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17話 このことは一生忘れませんわ!

冒険者ランク変更しました。

【SSS】

【SS】

【S】

【AAA】

【AA】

【A】

【B】

【C】

【D】

【E】

【F】

【G】

シンとアルはヒメノ国での修行を終え、ヒメノ国を出てから7日が経った。シンとアルはガイを引き渡した後、冒険者ギルドで依頼を受けナガリオから森へと向かっていた。

「シン様、調査依頼で良かったのですか?」

「うん、魔獣の数が減った理由が知りたいんだよ」

「なるほど」

(でも、本当の原因は森の中にいる気がするんだよね)

シンとアルはナガリオの検問所へと着き、気になったことを騎士へと聞く。

「あの、騎士が少なくないですか?」

「検問所に2人しかいないのは、危ないのでは?」

そう聞かれた騎士はため息をつきながら話した。

「それはな、どこかの貴族が森に入るからって冒険者と騎士達を強引に連れて行ったんだよ」

騎士は不満ありげに説明した。

「なるほど、ありがとうございます」

「森に行くのか、気をつけな」

「お気遣い、ありがとうございます」

そう言ってシンとアルは検問所を通り、森へと歩き始めたとき、地響きが聞こえてきた。

ドスン!ドスン!

「なんだ、この音は?」

「近づいてきていますね」

(この地響き……普通の魔獣じゃない)

シンがそう思った瞬間、防壁の上から騎士の声が響いた。

「ド、ドラゴンだ!!!」

「ドラゴンだって?!」

「早くナガリオに入ろう!!」

騎士の言葉を聞き、検問所にいた人々が慌ただしくし始めた。検問所の騎士は人々を落ち着かせるために声を上げた。

「落ち着いて通ってください!」

「避難は大丈夫みたいだね」

「シン様、我々も避難しましょう」

「それはできないよ」

シンはアルの言葉を否定した。

「なぜです?!」

「さっき騎士の人が言っていたでしょ?この街の騎士や冒険者がいないんだ、これでも僕も冒険者だからね」

アルは最初は驚いていたが、微笑みに変わり、ため息をついて言った。

「はぁ、全くシン様は王子という自覚がありませんね」

「婚約者の国の人々を守るのも王子の仕事でしょ?」

「全く、私は貴方の従者ですよ、お供しますよ」

「ありがとう、アル」

その間に、紫色のドラゴンはすぐ近くまで迫ってきていた。そして、ドラゴンの影から3人の男達が姿を現した。

「ようガキ、逃げ遅れたのか、アハハ!」

「冒険者にしてはちいせぇなぁ!ワハハハ!」

もしかして、この人達がドラゴンを使役しているのか?

「あの、あなた達は?」

「シン様!どう見ても悪人ですよ!!」

アルは小声でシンに言った。

(やっぱりそうか、見るからに悪人だな)

シンがそう思っていると男達が口を開く。

「聞いて驚くな!」

「俺達は、泣く子も黙る!」

「黒猫の盗賊団だ!」

(前にも会ったよな?もしかして、巨大な犯罪組織なのか?)

シンはそう思いアルに小声で聞く。

「ねぇ、アル!」

「どうされました?」

「黒猫の盗賊団って有名なの?」

「知りませんね、『アビス』なら知っているのですが」

「『アビス』って?」

シンは気になり、アルに聞いた。

「殺し、盗み、奴隷売買、国家転覆、スキル狩りなどを世界中で行っている犯罪組織です」

(スキル狩りねぇ…実際にスキルを入手するためだけに人を殺すのか?なぜ、そこまでしてスキルを手に入れたいんだ?)

シンの表情には、隠しきれない嫌悪が浮かんでいた。

「おいおい、俺達が黒猫の盗賊団と知って腰でも抜かしたか!アハハ!」

その言葉にシンが言う。

「ナガリオを狙っているんですか?」

シンは表情を戻し、盗賊に聞いた。

「ナガリオは今日から黒猫の盗賊団の拠点になるんだよ!アハハ!」

「酒も金も全部!黒猫の盗賊団の物だ!ワハハ!」

「分かったら、その剣を渡しな!高く売れそうだ!」

(もしかして、冒険者達をわざとナガリオから遠ざけたのか?!)

