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19話 なんで!あんたがここにいんのよ!

シン達はルシア達のお陰でナガリオを守ることができた。だが、途端にシンが倒れたのだった。

「シン様!!」

アルはシンの体を支え、シンに声をかけた。

「大丈夫ですよ、眠っているだけです」

セリーがアルへと言い、アルはその言葉に安心して言った。

「これで2度目です…」

アルは悔しそうにしながら言った。

「アルちゃん…」

ルシアはアルを憐れんでいた。

「最初に倒れたのがあの時か…」

「はい、ベガに血を与えた後に…」

ヤミの言葉にアルが言った。

「転移?…召喚でしょうか?ハクは長距離を一瞬で移動したのです…おそらくですが、シン様の魔力を使ったのでしょう」

「そんなことあり得るの?」

セリーの推測にルシアが言い、セリーは複雑な表情で言う。

「ルシア様は大精霊と契約して、顕現させられるでしょう…」

「あっ、そうね!」

『るーちゃん!!』

ルシア達の頭上から声がかかった。ルシア達の前に掌ほどの大きさの緑髪の女の子が宙に浮きながらプンプンとしていた。

「ピーちゃん!」

『久しぶりに呼んだと思ったら魔物退治?冒険者は引退したんじゃないの?』

「それがねぇ〜」

ルシアはピーちゃんと呼ばれる者に事情を説明した。

『へぇーこの子がるーちゃんが言ってた子ね』

ピーちゃんはシンの傍に寄り、そう言った。

「あのー、貴方は?」

アルがピーちゃんと呼ばれる者に聞く。

『私は風の大精霊ピアナよ』

「だだだ大精霊!?」

「!?」

風の大精霊ピアナの言葉を聞きガイとライが驚いていた。

『ふふっん!この感じ久しぶりね!』

「ブルルル!」

ピアナに向かってベガが鳴き、ピアナはベガを見て驚いて言った。

『なんで!あんたがここにいんのよ!』

「ブルルル」

『シンちゃんの従魔になったですって!』

「ブルル」

『あんた馬鹿なの!もしかしたらシンちゃんが死んでたかも知れないのよ!』

「なんですって!!!」

「どういうことですか!!!」

ピアナの言葉にルシアとアルが反応した。

『当たり前よ、聖獣といきなり契約するなんて!一体何考えてるのよ!』

「ブルルルル!」

ベガはそっぽを向いて鳴いた。

『帰ってしまいそうだったから、仕方なくですって!諦めなさよ!』

「ブルル!」

『暇だったって!このバカ馬!』

「ブル」

ガブッ

ベガはピアナを口に挟んだん。

『グヘッ!何するのよ!』

「ウォン!!」

ハクが大きく吠え、全員がハクを見るとハクは寝ているシンを示す。

「そうね、早くシンちゃんを休ませましょう」

「そうですね、アル達も、今日はもう休んでください」

「そうだな、あとのことは俺達に任せな」

ルシア、セリー、ヤミが言った。ルシアはベガに挟まれているピアナに聞く。

「ピーちゃんはどうする?」

『そうね…しばらく一緒にいるわ』

「わかったわ、それじゃあナガリオに入りましょう!」

そう言ってルシア達はナガリオへと歩き出した。

ピアナはベガに挟まれながらヤミに担がれているシンを見ていた。

((まさか、あの方のお子がいるとはね…))

ピアナはある者に視線を移した。

そうして、シン達はナガリオの人々を守ることができたのであった。

―――――――――――――――――――

ナガリオ近辺の森の木に立つ、黒いローブの者がナガリオを見ながら口を開く。

「死人0か〜神竜族にも逃げられちゃったなぁ〜それにしても、あの白髪の男の子ユニーク以上のスキルを持ってるね〜今すぐ手に入れたいけど邪魔者がいるからねぇ〜だけど狙った獲物は逃さないよ〜」

そう言って黒いローブの者は一瞬にして消えた。

―――――――――――――――――――

魔物達の襲来から2日後の昼頃、シンは目を覚ました。

「ふぁぁ…」

シンは欠伸をしながら周囲を見渡した。

「シン様…」

シンが起きたことにベッドの隣にいたアルが涙目で歓喜していた。

「おはよう、アル」

「おはようございます、無事にお目覚めになられて良かったです」

(え?何その言い方?僕はどれだけ眠っていたんだ?)

