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14話 紅のダンジョン3階層

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シン達がヒメノ国から出て四日目、シュトラス国王城のダイニングにてウィル、リア、アリスが席に座っていた。

「リアお姉様」

「アリスどうしたの?」

食事を終えたアリスとリアは会話を始めた。

「リアお姉様の部屋に時々行ってもいい?」

「ええ、いつでも来ていいわよ」

アリスの言葉にリアが微笑んで言った。

「仲が良いことはいいことだ」

ウィルはリアとアリスの微笑ましい会話を見て言った。

「シン兄様と早く会いたい」

アリスは悲しげな表情で言った。

「そうね、シンが帰ってきたらお茶でもしながらどんな事があったか聞きましょうね」

「楽しみ」

リアの言葉にアリスは微笑んで言った。その会話を聞いてウィルは申し訳なさそうな表情をしていた。

「お祖父様、どうされました?」

「い、いや」

ウィルはリアに聞かれ戸惑った。

「心苦しいのだがシン達が帰ってきたら、またしばらく城を留守にすることになる」

「何故でしょうか?」

ウィルの発言にリアが問う。

「シン達が帰ってきたら話そうと思っていたが先にリアには話しておこう、シンとアルそしてリアには学園に入学してもらう」

「学園ですか?」

「ああ、魔術学、剣術学、薬学、政治学、領地学等を学べる学園だ」

「それほど多くを学ぶのですか?」

「いや、生徒自ら学びたい授業を選択するのだ」

「では私は政治学を?」

「アルとリアは自由に選択して構わない」

ウィルの言葉にリアは不思議に思い、聞いた。

「シンは自由に選べないのですか?」

「シンの場合領地学を学んでもらう、その他の授業は自由で構わない」

「何故領地学を?」

「それは領地運営をしてもらうためさ」

「シンにですか?!」

リアは驚いた。

「ああ、そして実際に学園に通いながら領地運営をしてもらう」

「学園に通いながら領地運営ですか?学園はどちらの国に属しているのですか?」

「一応シュトラス国の領土だよ」

「一応というのは?」

「そのうち分かるよ」

「わ、わかりました」

「詳しい話はシン達が帰ってきてからだ」

「わかりました」

リアはウィルとの会話を終えアリスを見た。アリスはシン達が学園に通うと知って落ち込んでいた。

「アリス......」

アリスの表情を見てリアは悲しげな表情になった。その光景に見かねたウィルがアリスに言う。

「来年アリスも学園に通うかい?」

その言葉を聞きアリスは笑顔で言った。

「通う!」

「わ、分かった」

アリスの勢いにウィルは少々押された。

「良かったわね」

「楽しみ」

こうしてシン達の学園入学の話が進んでいったのであった。

―――――――――――――――――――――――――

その頃シン達は3階層へのゲートを潜り、進んでいた。

「ヘックション!」

「シン様大丈夫ですか?」

「アル大丈夫だよ」

誰か俺の噂でもしてるのかな?なんか嫌な予感がする!

そうシンが思っていると、シン達の目の前に5匹の赤い肌のゴブリンが現れた。

これが嫌な予感か?!めんどくさい事が起こりそうな予感か?そんなことよりもゴブリンだ!

「知恵の本!」

【レッドゴブリン】

【説明】レッドゴブリンは群れで行動し、武器を持ち連携して攻撃をする、個体によっては火魔法を使う。


「アイツらレッドゴブリン、連携して攻撃をして火魔法も使って来るよ!」

「厄介ですね、私が防御します」

「やっと戦えるぜ!」

シン達は武器を構えレッドゴブリン達を待ち構えた。

「ギャッ!」

「ギャギャッ!」

奇声を上げレッドゴブリン達はシン達を襲う。

「ギャッ!」

ゴブリンの1匹が弓を引き矢を放った。

カンッ!

アルは大盾で矢を防いだ。

「ガイ!あの弓を持ったレッドゴブリンをお願い!」

「任せな!」

シンに言われガイは弓を引いて矢を放った。

ヒュッ!

ズブッ!

「ギャッ!!」

残りのレッドゴブリン達は奇声を上げ怒りを露わにし、シンに向かって突撃した。

「ファイヤーボール!」

ボンッ!