「断ったら?」

「このドラゴンの餌になってもらう」

盗賊は後ろにいるドラゴンを示して言った。

(ドラゴンか。神竜達には世話になっているから、あまり傷つけたくはないけど…)

「タ…スケ…テ」

紫竜は口を開き、苦しそうにシンに助けを求めた。

「しゃ、喋った!」

「まさか!」

シンとアルが驚いている様子を見て盗賊が自慢ありげに言う。

「聞いて驚け!コイツは伝説の神竜族の子供だ!」

「戦闘能力が高く、それに加えて強力なスキルを持っている!」

(もしかしてサラマ達の子供なのか?!)

「アル、無傷であの子を拘束できないかな?」

「難しいでしょうね」

(それにしても、助けを求めているのに、なぜ逃げようとしないんだ?)

シンは紫竜の首に首輪がつけられていることに気づく。

(あの首輪のせいで逆らえないのか!)

「アル、あの首輪を取って助けよう」

「分かりました、ですが盗賊は…」

その時、防壁から少年と少女が飛び降りてきた。

「おいおい、面白いことになってんじゃねぇか!」

「助力しますよ〜」

「ガイ、ライ!」

「面白くなどありません!」

「たく、感謝もできねぇのか?」

アルはガイへと突っかかる。

「ガキが増えたところで俺達には勝てねぇよ!」

「そうですか〜」

盗賊の言葉にライは懐から杖を出し唱えた。

「風の精霊よ、我が声に応え、その力を貸し与えよ――『エアバレット!』」

そうライが唱えると杖の先端から、拳ほどの大きさの風の弾丸ができた。

パシュッ!

エアバレットが盗賊の1人に向かって放たれた。

ヒュンッ!

ドガッ!

「ガッハッ!」

エアバレットは盗賊の脇腹へと命中し、盗賊は衝撃で吹っ飛ばされた。

(え?!すご!?)

「初級魔法なのに威力が高い!」

「精霊さんと契約してるからです〜」

「精霊の力を借りると、魔法の威力も精度も上がるんだよ」

「そうなの?!」

(精霊っているんだ、いつか俺も精霊と契約したいな)

シンの言葉にライが言い、ガイが説明した。

「ガキ共!やってくれたなぁ!」

「全員殺してやる!」

残りの盗賊2人が武器を構えシン達に言った。

「おい!ドラゴン!このガキ共を殺せ!」

盗賊は紫竜へと命令した。

「…イ…ヤ…」

「黙って従え!!」

紫竜が拒否したが盗賊が言った瞬間、紫竜の首輪が光った。

「…クル…シイ…」

そう言って紫竜はシン達の真上に数本の雷を出した。

「やばい!」

「シン様!ライさん!」

アルは大盾を上に構えてシンとライを守る。

「おい!俺は!」

「避けなさい」

「ふざけんなぁ!」

その時、雷が真上から降り始めた。

「アル!お前絶てぇ射抜いてやるからな!」

「「心を?!」」

「違うわ!!!」

ガイは降り注ぐ雷を避けながら言った。雷が止み、シン達は無事だった。

「おいおい、あのドラゴン喋るし、魔法使うし、なんなんだ?」

ガイは疑問に思い、シンに聞いた。

「神竜族の子供なんだ」

「あの!伝説のか!?」

「傷つけずにあの首輪を外したいんだ」

「シン、相手は俺達を殺しに来てるんだぜ?」

「分かっているけど…助けてって言っていたんだ!あの子を助けたい!」

離れた場所にいた紫竜はシンの言葉が聞こえ、一滴の涙を流した。

「やっぱ、おめぇは面白ぇ奴だな!俺も手伝ってやるよ」

「私も協力します〜」

「お供しますとも」

「みんな、ありがとう!」

シンは笑顔で三人に感謝した。

(仲間っていいものだな)

シンは心からそう思ったのであった。

「それでは、私とガイが盗賊の相手をします」

「お願いね」

「わかったぜ」

「了解です〜」

四人はそれぞれ武器を構えた。

「調子づきやがって!」

「ドラゴン!攻撃しろ!」

紫竜は命令され、頭ほどの雷の玉を作り出しシン達に向けて放った。

「アル!」

「はい!」

アルは大盾を構え攻撃を防いだ。ガイはその隙に盗賊の足を弓で狙った。

ヒュンッ!