「アル、どのくらい眠ってたの?」

「魔物の襲来から2日が経ちました」

「僕2日も眠ってたの?」

「はい、セリーさんの話だと急激に魔力を消費した反動だと…」

「そっか…」

(確かに…ハクが現れた時、力が抜けていく感覚があったんだよね)

ぺロッ

「イヤ〜ン!」

シンが思い出しているとハクがシンの顔を舐めた。

「ハク…心配かけたみたいだね…」

そう言ってシンはハクを撫でるのであった。

「それでここはどこなの?」

シンがいた部屋は、装飾こそ控えめだが立派な造りの寝室だった。

「ここはナガリオの領主のための屋敷です」

「へぇ〜」

シンが部屋の中を見ていると腹が鳴る。

ぐるるる…

「お腹が減って力が出ない…」

「それではダイニングでお食事にしましょう」

「うん!」

そう言ってシンとアルはハクを連れてダイニングへと入り、席へと着いた。

「アル…無事にナガリオの人々は守れたの?」

「ええ、被害があるとしたらルシア様達が検問所の前の地形を変えたぐらいですよ」

「それだけで良かったよ」

「本当ですね」

2人がそう話していると扉が勢いよく開いた。

ダン!

「シンちゃん!!」

ダイニングに入ってきたのはシンの母ルシアだった。

「母様?」

「シンちゃん!お説教よ!」

「え?」

「修行が終わったならすぐに国に帰ってこないとダメでしょう!!」

「す、すみません」

「大体ね、寄り道がダンジョンって一体誰に似たのかしら」

(母様も絶対寄り道するでしょ!)

シンは心の中でそう思っていた。

「ちょっと聞いてるの?!」

「はっ、はい」

シンはしばらくルシアに説教された。

シンはルシアの説教から解放され、食事を済ませて庭に出た。

「ヒーン」

庭にいたベガがシンに頬擦りをした。

「ベガにも心配させてごめんね」

「ブルルル」

「ハク、ベガ助けに来てくれてありがとう」

そう言ってシンはハクとベガを撫でた。

「ウォン」

「ヒーン」

シンがハクとベガを撫でていると、シンの元にピアナが現れた。

『やっと目覚めたのね!』

「ここここ小人が飛んでる!!」

シンはピアナを見て驚いた。

『私は小人族じゃあないわよ!私は風の大精霊の1人ピアナよ!』

「あ、そうなんですね失礼しました」

『分かれば良いのよ』

「その風の大精霊様がなぜ?」

『私はルシアに呼ばれて顕現したのよ』

「え?じゃあ母様と契約してるんですか?」

『そうよ』

(精霊って実態があるのか…)

「それで、なぜ僕に会いに来たのですか?」

シンは疑問に思いピアナに聞いた。

『忠告よ』

「忠告ですか?!」

『そこのバカ馬が聖獣ってことは知ってるわよね』

「はい」

『あなたの【テイム】は自分の血を与えることで魔獣と繋がりを持つのよ』

「なるほど、だから魔力が減ったのか」

『そういうこと、他にもデメリットがあるわ』

「魔力が減るだけですよね?」

『いい、魔獣が魔法やスキルを使う時に自身の魔力とあなたの魔力を使うのよ』

「そうなんですか!」

『その分、威力なんかが良くなるわ』

「いいことじゃないですか」

『あなたが魔獣と対等のステータスならね』

「?」

ピアナの言葉にシンは疑問に思った。

『あなたの魔力が尽きれば、代わりに生命力が使われるのよ』

「ってことは…死ぬ!」

「やはりテイムは危険ですね」

ピアナの言葉にシンとアルが言った。

『いいこと、気軽になんか使わないことね』

「分かりました」

『それと、いつか私をテイムするためにテイムスキルレベルを上げときなさいよ!』

そう言ってピアナは風と共に去っていった。

「テイムすること決定されてる…」

「今テイムさせられるよりはいいでしょう」

「そうだね」

そう話していると、塀の向こうが騒がしくなり始めたのだった。

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