「ギィァァァ!」

シンのファイヤーボールはレッドゴブリンの1匹に命中した。

「ギャッ!」

シュッ!

「キィン!」

「ハッ!」

ズシュッ!

アルは剣を構えレッドゴブリンが振るった剣を弾きレッドゴブリンを倒した。

「グギィィ!」

「ギィ!」

2匹のレッドゴブリンはシン達に背中を向け逃げ出した。

「逃がすかよ!」

ガイは弓を引き同時に2本の矢を放った。

ヒュッ!ヒュッ!

ズブッ!ズブッ!

2匹のレッドゴブリンはガイによって倒された。

「ふぅ、ナイスガイ!」

「やっと役に立ちましたね」

「おいおい、アル俺より倒した数が少ないからって嫉妬すんなよ」

「なんですと!」

「本当のこと言われて怒んなよ〜」

「フンッ!貴様は私の後ろに隠れてコソコソと攻撃をしていただけでしょうに」

「なんだと!」

「事実でしょう」

そう言われガイはアルの頬を引っ張り、負けじとアルもガイの頬を引っ張った。

「やぁめぇろぉー!」

「おまぇがぁやぁめぇろぉー!」

その様子をシンは微笑ましいと思いながら見ていた。

「ほら2人ともそこまでにして」

シンに言われ2人は頬を引っ張るのをやめた。

「貴様シン様に感謝するんだな」

「フッ、俺に射抜かれなかったことを感謝するんだな 」

「え?心を?」

「シン様!虫唾が走るようなこと言わないでください!!!」

「やめろよなシン!俺は男になんかに興味はねぇよ!!!」

「冗談だって、あはは」

シン達はレッドゴブリンを回収し先へ進んで行く、何度かレッドゴブリンに遭遇したがシン達は次々と倒して行った。

「そういえば何階層まで行くんだ?」

ガイはシンとアルに聞いた。

「回復できる人がいないし安全の為に5階層まで行こうと思ってるよ」

「シン様、安全の為今すぐ帰りましょう」

「いや!」

「はぁ」

「おい、止まれ」

シンとアルはガイに言われ立ち止まった。

「ガイどうしたの?」

「あそこの地面を見ろ」

そう言われガイが示した地面を見る。

「妙にへこんでますね」

「多分だが罠だ」

「罠ってもしかしてレッドゴブリンが?」

「多分な」

ガイは石を拾い、へこんでいる地面に投げた。

ズボッ!

地面が崩れ罠が顕になった。

「落とし穴!」

「シン様!レッドゴブリンです!」

アルの声と同時に落とし穴近くの岩陰から15匹のレッドゴブリンが現れた。

「キャッ!」

「ギャギャッ!」

杖らしき物を持ったレッドゴブリンがファイヤーボールをシン達に放った。

「アル!」

「はい!」

ガン!

アルは大盾でファイヤーボールを防ぎ、反撃の為シンは魔法を唱えた。

「ファイヤーボム!」

ヒュン!

ドォン!

シンのファイヤーボムにより5匹のレッドゴブリンが吹き飛ばされた。

「ハッ!」

ズシャ!

「おらよ!」

ヒュン!

シンの攻撃に合わせアルとガイもレッドゴブリン達を倒していった。

「これで終わったね」

「やけに数が多かったですね」

「俺に感謝するんだな」

「ガイ助かったよ」

「俺に任せろって言っただろ!」

ガイは自慢げにシンに言ったが悪い笑みを浮かべてアルを見ながら言った。

「あれ〜感謝も言えない人がいるなぁ〜」

「フンッ、私は今7匹倒しましたが貴方は何匹ですか〜?」

カチン!

「本当にお前を射抜いてやる!」

「心を?」

「違うわ!!」

3人は言い合いをしながらレッドゴブリンを回収し、先へと進みひらけた場所にたどり着いた。広場の中心には筋骨隆々で体長2メートルのレッドゴブリンが立ち、周りには30匹のレッドゴブリン達が武器を構えていた。

あれが3階層のボスか!

「知恵の本!」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【レッドゴブリンキング】

【見た目】体長2メートル、深紅の赤い肌、黄色く鋭い眼光、大きな牙が生えている、大剣を持っている

【特徴】高い知能を持ち、火魔法を操り、レッドゴブリン達を統率する。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

ゲッ!強そうなんですけど!