ジュシャッ!

「ぐぁぁぁ!」

「ドラゴン!俺達を守れ!」

ドラゴンは盗賊を守るために前へ出ると、その勢いのまま尻尾を振った。

ゴン!

「うわ!」

「ぐぅ!」

アルとシンは盾で防ごうとしたが衝撃で転んだ。

「盗賊を倒せば首輪を外せるのに!」

(竜が盗賊たちを守っている。魔法で無力化するわけにもいかないし……)

「シン様、私に作戦があります」

そう言ってアルは3人に作戦を話し、実行した。

「こっちだ!」

ヒュンッ!

ガイは竜の視線を自分に向けるため矢を放った。その間にライが魔法を唱えた。

「エアカーテン!」

竜の目の前に風の幕ができ、土埃や草などを巻き上げ竜の視界を見えなくした。

「今です〜」

ライの合図と共にシンとアルは唱えた。

「瞬脚!」

「脚力強化!」

ダン!

シュンッ!

シンとアルはスキルを使い一瞬で盗賊の懐に迫り、倒した。

ドサ!

「アル、作戦成功だよ、すごいよ!」

「勿体ないお言葉です」

そう言いつつもアルは内面では喜んでいた。ガイとライはシンとアルに声をかけた。

「ダンジョンで手に入れたスキルいいなぁ」

「とっても早かったです〜」

「2人の協力があってこそだよ」

「そうですよ」

シン達はお互いに讃え合った。

「そうだ、早くあの子を助けないと」

シンはそう言って剣を使い竜の首輪を外し、竜は口を開く。

「助けてくださり、感謝しますわ」

竜はそう言って頭を下げた。

「いえいえ、怪我はありませんか?」

シンは竜を見ながら聞いた。

「気を使って頂いたお陰で無傷ですわ」

「それは良かった」

「お名前をお聞きしたいのですが…」

「僕の名前はシンだよ」

「私はアルと申します」

「俺はガイだ」

「私はライです〜」

竜は自己紹介をされ小声で呟いた。

「シン…様…」

その呟きはシン達には聞こえなかった。

「貴方のお名前は?」

「私は神竜族のリーシアですわ」

「よろしくね」

「は、はい」

リーシアはそう言いながらライをチラチラと見ていた。シンはそのことに気づき、言った。

「ライがどうしたの?」

「い…え、そのライさんは婚約者などはいるのでしょうか?」

リーシアは歯切れ悪く言った。ライは不思議に思いながらも答えた。

「いませんよ〜」

「そうなんですね!」

なぜかリーシアは喜びながら言った。

「リーシアは自由になったけどどうする?」

「しばらく竜域を離れていたので、戻らなければいけません…」

(竜域?)

「後のことは我々がしますので、大丈夫ですよ」

「アルの言う通りだよ」

「お言葉に甘えて…」

そう言ってリーシアは翼を広げた。

「元気でねー!」

「このことは一生忘れませんわ!」

力強く翼を羽ばたかせると、リーシアは大空へと飛び立った。

「ドラゴンって速いんだな」

「ですね」

「もう見えなくなったぞ」

「かっこいいです〜」

シン達が大空を見上げていると、背後から盗賊の1人が立ち上がった。

「お前は最初に倒れた盗賊!」

シンはそう言ってライに倒された盗賊に向かって剣を構える。

「お前ら…は終わり…だ…」

盗賊は腰に提げていた袋から笛を取り出し、笛を吹いた。

「ピィィィィィッ!」

高く鋭い音で耳をつんざき、広範囲に届いた。

「なんだ、この音は!?」

音が鳴りやむと盗賊はシン達に言った。

「…魔笛で…魔物を…呼んだ…終わりだ…ナガリオ…」

そう言い残し盗賊は息絶えた。

(魔物を呼んだ!?一体何が起こるんだ!)

ナガリオへと新たな脅威が迫っていたのであった。

―――――――――――――――――――

【ナガリオ付近の森にて】

無数の多種多様な足音と奇声が森に響く。

「ギャッ!」

「キィ!!」

「ブビィ!」

ドスッ!

ドスッ!

「キシャアー」

バサッ!

「グガァー!」

ナガリオへと魔物の大群が迫っていた。

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