその場にしゃがみ込み、ぶつぶつとつぶやきながら地面を指でなぞっていた。

「オレっち何かしたッスか!?」

「いつものことです」

「そうです」

スカイの言葉にアルとリアが言った。

「シン様、収納袋を貸してください」

「はい…」

シンは収納袋をセリーに渡すと、セリー達は皆の荷物を収納袋にしまった。

「それじゃあ行くッスよ」

シン達はスカイの背中に乗り込んだ。

「皆、頑張るのだぞ!」

「いつでも帰ってきてちょうだいね!」

「兄様、行ってらっしゃい!」

「行ってきますー!」

シンはウィル達に向かって元気よく返事をした。

スカイは大きく羽ばたき、空へ飛び立った。

バサッバサッ

スカイはあっという間に城を離れ、巨大な雲に向かって飛ぶのだった。

「せめてインパクト●イヤルないかな…」

「いい加減うるさいわよ」

「はい…」

アニメネタを入れたいけど思いつかない…

全体的に作者のレパートリーが少ない…

文章力がない…

次回から学園編になります!読んでいただけると幸いです!

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