「アル、ガイは普通のレッドゴブリンを引き付けてくれる?」

「お任せを!」

「だがよ、数が多いぞ」

「泣き言ですか?」

「あん?やってやるよ!」

「頼んだよ、僕はレッドゴブリンキングを狙う」

そう言ってシンは魔法を唱える。

「ファイヤースピア!」

シュッ!

ファイヤースピアはレッドゴブリンキングに向かって放たれた。

ガン!

「ウガァァァ!!」

レッドゴブリンキングは地面に大剣を刺し咆哮をあげた瞬間レッドゴブリンキングの前に火の壁ができシンのファイヤースピアは防がれた。

「なっ!」

ファイヤースピアが防がれた!アイススピアならどうだ?いや、溶かされてしまうか、だとしたら近接か!その前にレッドゴブリンを減らそう。

「ファイヤーボム!」

ドォン!

「ギャッ!」

ファイヤーボムによって5匹のレッドゴブリンが吹き飛んだ。

まだか!

「ファイヤーボム!」

ドォン!

「ギャギャッ!」

またもやレッドゴブリンを5匹倒したが、レッドゴブリンキングは黙って見ていなかった。

「ウガァァァ!」

レッドゴブリンキングは咆哮し、シンに向かって大剣を振るった。

ドン!

シンは攻撃を避けた。

おいおい!なんて威力してんだ!受け止めることはできないし防ごうとしても弾き飛ばされる!どうすれば!

「くっ!」

何のために5年間修行したんだ!負けてたまるかよ!

「行くぞ、クソゴブリン!」

「ウガァァァ!!!」

レッドゴブリンキングが咆哮する。その隙を突き、シンは一気に距離を詰めた。レッドゴブリンキングは近づけまいと剣を振るったがシンは体勢を低くし避けレッドゴブリンキングの脹脛を斬った。

「ウガァァ!」

ドスッ

レッドゴブリンキングは片足の脹脛を斬られ片足を着いた。その隙をつきシンはレッドゴブリンキングの腕を狙った。

ブスッ!

「硬い!」

レッドゴブリンキングには浅い傷ができるだけだった。

だったら連発で魔法を放ってやる!

「ファイヤーボム!」

ドォン!

「ウガァァァ!」

「ファイヤーボム!」

ドォン!

「ウガァァァ!」

「ファイヤーボム!」

ドォン!

「ウガァァァ!」

シンに魔法を連続で放たれたレッドゴブリンキングは瀕死になった。

「トドメだ!『ファイヤースピア!』」

ヒュン!!

ズシュッ!

「ウガァァァァァァ!!」

レッドゴブリンキングは奇声を上げながら息絶えた。

「やっと倒れた.....2人は?!」

シンはそう思いアルとガイを見た。2人はレッドゴブリン達を全て倒していた。

「2人とも大丈夫?」

「多少疲れましたが問題ありません」

「無傷じゃあねぇけどな」

「ハハハ、2人ともありがとう」

「シン様が私達を信頼しての行動だとわかっています」

「任せろって言っただろ!」

シン達が話していると広場中心が赤色に光り赤い玉がシンの手のひらに落ちた。

「何これ?!」

「小さいですね」

「まさか!レッドゴブリンキングの玉か!」

「ひぃ!」

コトン!

シンは咄嗟に赤い玉を落とした。

「シン様ガイの戯言を信じてはいけません!」

「だって!」

「アハハッ!」

「で、これはなんなの?」

「帰りに安全地帯のギルド職員に聞きましょう」

「それとダンジョン攻略はここまでにしない?」

「私は賛成です」

「俺もいいぜ、正直俺も力の差を感じたしな」

「それじゃあ2階層の安全地帯で1日過ごしてダンジョンを出ようか」

「了解です」

「わかったぜ」

こうして今回の紅のダンジョン攻略は終わったのであった。

―――――――――――――――――――――――――

【???階層】

空間に重々しい声が響く。

『我が求めるは、豪炎に耐えし者。

絶望を乗り越えし者。

希望を胸に抱き、悪を滅する者。

紅の試練を超えし者。

そして、我を打ち倒す者。

――世界の希望となり、

来たるべき試練に挑む覚悟を持つ者なり』

その声は静かに消え、空間には再び沈黙が訪れた。

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